介護サービス|制度、種類、内容等をわかりやすく解説

介護サービスの種類のアイキャッチ介護の基本

この記事で以下の内容がわかるようになります。ボリュームがありますが、介護保険に関連するものを網羅的に解説しています。介護保険制度に関するものは介護福祉士国家試験では、毎年確実に6問ほど出題されるので重要です。

  • 介護保険制度のしくみ
  • 介護サービスってどんな種類があるのか
  • 介護サービスの具体的な内容
  • 介護サービスの利用開始までの流れ
  • 指定サービス事業者とは
  • 介護保険法改正の歴史

まずは介護保険制度のしくみについて理解しておきましょう。

  1. 介護保険制度のしくみの基礎的理解
    1. 保険者
      1. 一部事務組合
      2. 広域連合
    2. 被保険者
    3. 被保険者の資格喪失の時期と届出
      1. 資格喪失の時期
      2. 届出
    4. 住所地特例
    5. 保険給付
    6. 介護保険サービスの自己負担額
  2. 介護サービスの利用開始までの流れ
  3. 指定サービス事業者とは
    1. 指定の更新
    2. 利用者と介護保険サービスの利用契約を締結する際の留意点
  4. 居宅サービス
    1. 訪問介護(ホームヘルプサービス)
      1. 生活援助サービス
      2. 身体介護サービス
      3. 訪問介護サービスでは受けられないもの
    2. 訪問入浴介護
    3. 訪問看護
    4. 訪問リハビリテーション
    5. 居宅療養管理指導
    6. 通所介護(デイサービス)
    7. 通所リハビリテーション(デイケア)
    8. ショートステイ
      1. 短期入所生活介護
      2. 短期入所療養介護
    9. 特定施設入居者生活介護
      1. 有料老人ホーム
      2. 軽費老人ホーム
      3. 養護老人ホーム
    10. 福祉用具貸与
    11. 特定福祉用具販売
  5. 施設サービス
    1. 介護保険の施設サービス
  6. 地域密着型サービス
    1. 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
    2. 夜間対応型訪問介護
    3. 認知症対応型通所介護
    4. 地域密着型通所介護
    5. 小規模多機能型居宅介護
    6. 認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
    7. 地域密着型特定施設入居者生活介護
    8. 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
    9. 看護小規模多機能型居宅介護
  7. 居宅介護支援
    1. 居宅サービス計画
    2. 居宅介護支援事業者と地域包括支援センターの役割の違い
  8. その他のサービス
    1. 居宅介護住宅改修費(住宅改修)
  9. 介護予防サービス
  10. 地域密着型介護予防サービス
  11. 介護予防支援
  12. 総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)
    1. 地域支援事業
    2. 総合事業サービス
  13. 介護保険制度以外の福祉サービス
    1. 生活支援ハウス(高齢者生活支援センター)
    2. サービス付き高齢者向け住宅
      1. 介護サービスの違い
      2. 生活の自由度
      3. 契約形態
    3. サービス付き高齢者向け住宅として登録されるための基準
      1. 各居室の床面積は原則として25㎡以上あること
      2. 各居室に水洗便所、浴室、洗面設備、台所、収納設備を備えていること
      3. 館内がすべてバリアフリー構造となっていること
      4. 安否確認サービスと生活相談サービスの提供を行っていること
  14. 介護保険法改正の歴史

介護保険制度のしくみの基礎的理解

保険者

保険を運営する側を保険者(ほけんしゃ)、わたしたちのように保険料を納めている側を被保険者といいます。

介護保険の保険者は、市町村及び特別区とされ、介護保険特別会計を設置して介護保険に関する収入と支出を管理することとされています。ただし、小規模な市町村については、広域連合一部事務組合など特別地方公共団体である広域自治体も保険者となることができます。

広域連合と一部事務組合について補足説明しておきます。

一部事務組合

一部事務組合というのは、 2つ以上の地方公共団体が、その事務の一部を共同処理するために設ける特別地方公共団体です。

例えば、ABCという3つの村があって、その各々が、ゴミ処理のために、ゴミの回収ルートを設定したり、可燃ごみの焼却施設を運営してるとします。ただ、どの村もやってる内容は似たようなものになるので、3つの村が別々にやるよりも、ごみ処理業務に関しては、まとめて、別の組織を作って一括で管理したほうが効率よいのでは?ということで作られるのが一部事務組合です。ABCゴミ処理一部事務組合みたいな感じです。

実際に存在する一部事務組合の例をあげると、”東京23区清掃一部組合”なんかがあります。東京23区すべてが入ってる清掃に関する一部事務組合で、可燃ごみの焼却施設の運営管理などを行っています。

広域連合

廃棄物処理や地域振興など、都道府県や市町村の区域を超える広域行政需要に対応するために設立できる特別地方自治体です。

広域連合と一部事務組合は同じに見えます。

基本的な目的は同じですね。違いは、文字通り広域連合の方が「より広いエリア」をカバーすることを想定されていて、このために広域連合の方がより強力な権限を持つことができるという点です。

強力な権限を持つために、広域連合には次のような特徴があります。

  • 議会がある。
    普通の地方公共団体の区議会や市議会と同じように議会があって、議決権や調査権などがあります。議会があるんだったら、その議員はどうやって選ばれるのか?というと、参加している各自治体の 議会の議員(つまり市議会議員や区議会議員なんかですね)その中から 各自治体の議会の中で選挙を行い、決められます。選挙カーで周りながら住民の皆さんに一票お願いしますーというような選挙ではありません。
  • 広域連合の長(市長や知事のようなもの)がいる
  • 住民による直接請求ができる。
    広域連合は地方公共団体なので、その構成団体の住民(例えば、葛飾区が参加している広域連合なら葛飾区民ですね) その住民が議会の解散とか職員のリコールなんかを直接請求できます。

被保険者

介護保険は、40歳になった月から全ての人が加入することになり、支払い義務が生じます。年齢によって区分が分かれており、介護保険の被保険者は次の2種類です。

  • 第1号被保険者
    市町村の区域内に住所を有する65歳以上の者
  • 第2号被保険者
    市町村の区域内に住所を有する40歳以上65歳未満の医療保険加入者

第1号被保険者は、原則として年金からの天引きで市区町村が徴収します。ただし、介護設備の整備状況や要介護者の人数など、自治体によってさまざまなので、自治体ごとに金額が違います。
第2号被保険者は加入している健康保険と一緒に徴収されます。

また、在日外国人は、市町村に住所を有していると認められればその市町村の被保険者となることができます。

被保険者の資格喪失の時期と届出

資格喪失の時期

  • 市町村の区域内に住所を有しなくなった日の翌日から
  • 市町村の区域内に住所を有しなくなった日に他の市町村の区域内に住所を有するに至ったときは、その日から

届出

  • 第一号被保険者は、被保険者の資格の取得および喪失に関する事項などを市町村に届け出なければなりません。第一号被保険者に限定しているのは、第二号被保険者は 健康保険組合で把握できるので届出の必要がないからです。
  • 第1号保険者の属する世帯の世帯主は、第1号被保険者に代わって届け出ることができる。

住所地特例

介護保険施設、特定施設(有料老人ホーム、軽費老人ホーム)、養護老人ホームに入所することにより、施設所在地に住所を移した者は、施設入所前の住所地の市町村保険者とします。2か所以上の施設を移った場合は、最初の施設入所前の所在地の市町村保険者とします。

足立区に住んでいた人が、墨田区の特養に入所した場合は、保険者は足立区になります。

保険給付

介護保険給付の対象となるのは、被保険者(第1号被保険者または第2号被保険者)のうち、要介護状態または要支援状態と認定された者です。

介護保険の給付対象となる受給権者(要介護者・要支援者)は次の2種類があります。

  • 要介護・要支援状態にある65歳以上の者(第1号被保険者
  • 要介護・要支援状態にある40歳以上65歳未満の者(第2号被保険者)であって、その要介護・要支援状態が特定疾病(末期がん、脳血管疾患、関節リウマチなど、16種類の定められた疾病)によって生じたものである者。

第2号被保険者は特定疾病でなければ、介護保険を利用できません。例えば、50歳の人が何らかの事情で要介護状態になったとしても、それが特定疾病によるものでなければ、介護保険を使うことができません。 この場合は、障害者総合支援法による障害福祉サービスを受けることになります。

特定疾病は16種類で、丸暗記する必要はありませんが、病名をみて特定疾病かそうでないかは判断できたほうがいいと思います。特定疾病で、過去問の選択肢などでみかけたことのある病名を紹介しておきます。
末期がん
関節リウマチ
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
後縦靭帯硬化症
骨折を伴う骨粗鬆症
初老期における認知症
パーキンソン病
脊髄小脳変性症
脊柱管狭窄症
糖尿病の三大合併症(具体的には、糖尿病性網膜症、糖尿病腎症、糖尿病神経障害)
脳血管疾患
慢性閉塞性肺疾患
あたりです。このへんの病気に関しては障害の理解や発達と老化の理解という科目で詳しくやります。

保険給付は、

  • 介護給付
    要介護状態の被保険者が受けられる保険給付
  • 予防給付
    要支援状態の被保険者が受けられる保険給付
  • 市町村特別給付
    その他、要介護状態または要支援状態の軽減または悪化の防止に資する保険給付として、市町村独自のサービスを条例で定めるもの

となっています。

市町村特別給付は、オムツの給付とか、配食サービスとか、各自治体で独自に条例を定めているので、細かい内容は試験には出しにくいと思います。なので、介護給付と予防給付以外にも自治体が独自に行える特別給付がある、と覚えておく程度でいいと思います。

介護給付も自分の好きなだけ受けられるわけではなく、上限があります。要支援1,2 要介護1,2,3,4,5の順に限度額は高くなります。その人の要介護状態の区分の支給限度額を超えないように、必要な介護サービスを選んでいくことになります。

介護保険サービスの自己負担額

要介護認定を受けた人が、介護保険サービスを利用すると、その対価として介護事業者に行政から「介護報酬」が支払われます。介護報酬は、利用者の「自己負担」と「介護給付」から成り立っています。

原則1割負担なので、介護報酬として1000円支払わなければならないなら、900円が介護給付として支払われ、自己負担は100円ですみます。介護給付の部分は、もう少し細かく言うと、その財源の構成割合は、

介護給付内訳

みなさんの給料から天引かれてる介護保険料半分の50%国の負担額が25%都道府県と市区町村がそれぞれその半分の12.5%を負担しています。

原則1割負担なのですが、ある程度の収入がある高齢者は自己負担割合が増えます。
例えば、65歳以上で一人暮らしをしている方で「年金収入とそのほかの合計所得額」が年間340万円以上ある場合、自己負担額は3割負担になります。「年金収入とそのほかの合計所得額」が280万円以上340万円未満の場合は2割負担になります。
世帯に二人以上65歳以上の人がいる場合などは、基準の金額がかわってくるんですが、そこまで細かく覚えなくてもいいかなと思います。参考までに単身世帯なら↓のような感じです。

  • 所得が280万円未満⇒1割負担
  • 所得が280~340万円未満⇒2割負担
  • 所得が340万円以上⇒3負担

次に、介護サービスの利用開始までの流れをかんたんに説明しておきます。

介護サービスの利用開始までの流れ

介護サービスの利用開始までの流れ
  • STEP1
    申請

    介護保険を利用してサービスを受けるには、介護が必要かどうかの認定を受けるため、市区町村申請を行わなければなりません。
    被保険者本人やその家族成年後見人などが、申請書に被保険者証を添えて市区町村申請します。この場合、担当窓口に直接行く、地域包括支援センター申請を依頼するなどの方法があります。

  • STEP2
    認定調査と主治医意見書の作成

    新規認定の場合は、市区町村から認定調査員(役所職員や委託を受けたケアマネジャー等)が被保険者を訪問し、本人や家族から74項目にわたる調査票(マークシートで全国一律の内容)による聞き取りを行います。

    これと並行して被保険者のかかりつけ医(主治医)か、かかりつけ医がいなければ、市町村が指定する医師の診察を受けて、疾病または負傷の状況など医学的な点につき主治医意見書を書いてもらいます。

    主治医意見書は役所のほうで作成してくれるので、何か用紙に記入してもらうとかは必要ありません。診察してもらうだけですが、夜間頻尿で、その都度介助のために起きなければならない等、困りごとがあれば伝えておいた方が、実情に合った判定をしてもらえます。

  • STEP3
    一次判定

    調査票及び主治医意見書の一部の項目はコンピューターに入力され、コンピューターによる一次判定が行なわれます。

  • STEP4
    二次判定

    市区町村に置かれる介護認定審査会(保険、医療、福祉に関する学識経験者5名程度で構成される。)が調査票主治医意見書の2つのデータをもとに要介護認定の審査を行い、要介護状態に該当するか、要支援状態に該当するか、あるいは介護サービスを必要としないのかを最終的に判断します。

    介護認定審査会のメンバーは市区町村長任命します。

  • STEP5
    通知

    市区町村は、原則として申請のあった日から30日以内に要介護・要支援認定の結果を被保険者に通知しなければなりません。申請から認定まで1か月近くかかるため、緊急その他やむを得ない理由により介護サービスを受ける必要が生じた場合は、要介護・要支援認定を受ける前でも介護サービスの利用ができます。この場合の費用は利用者が立て替え、あとでその9割(あるいは7割か8割)が戻ってくることになります。
    要介護・要支援認定がなされると、その申請のあった日にさかのぼって効力が生じます。また、要介護者や要支援者に該当しないと認められた時は、理由を付して被保険者に通知されるとともに、被保険者証が返付されます。

  • STEP6
    ケアプランの作成

    要介護・要支援認定がなされると、ケアマネージャーなどにより、ケアプラン(介護サービス計画)が作成されサービス利用開始となります。

実際のサービスは指定サービス事業所が提供します。適当に事業所を立ち上げてすぐに介護保険を使ったサービスを行おうと思ってもできないのです。

指定サービス事業者とは

介護保険を使って、サービスを提供しようとする事業者はサービスの種類ごとに定められた指定基準を満たすものとして、事業所ごとに都道府県知事または市区町村長指定を受けなければなりません。

指定といわれるとちょっとイメージがしにくいのですが、要は「おたくの事業所は定められた基準(人員配置等)を満たしてるので、介護保険を使ったサービス提供の仕事をしてもいいですよ」というかんじです。

事業者からの申請を受けて、
都道府県知事指定をするサービスは、次の3つです。

  • 居宅サービス事業者
  • 施設サービス事業者
  • 介護予防サービス事業者

市区町村長指定をするサービスは、次の2つです。

  • 地域密着型サービス事業者
  • 居宅介護支援事業者

「都道府県知事が地域密着型サービス事業者の指定・監督を行う」というような間違い選択肢を介護福祉国家試験の過去問でみたことがありますね。

指定の更新

指定サービス事業者の指定等について欠格要件が規定されており、サービス事業者は6年ごとに指定の更新を受けなければなりません。

利用者と介護保険サービスの利用契約を締結する際の留意点

  • あらかじめ、利用者または家族に対し、重要事項説明書を交付してサービス内容を説明する。そのうえで、利用者の同意を得る。
  • 利用者または家族の承諾を得た場合は、重要事項説明書の交付に代えて、メールでの送信やCD-ROMなど、利用申込者または家族が出力して文書を作成することができるものにより提供してもよい。
  • 認知症などによって判断力が低下している利用者との利用契約は、成年後見制度などを活用する。

ここから具体的に介護サービスを説明していきます。

介護サービスでは、省令の「運営基準」で、各種サービスの「提供拒否の禁止」が規定されており、「正当な理由なくサービスの提供を拒んではならない」と明記されています。提供を拒む正当な理由には、

(1)当該事業所の現員からは利用申込に応じきれない場合
(2)利用申込者の居住地が当該事業所の通常の事業の実施地域外である場合
(3)入院治療の必要がある場合

等が挙げられています。

※現員は現在の人員のことで、要はキャパオーバーのことです。

まずは要介護1~5の人が受けることのできるサービス(左下のピンク色)を見ていきます。

介護サービス利用の流れ

厚生労働省

※↑図の施設サービスの介護療養型医療施設は介護医療院に読み替えてください。

要介護1~5の人が受けられるサービスは、大きく分けると、
都道府県指定・監督を行うサービス
居宅サービス
施設サービス



市町村指定・監督を行うサービス
地域密着型サービス
居宅介護支援

の4つです。

ひとつずつさらに細かくみていきます。

居宅サービス

居宅における介護では、安全で正確な介護技術を踏まえたうえで、利用者の望む生活や価値観、人生観に沿う援助が求められます。具体的には、以下の点に留意しながら援助を進めます。

  • 利用者の生活歴価値観を知る。
  • 機能障害残存機能を把握する。
  • 本人や家族の思い、家族の介護負担の現状を知る。
  • 住環境、経済環境、地域の社会資源、医療関係者との連携のあり方を確認する。
  • 利用者、介護者にとって使いやすい福祉用具の情報提供を行う

訪問介護(ホームヘルプサービス)

生活援助サービス身体介護サービスに分けられています。対象者は居宅 (老人福祉法に規定している軽費老人ホーム、有料老人ホーム、養護老人ホームにおける居室を含む) の要介護者です。居宅サービス計画(ケアプラン)に基づくサービスが提供されます。訪問介護の提供にあたっては、個別援助計画として訪問介護計画を作成し、その内容について利用者またはその家族に対して説明し、同意を得なければなりません。訪問介護計画を作成するのはサービス提供責任者です。

生活援助サービス

掃除、調理、洗濯などの日常生活の援助です。介護保険制度の生活援助で介護給付費が支給されるのは、利用者が単身の世帯に属している場合か、または家族等の障害、疾病などの理由により、利用者や家族等が家事を行うことが困難な場合とされています。

ただし、元気な家族が同居している場合でも生活援助サービスを受けられることはあります。例えば、 家族が昼間は仕事のために外出している場合の、昼食の準備や、洗い物などです。元気な家族が同居してると始めから生活援助を認めないケアマネや保険者がいるようですが、それに対して厚労省からは「きちんとアセスメントしたうえで必要であれば利用するように」という指導も出ています。つまり、これこれこういう理由でこのサービスが必要なんです!としっかりした根拠があるならサービスを受けることができます。

生活援助サービスの具体例は、

  • 掃除
    ゴミ出し、利用者本人の部屋の掃除
  • 洗濯
    利用者本人の衣類の洗濯、干し、たたみ、整理
  • 食事準備
    食材の買い物、調理、配膳、片づけ
  • その他
    爪切り、血圧測定、耳掃除

などです。

比較的軽度の人ほど生活援助サービスの利用の比重が高いです。予防的観点からも一緒に作業をすることで、自立に向けた支援をすることが大切です。

食事を作ってあげる、掃除をしてあげるというような“お手伝いさん”にならないように注意しなければなりません。

身体介護サービス

身体介護サービスは、身体に直接触れて行う介護のことをいいます。具体的には、

  • 食事介助
  • 排泄介助
  • 入浴介助
  • 清拭
  • 更衣介助
  • 歩行介助
  • 体位変換
  • 移乗介助

などです。

比較的重度の人ほどサービス利用の比重が高くなっています。

訪問介護サービスでは受けられないもの

訪問介護は、前提として利用者本人だけを対象としたサービスです。利用者本人が生活を送るうえで日常的に必要ではない行為や、医療行為等は訪問介護で受けることはできません。

具体例は以下のようなものです。

  • 訪問介護員が行わなくても生活に差支えがないもの
    家具の移動、電気の修理、窓のガラス拭き、庭の草むしり、ペットの散歩 など
  • 医療行為
    インスリンの注射、摘便、褥瘡の処置、点滴 など
    経管栄養喀痰吸引に関しては、定められた研修過程を修了するといった一定条件を訪問介護員と事業所が満たしている場合のみ可能
    参考テキスト⇒医療的ケア
  • 利用者本人以外へのサービス
    家族の分の食事を作る、家族の部屋の掃除、家族の衣類の洗濯 など

訪問入浴介護

訪問入浴は、看護師1名を含めた3名(または2名)のスタッフが自宅に訪問して、専用の浴槽を使って入浴をサポートしてくれる介護サービスです。浴槽の設置から片付けまでを利用者のすぐ近くで行います。その日の利用者の体調により、洗髪や足浴などの部分浴や清拭に切り替える場合もあります。要介護者本人が自力での入浴が困難であったり、家族のサポートだけでは入浴が難しい場合、こうしたサービスを受けることで、ご本人の清潔が保たれて、家族の負担も軽減されます。

訪問看護

地域の訪問看護ステーションから、看護師や理学療法士・作業療法士、言語聴覚士等が利用者が生活する場所へ訪問して医療的ケアを提供します。訪問看護は病気や障害をもちながら在宅療養する人は全て対象になりますが、 訪問看護を受けるには訪問看護指示書を主治医から交付してもらうことが必要です

インシュリンの注射や摘便などが必要な場合は、介護職では行う事ができないため、訪問看護をケアプランに組み込んでおかなければなりません。

訪問リハビリテーション

訪問リハビリは、主治医が必要と判断した要介護者の自宅に、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士などのリハビリ専門職が訪問しリハビリテーションを提供します。利用するには主治医にリハビリ指示書を書いてもらうことが必要です。高齢者のリハビリは、身体機能の改善だけを目指すのではなく、生きがいや自己実現を支援し、QOLの向上を目指すことが目的となっています。

居宅療養管理指導

1人暮らしや老々介護などで管理が行き届かない場合や、在宅介護で家族では手が回らないケースなどで利用されます。医師や歯科医師、看護師、薬剤師、管理栄養士などの専門職が、利用者宅に訪問して利用者やその家族に対して自宅で生活する上での注意点などを指導します。医師・歯科医師以外の職種によるものは医師・歯科医師による指示が必要です。必要に応じて看護師などから医療行為を受けることはありますが、医師による医療行為は行われません。

最近食が細くなり、好きなものしか食べないので痩せてきた。ちゃんと栄養がとれるようにおじいさんを指導をして欲しい。

通所介護(デイサービス)

デイサービスは、 利用者を送迎車で送り迎えしてもらい、入浴や昼食、排泄介助、機能訓練や看護師による健康チェック、また、レクリエーションを通して、他の人と交流し、社会的孤立感の解消や認知症の予防を図ることができます。それに加えて、家族などの介護者の身体的・精神的負担の軽減も目的とされています。これをレスパイトケアといいます。

なお、単に「通所介護」という場合、認知症対応型通所介護に該当するものは含まれません。

通所介護では、個別計画である通所介護計画を作成し、個別ケアを実践します。通所介護計画作成のためには、ケアマネジャー等が作成した居宅サービス計画(ケアプラン)から、利用者が通所介護に何を求めているのかを明確に把握する必要があります。

通所リハビリテーション(デイケア)

デイケア(通所リハビリテーション)は、医療機関や介護老人保健施設、介護医療院などで行っている通いでリハビリを受けられる介護保険サービスです。要介護高齢者を対象として、医師の指示のもとで、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士といっ国家資格を持ったリハビリ専門職によるリハビリを受けることができます。似た名前の「デイサービス」と比べると、デイケアはリハビリに特化していて、医師や看護師、国家資格を持ったリハビリスタッフなどの医療従事者が多数配置されているという点が特徴です。デイケアのメリットとしては、医師や看護師がいるため、体調がすぐれない場合、すぐに診察や医療的処置をしてくれるということがあります。また、必要であれば、理学療法士や作業療法士が家屋調査を行ったうえで、自宅の環境に合わせた福祉用具やリハビリ内容を提案してくれます。

ショートステイ

ショートステイは、短期的に施設に入所し介護・支援が受けられるサービスです。在宅で介護を続けていると、冠婚葬祭や出張などで自宅を数日間空けなければならない、介護者の体調不良など、一時的に在宅介護が難しくなる場合があると思います。そういう時に便利な介護サービスです。また介護者のレスパイトケアになるという側面もあります。

ショートステイには短期入所生活介護短期入所療養介護の二つがあります。利用者に医療が必要かどうかで使い分けます。

短期入所生活介護

短期入所生活介護は、 食事や入浴などの生活援助、レクリエーションがメインのサービスで、 特別養護老人ホームやショートステイ専門施設などで受けることができます。

短期入所療養介護

短期入所療養介護は、介護老人保健施設介護医療院で生活援助の他に医師の診察や、看護師や理学療法士、作業療法士などによる機能訓練といった医療サービスが受けられます。

特定施設入居者生活介護

介護保険法で定められた特定の施設に入所している要介護者等について、その施設で、入浴、排泄、食事等の介護、生活等に関する相談等の日常生活上の世話、機能訓練および療養上の世話を行うサービスです。その特定施設の職員が直接介護サービスを提供するパターンと、その特定施設が外部のサービス事業者に委託して、介護サービスを提供するパターンがあります。外部のサービス事業者に委託するといっても、利用者がその外部の事業者といちいち契約を結ぶのではなく、利用者が契約を結ぶのはその特定施設だけで、ケアプランなども特定施設で作成します。なので利用者からみるとあまり違いは感じません。

特定施設とは何か説明しておきます。

特定施設とは、介護付き有料老人ホーム介護型ケアハウス養護老人ホームの3つで、定員が30人以上で都道府県から居宅サービスの特定施設入居者生活介護の事業者指定をうけたものです。

有料老人ホーム

老人福祉法に規定された居住施設で、以下の類型があります。

  • 介護付き有料老人ホーム
    有料老人ホームの職員が介護サービスを提供するタイプと、 有料老人ホームの職員が安否確認や計画作成等を実施して、介護サービスは委託先の介護サービス事業所が提供するタイプの二つがあります。
  • 住宅型有料老人ホーム
    介護が必要になった場合、入居者自身の選択により、地域の訪問介護とかの介護サービスを利用しながら、その有料老人ホームの居室で生活を継続できます。
  • 健康型有料老人ホーム
    介護が必要となった場合には、契約を解除して退去しなければならないタイプです。

有料老人ホームのタイプはこの3つで、特定施設として指定を受けられるのは、介護付き有料老人ホームのみです。

軽費老人ホーム

老人福祉法に規定された老人福祉施設です。

家庭環境や住宅事情、経済状況などの理由から居宅において生活することが困難な高齢者の住居確保のために、昭和38年に、 食事提供と生活支援サービスがある、軽費老人ホームA型が制度化されました。で昭和46年にA型から食事サービスを抜いて、緊急時対応などの少しの生活支援サービスだけの軽費老人ホームB型が制度化されました。そのあと、平成元年に制度化されたのが軽費老人ホームC型で、これがケアハウスです。A型とB型は、そもそも介護の必要がある高齢者が入居できないので、今後の高齢化社会において、高齢者の住居の受け皿にはなりにくいと考えられて、 介護サービスが提供可能なケアハウスに順次建て替えられてゆく方針が決定しています。

ケアハウスは身寄りがない、または家庭環境や経済状況などの理由により、家族との同居が困難な高齢者が、自治体の助成を受けて有料老人ホームよりも比較的低い費用で利用できる施設で、一般型介護型の2種類があります。

一般型ケアハウスは個人または夫婦のどちらかが60歳以上の高齢者が入居できる高齢者向け施設です。サービスの内容には掃除、洗濯などの生活支援サービスや、食事の提供、緊急時の対応などが含まれますが、 一般型のケアハウスには介護サービスがありません。そのため、介護が必要になった場合、外部の介護サービスを別途契約するか、退去する必要があります。


もうひとつの 介護型ケアハウスは、介護保険法における『特定施設入居者生活介護』という指定を受けた施設で、常駐のスタッフによる介護サービスが提供されます。入居できるのは、独居生活に不安がある、要介護度1以上で65歳以上の方です。一般型と同様のサービスに加えて、食事や入浴、トイレなどの介助、機能訓練や通院の付き添いなどのサービスが受けられます。 こちらは要介護度が上がったとしても住み続けることができ、看取りまで行ってくれる施設もあります。

2010(平成22)年度からは、都市部において居室面積や職員配置基準の特例を設けて利用料の低廉化を図った都市型軽費老人ホーム(定員20人以下)が設立できるようになりました。

入居者の定員が最大20人と少なく、アットホームな雰囲気の中で生活できて、従来のケアハウスでは必要だった入居一時金も必要ありませんが、施設がある市区町村の住民でなければ入居対象になりません。

まとめると、軽費老人ホームにはA型、B型、一般型ケアハウス、介護型ケアハウス、都市型軽費老人ホームがあって、A型、B型はなくなっていく方向で、特定施設の指定を受けられるのは介護型ケアハウスのみ。となります。

ここまでの説明で、有料老人ホームとケアハウスの違いがいまいちわからないと思う方も多いと思いますが、サービスの内容からみると実際おなじようなものです。じゃあ何が違うかというと、お金です

有料老人ホームは、高齢者のための住居といえます。一方ケアハウスは、低所得の高齢者のための住居です。 基本的な役割として、低所得の高齢者を対象にしているので、入居については所得や資産の少ない方が優先されます。


あとは運営主体の違いです。有料老人ホームを主に運営しているのは民間企業で、営利目的で運営をしています。つまり商売です。
 それに対して、ケアハウスを運営しているのは社会福祉法人や地方公共団体、医療法人などで、困っている人を助けるという側面がつよいです。

養護老人ホーム

老人福祉法に規定される経済的、社会的理由により地域で生活を維持、継続できない人のための福祉施設です。

もともとは介護を必要としない自立した65歳以上の高齢者で低所得などの原因によって自宅で生活ができないなどの経済的理由を持つ方が入所対象でしたが、2005年の介護保険制度改正で特定施設の指定を受けることができるようになりました。ただし、介護サービスは外部のサービス利用を前提としています。

特別養護老人ホームと名前は似ていますが、まったく別物の施設ですね。

特定施設はさっき3つと言ったんですが、少し補足があって、サービス付き高齢者向け住宅(いわゆるサ高住)も条件を満たせば、特定施設の指定を受けることができます。が、特定施設の指定を受けているのは、サービス付き高齢者向け住宅の7%程でそれほど多くないです。

長くなってしまいましたが、特定施設入居者生活介護の特定施設をまとめると、

  • (介護付き)有料老人ホーム
  • 介護型ケアハウス
  • 養護老人ホーム
  • 一部のサービス付き高齢者向け住宅

の4つになります。

福祉用具貸与

福祉用具とは以下のように規定されています。

心身の機能が低下し日常生活を営むのに支障がある要介護者等の日常生活上の便宜を図るための用具および要介護者等の機能訓練のための用具であって、要介護者等の日常生活の自立を助けるためのもの

介護保険法

福祉用具貸与は、利用者ができる限り自宅で自立した日常生活を送ることができるように、福祉用具の利用を介護保険で支援するサービスです。指定を受けた事業者から、利用者の心身の状況、生活環境、要望等をふまえて、適切な福祉用具をレンタルできます。これにより、日常生活上の便宜を図り、家族の介護の負担軽減などを図ります。


レンタルできる品目は決まっていて次のようなものがあります。

  • 車イス
  • 車イス付属品
  • 特殊寝台(ギャッチアップや高さの調節ができるベッド)
  • 特殊寝台付属品
  • 床ずれ防止用具(ウレタンのマットレスや電動で体位変換を行えるエアマットなど)
  • 移動用リフト(つり具の部分は除く)
  • 認知症老人徘徊感知機器(設置した場所を通ったら音などで知らせるセンサー)
  • 工事して取り付けるものではない、簡単に設置できる手すりやスロープ
  • 歩行補助のための杖
  • 自動排泄処理装置(ベッドに寝たままの状態で排泄処理する装置です。 排便、排尿をセンサーが感知して、吸引、洗浄、乾燥を自動で行ないます。 おもに寝たきりの人や、自力での排泄が困難な人が利用します。)

特定福祉用具販売

居宅要介護者について行われる、福祉用具のうち入浴または排泄に関するものその他の厚生労働大臣定めるものを販売するサービスです。

これらの福祉用具は「特定福祉用具」と呼ばれていて、 他人が使用したものを再利用することに心理的に抵抗があるもの、また、使用によってもとの形態・品質が変化して、再利用できないものなどで、介護保険を利用して購入することが可能となります。

入浴や排泄に使用するものをレンタルにすると、衛生面でも精神面でもまずいですからね。

福祉用具貸与と特定福祉用具販売の具体的な品目を下の表に書いておきます。

福祉用具貸与特定福祉用具販売
車いす腰掛便座
車いす付属品簡易浴槽
特殊寝台入浴用椅子
床ずれ防止用具浴槽用手すり
手すり浴槽内椅子
スロープ浴室内すのこ
歩行器浴槽内すのこ
認知症老人徘徊感知機器入浴用介助ベルト
移動用リフト(つり具の部分を除く)移動用リフトのつり具の部分
自動排泄処理装置自動排泄処理装置の交換可能部品

※自動排泄処理装置
自動的に便や尿を吸引する福祉用具のひとつです。尿意を感じてから立ち上がってトイレに行くまでに時間がかかり失禁してしまうケースや、転倒などの不安があり夜間に起き上がってトイレまで歩くことに抵抗がある場合など、排泄動作に不自由のある高齢者に利用されています。

上の表を全部おぼえる必要はありません。その物品が福祉用具貸与特定福祉用具販売のどちらか判断できれば十分です。

施設サービス

介護保険の施設サービス

施設サービスは名前の通り、介護保険施設に入居して、施設サービス計画(ケアプラン)に基づいて行われる介護サービスです。

介護保険施設というのは、

  • 介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)
  • 介護老人保健施設
  • 介護療養型医療施設
  • 介護医療院

の4つですが、介護療養型医療施設は廃止が決まっていて、介護医療院への移行が進んでいます。

介護保険施設は、公的施設の意味合いが強いので、施設を運営する母体は、地方公共団体社会福祉法人医療法人などに限られています。施設建設に補助金が出たり、運営する法人が法人税などの優遇を受けられるため、入所者の費用も有料老人ホームと比べて低く抑えられます。

介護老人福祉施設と介護保険施設の違いなどがいまいちわからない方はこちらの記事を読んでみてください。
違いは?|特別養護老人ホームと介護老人福祉施設と介護老人保健施設

地域密着型サービス

地域密着型サービス事業者の指定は市区町村が行います。原則として指定を行った市区町村の被保険者のみが利用できます。

地域密着型サービス事業所は、利用者やその家族、市町村職員、地域の代表者等に対しサービス内容等を明らかにすることにより、事業所による利用者の「抱え込み」を防止し、地域に開かれたサービスとすることで、サービスの質の確保を図ることを目的として、各事業所に運営推進会議の設置が義務づけられています。 以下で具体的な地域密着型サービスを説明していきます。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護

2011年の介護保険法改正時につくられたサービスで、 重度者をはじめとした要介護者の在宅生活を支えるため、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護を一体的にまたはそれぞれが密接に連携しながら、定期巡回訪問と随時の対応を行うサービスです。唯一 24時間対応してくれる在宅介護サービスです。

事業所によって、介護・看護一体型介護・看護連携型があります。

  • 介護・看護一体型
    一つの事業所で訪問介護と訪問看護のサービスを一体的に提供するもの
  • 介護・看護連携型
    訪問介護事業所と訪問看護事業所が連携をしてサービスを提供するもの

具体的なサービスを内容で分けると以下のようになります。

  1. 定期巡回サービス(定期的な訪問介護サービス)
    訪問介護員等が、訪問介護計画に基づいて、利用者の居宅を巡回して、入浴、排せつ、食事等の支援を行います。利用者の心身の状況により、必要に応じて内容や提供時間等、柔軟に対応します。普通の訪問介護との違いは、 買い物や掃除、洗濯などの支援を行うような生活支援中心訪問介護の場合、例えば要介護1なら月に27回とか、基準の回数が決められていて、それを超える場合は保険者である市区町村に届出をして、本当に必要かどうかのチェックを受けなければなりません。ちなみに身体介護に引き続いて生活援助を行うような場合にはこの制限はあてはまりません。あくまで生活支援中心の訪問介護の場合です。
    あと、1日に2回以上の訪問介護サービスを利用する場合は、原則としてサービスの時間間隔を2時間以上空けてサービスを行うというような規定もあります。

    一方、定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、滞在時間5分程度から1時間以上のサービスまで滞在時間の幅が広いうえに、1日の訪問回数に制限もありませんそのため、一般的な家事援助以外にも、服薬管理のための5分や寝る前の排泄介助のための15分など、ピンポイントでの利用が可能で、利用者の生活リズムに合わせて訪問介護サービスを利用できます。また、料金システムも違っていて、定期巡回・随時対応型訪問介護看護の利用料は月額制になっています。
  2. 随時対応サービス
    ボタン1つでオペレーターに通報できるシステムを導入したサービスです。事業所から配布されたケアコール端末を使い、利用者が困ったときはいつでもボタンを押すだけで通報することができます。利用者からの通報を受けて、オペレーターが対処法を提案したり、訪問スタッフを自宅に向かわせたり、緊急時は救急車の要請をしたりするサービスです。注意点としては、オペレーターに連絡したら、必ず訪問してもらえるというわけではないという点です。利用者の状況を確認し、普段と様子が違うなど、オペレーターが必要性を判断します。
  3. 随時訪問サービス
    二つ目の随時対応サービスで訪問する必要があるとオペレーターが判断した場合、訪問介護員等が利用者の居宅を訪問して、緊急時の対応や入浴、排せつ、食事等といった支援を行います。
  4. 訪問看護サービス
    定期的な訪問看護サービスで看護師等が利用者の居宅を訪問して、療養上の支援または診療の補助を行います。

この4つのサービスを適切に組み合わせて提供します。

介護・看護一体型では、この4つのサービスをすべて提供します。訪問看護サービスを行う場合と行わない場合があり、訪問看護サービスを行う場合の方が、利用料金は高いです

介護・看護連携型では、訪問看護以外のサービスを提供し、訪問看護サービスは、連携先の訪問看護事業所が提供します。訪問看護サービスを利用する場合は、別途に連携先の訪問看護事業所に料金を支払う必要があります。

夜間対応型訪問介護

一人暮らしの高齢者の夜間の介護、夜間に何かあったときの対応、家族の夜間の介護負担の軽減、こういったニーズに沿った、夜間に特化した訪問介護サービスです。

このサービスにおける夜間というのは、夜22:00~朝6:00までを含む時間帯で、 実際のサービスの提供時間は各事業所で設定することができます。夜間対応型訪問介護で提供されるサービスは大きく分けると、
定期巡回サービス、随時訪問サービス、オペレーションサービスの3つです。

定期巡回サービスは、
決まった時間に巡回する訪問介護サービスです。1回の訪問は30分程度となり、排泄介護や体位変換、バイタルチェックや安否確認など、利用者のさまざまなニーズに対応します。

随時訪問サービスは、
利用者からの通報で夜間訪問が必要になった場合に、介護スタッフ等が訪問するサービスです。転倒して自力で起き上がれないとか、体調不良の訴えなどに対応します。

オペレーションサービスは、
ケアコール端末を持つ利用者からの通報を受けて、オペレーターが対応するサービスです。ケアコール端末というは、ぽちっとボタンを押せば、オペレーションセンターにつながる端末で、夜間対応型訪問介護では事業所が利用者に配布するものとされています。
利用者の通報から、 必要に応じて随時訪問サービスを使ってもらったり、主治医に指示を仰いだり、緊急時は救急車の要請をしたりします。看護師や介護福祉士、医師や保健師などの有資格者がオペレーションセンターに配置されます。ただし、 利用者が少なく、訪問スタッフだけで利用者の要請に対応できると判断される事業所では、オペレーションセンターの設置義務はありません。

定期巡回随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護の違いがいまいちわかりません。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護の大きな違いは、

  • サービス提供時間
  • 料金

となります。

まず定期巡回・随時対応型訪問介護看護は24時間サービスが受けられるのに対し、夜間対応型訪問介護は夜間に限定されます。

また料金に関しては、定期巡回・随時対応型訪問介護看護が月額定額制なのに対し、夜間対応型訪問介護は月額料金+各サービス利用につき1回あたりの料金がかかります。

これらをふまえると

  • 夜間以外の時間も必要な方
  • 夜間だけでも利用回数が多い方

には定期巡回・随時対応型訪問介護看護をおすすめします。定期巡回・随時対応型訪問介護看護と夜間対応型訪問介護の併用はできないため、必要な時間・必要な回数でどちらを利用するかを検討することになります。

認知症対応型通所介護

このサービスは文字通り、認知症となった方を対象にしたデイサービスです。要介護1以上の認定を受け、さらに医師から認知症と診断された方だけが利用可能です。


一般の通所介護(デイサービス)は、認知症の方でも利用できますが、 ほかの利用者たちと馴染めなかったり、人数が多すぎたりして適切なサポートを受けられない場合があります。そういう時に利用するとよいサービスです。


認知症デイサービスの利用者定員は、介護保険法によって12名以下と定められています。また、介護職員一人当たりの利用者数が少なく、その分一人ひとりに合わせた手厚いサービスが受けられます。認知症対応型通所介護の管理者は、都道府県で実施している「認知症対応型サービス事業管理者研修」の修了を義務づけられているため、認知症に関するより高度で専門的な知識を持っています。また、 施設で働くスタッフも認知症に精通していて、認知症特有の症状に合わせたケアが受けられます。

地域密着型通所介護

通所介護は都道府県が指定・監督を行うのですが、2016年から、小規模の通所介護の中でも定員が18名以下の事業所が、市区町村の管轄に移行しています。これが地域密着型通所介護で、 より地域との連携や運営の透明性を確保することを狙いとしているようです。地域密着型通所介護のサービス内容自体は居宅サービスの通所介護と変わりはありません。

このサービスは認知症対応型通所介護に該当するものは除きます。また、利用者が19人以上であれば居宅サービスの通所介護に該当します。

小規模多機能型居宅介護

一つの介護事業所が「通所(デイサービス)」を中心に、利用者の状況に合わせて訪問や泊まりを一体的に提供し、柔軟に利用者の生活を支援するサービスです。例えば、家族が急用で家にもどれなくなったりした時、デイサービスを利用していた方が、そのまま泊まりといった突発的な利用も可能です。 「小規模多機能型居宅介護事業所」や「小規模多機能ホーム」と呼ばれているところで、このサービスを利用できます

小規模多機能型居宅介護は、その名の通り小規模な施設です。登録利用者数は29人以下、1日あたりの泊まりサービスは最大9名まで、というように定員数が決まっているため、希望した日にサービスが受けられないということはあります。また、 小規模多機能型居宅介護は通所介護やショートステイ、訪問介護などの介護保険サービスと併用ができません。
あと特徴的なのは、利用料が月額定額制という点です。 通所・訪問・泊まりを組み合わせる場合でも定額で利用できるため、毎月の介護保険利用限度額からはみ出してしまう心配がありません。

認知症対応型共同生活介護(グループホーム)

認知症の高齢者が、 入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話や機能訓練を受けながら共同生活する施設です。
1ユニット5人以上9人以下の小規模な施設です。原則最大2ユニットで、必要と認められる場合は3ユニットにすることができます。居室は原則として個室で、リビング・食堂・台所・浴室などが設けられています。利用者の生活リズムを大切にして、ともに暮らす空間を重要視し、安心できる生活環境を整えることに重点がおかれています。

ここでユニットケアについて説明しておきます。

介護老人福祉施設や介護老人保健施設、グループホームなどで、高齢者を10人程度のグループに分けて、それを生活の単位(ユニット)として、同じメンバーで生活し、決まったスタッフがケアにあたるという形です。居室は個室とし、リビングのような共同スペースを共有することで、入居者がお互いに人間関係を築き、なじみの関係を形成できるようにします。そして、これまでの生活歴や生活習慣を尊重した支援を行います。

地域密着型特定施設入居者生活介護

これはさっき説明した特定施設入居者生活介護の地域密着型バージョンです。
地域密着型特定施設の種類はさっきの特定施設と同じですが、管轄が市区町村、入居定員が29人以下となります。

地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護

名称が長いですが、一言でいうと、利用定員29人以下の特養です。
地域密着型施設サービス計画というケアプランに基づいて、入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理および療養上の世話を行うサービスです。特養なので原則、 要介護3以上の方が対象となっていますただし、要介護1、2の方でも特例で入所が認められる場合があります。

新しく建てられた特別養護老人ホームはユニット型と呼ばれており、先ほど書いたユニットケアを受けることになります。昼間1ユニットごとに常勤1名の介護職員または、看護職員の配置が必要で、夜間2ユニットごとに常勤1名の介護職員または、看護職員の配置が義務付けられています。

看護小規模多機能型居宅介護

以前は複合型サービスとよばれていて、居宅の要介護者について、居宅サービスや地域密着型サービスを2種類以上組み合わせて提供するというサービスでしたが、ふたを開けてみると、訪問看護と小規模多機能型居宅介護の組み合わせしかないため、2015(平成27)年4月から「看護小規模多機能型居宅介護」と呼ばれることになりました。さっき説明した、小規模多機能型居宅介護に訪問看護のサービスが加わって、医療面の不安が軽減されているサービスです。

居宅介護支援

居宅介護支援事業者は、お客の要望に沿って、ホテル、交通機関などを調整、手配する旅行会社のようなイメージで考えてもらえればわかりやすいかと思います。

居宅要介護者が居宅サービス、地域密着型サービス等を適切に利用することができるように、居宅介護支援事業者介護支援専門員(ケマネジャー)が要介護者の依頼を受けて居宅サービス計画(ケアプラン)を作成し、居宅サービス事業者、地域密着サービス事業者などとの連絡調整を行うサービスです。
居宅要介護者が地域密着型介護老人福祉施設または介護保険施設への入所を必要とする場合は、その紹介、その他の便宜の提供も行います。
居宅介護支援は介護の入り口となる重要なサービスで、全額が介護保険で賄われており、自己負担はゼロです。

居宅サービス計画

居宅サービス計画は、保健・福祉・医療などの公的サービスだけでなく、ボランティアや近隣の支援などインフォーマルなサービスとも調整し、在宅生活を支える総合的な計画として作成されます。

留意点は以下のようなものがあります。

  • 居宅サービス計画に訪問看護等の医療サービスを位置づける場合には、医師の指示が必要になります。
  • 居宅サービス計画を立てるにあたっては、要介護者およびその家族主体的に参画し、最終的には要介護者家族同意を得たものであることが必要です。居宅サービス計画の見直しは状況の変化に応じて適宜行われます。

居宅介護支援事業者と地域包括支援センターの役割の違い

居宅介護支援事業者要介護1以上の方を支援しているのに対して、地域包括支援センターは地域住民を包括的に支援していることです。地域の高齢者の総合相談だけではなく、権利擁護や地域の支援体制づくり、介護予防支援なども行っています。

地域包括支援センターの詳しい内容はこちらの記事から
地域包括支援センター

その他のサービス

居宅介護住宅改修費(住宅改修)

住宅改修は、要介護・要支援認定を受けた高齢者が自宅で生活しやすいように、手すりを取り付けたり、便器を洋式に変えたりする際の費用を介護保険制度で一部負担してもらえるサービスです。

住宅改修工事は何でもできるわけではなく、対象となる工事は決められてます。具体的には、↓

  • 工事を伴う手すりの取り付け(※1)
  • 段差の解消
  • 滑りの防止および移動の円滑化等のためのまたは通路面の材料の変更
  • 引き戸等への扉の取替え
  • 洋式便器等への便器の取替え、向きの変更など
  • その他上記の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修(※2)
  • ※1 住宅改修の対象は工事を伴う手すりの設置である。取り外し可能な手すりのように工事を伴わな手すりは、介護保険の福祉用具貸与の対象となる。
    ※2 住宅改修に付帯して必要となる住宅改修には、手すりを取り付けるために壁の下地を補強したり、スロープと一緒に転落防止用の柵をつけたりするような場合です。

住宅改修における利用限度額は、要介護区分に関係なく、つまり要支援でも要介護でも20万円が限度となります。 原則1割負担なので、工事の費用が20万円なら実際に支払うのは2万円で残りの18万円は行政側で負担します。ただし所得によっては、2割、3割負担になる場合もあります。

住宅改修がその他のサービスになっているのは、 住宅改修事業者には都道府県や市区町村による指定・監督制度がないためです。ただ、監督するところがないと、悪徳業者がでてきます。例えば、訪問販売業者が営業にきて、「ぜんぶ介護保険で改修できます!」と言いつつ、 対象外の改修工事まで契約させるとか、仕事が雑すぎるとか、そういうトラブルもあります。

その対応策として、 住宅改修施工業者の登録制度がつくられました。住宅改修の料金の支払い方は、利用者側がいったん工事費用を全額業者に支払って、あとで保険者に申請して保険給付分(例えば1割負担の人なら工事代金の9割)を受け取るパターンと、利用者が自己負担分だけ業者に支払って、保険給付分は市区町村などの保険者が直接業者に支払うパターンがあります。
この登録制度が適用されるのは、後者のパターンだけで、加えて、この制度は選択制で、導入していない市区町村もあるので注意が必要です。


次は要支援1,2の人が受けることのできるサービスをみていきます。

おおまかに分けると、都道府県が指定・監督を行う介護予防サービス市町村が指定・監督を行う地域密着型介護予防サービス介護予防支援3つがあります。

実質的なサービス内容は介護給付のサービスに準ずるものが多いです。
例えば、介護予防訪問看護のサービス内容は、介護給付の訪問看護に準じます。

実は介護給付がよくわかってません。

医療保険と同じですね。病院で実質支払うのは自己負担分の3割で、残り7割は保険給付として支払われています。介護保険も介護サービスを受けて実質支払うのは1割(人によっては2,3割)で残りは保険給付で支払われています。保険給付の原資は、みなさんの給料から毎月引かれている健康保険料などです。

介護保険料も40歳以上になると、毎月給料から引かれてますね>,<

予防給付の対象となる人は、要支援1および要支援2介護給付の対象となる人は、要介護1~5の人です。予防給付介護給付では利用できるサービスに違いがあり、介護給付のほうが支給限度額は高い。

介護予防サービス

都道府県が指定・監督する介護給付のサービスに”介護予防”をくっつけただけで、実質的なサービス内容は同じようなものです。

例えば、訪問入浴を例にあげると、予防給付の訪問入浴介護だと、利用者は要支援なので、有する能力もけっこう残ってます。自分でできるところは自分でやってもらうので、介護スタッフの数が介護給付の訪問入浴介護よりも少なかったりします。他には福祉用具貸与と介護予防福祉用具貸与ではレンタルできる品目が異なるなど、少しの違いはありますが、おおむねサービス内容は同じと思ってもらって差し支えありません。

  • 介護予防訪問入浴介護
  • 介護予防訪問看護
  • 介護予防訪問リハビリテーション
  • 介護予防居宅療養管理指導
  • 介護予防通所リハビリテーション
  • 介護予防短期入所生活介護
  • 介護予防短期入所療養介護
  • 介護予防特定施設入居者生活介護
  • 介護予防福祉用具貸与
  • 特定介護予防福祉用具販売

都道府県が指定・監督を行うサービスで介護給付にあって、予防給付にないものは訪問介護通所介護施設サービスです。

地域密着型介護予防サービス

同じように地域密着型サービスに”介護予防”をつけただけですね。

  • 介護予防認知症対応型通所介護
  • 介護予防小規模多機能型居宅介護
  • 介護予防認知症対応型共同生活介護
    サービス内容は介護給付の認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に準じます。ただし、要支援1では利用できません。要支援2以上でなければなりません。

別の見方をすると、認知症対応型通所介護小規模多機能型居宅介護グループホームは、要支援でも要介護でも利用できるともいえます。ただし、グループホームだけはちょっと注意で、要支援2以上でなければ利用できません。

介護予防支援

復習も兼ねて、居宅介護支援と比較しながら説明します。
両方とも、介護保険サービスと利用者を結ぶ窓口となるサービスで、ケアプランを作成し、実際にサービスを提供する事業者との連絡・調整を行います。要介護1~5の方を担当するのが、居宅介護支援で、要支援1,2の方及び自立と判定された方を担当するのが、介護予防支援です。
介護予防支援は、原則として地域包括支援センターが担当しますが、 一部、居宅介護支援事業所へ委託することもあります。


最後に総合事業についてみていきます。ただ、 総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)を理解するためには、まず地域支援事業について理解しておく必要があるので、そこから説明していきます。

総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)

地域支援事業

地域支援事業は、高齢者が要介護状態になることを防ぎ、要介護状態になっても住み慣れた地域において、できる限り自立した生活を営むことができるよう支援することを目的とした事業です。 この事業の目的は今書いた通りなんですが、もうひとつ、介護保険の給付費の抑制という面もあります。要介護高齢者が増えれば増えるほど、介護サービスの維持にお金がかかります。なので、要支援、要介護状態の人を減らして、健康な高齢者の割合を増やす、そして全体的に介護給付を減らしていこうという考え方でつくられている事業でもあります。この事業が作られたのは2005年の介護保険法改正のときで、 そこから2011年や2014年にいくつか事業内容に変更があるんですが、そのへんはちょっと置いておいて、今現在の地域支援事業を説明します。

地域支援事業の実施主体は市区町村で、地域の実情や、高齢者のニーズ、生活実態に応じてサービスが提供されます。具体的には↓のイラストの3つの事業です。

包括的支援事業というのは、地域包括支援センターの業務の所で説明しているのですが、相談業務とか権利擁護業務とかそのへんのイメージです。実際、地域支援事業として、市区町村が地域包括支援センターに委託して、包括的支援事業を行ってもらう場合が多いです。

任意事業は、市区町村が独自に考えるサービスで、実施されなくてもよいので、試験的には任意事業ってのがあると覚えておけば十分です。

重要なポイントなので、残りの介護予防・日常生活支援総合事業を詳しく説明します。

では、ここから総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)の説明に入ります。

総合事業サービス

総合事業は、介護予防・生活支援サービス事業(または、第1号事業といわれます)と、一般介護予防事業の二つの事業に分かれています。

出典 厚生労働省

一般介護予防事業の方は、対象者がすべての第一号被保険者つまり65歳以上の人ならだれでもウェルカムで、要介護認定を受けている人も、健康な人も第一号被保険者ならすべて対象となります。加えて、その支援のための活動に関わる者も対象としています。そして、高齢者が健康を維持したり、介護予防や引きこもりを防ぐようなサービスを提供します。

例えば、健康体操教室とかシニアIT教室とか、市区町村が独自に考えて作るサービスなので、住んでいる地域によってさまざまです。月一とかでポストに入ってる市区町村の広報とか見たことあると思いますが、そこにいろいろ載ってると思います。

介護予防・生活支援サービス事業は、さらに次の4つに分けられています。

  • 訪問型サービス
  • 通所型サービス
  • その他の生活支援サービス
  • 介護予防ケアマネジメント


予防給付のところの説明で介護予防通所介護、介護予防訪問介護はないと説明したのですが、2014年以前は予防給付の介護保険サービスとして実は存在してました。


しかし、2015年から、都道府県が指定・監督を行う、予防給付のサービス、介護予防訪問介護と介護予防通所介護は市区町村が指定・監督する総合事業に随時移されていって、2017年4月からはすべての市区町村で、訪問型サービス、通所型サービスとして実施されています。

なんのために移行させたかというと、介護給付予防給付の基準は国が全国一律で定めているので、カッチリと決まったサービスしか提供できませんでした。それが市区町村が運営する地域支援事業に持ってきたことによって、基準を市区町村で決めることができるようになるので、地域ボランティアで運営する、集まってだらだら話するだけのゆるい通所介護とか、地域のニーズに柔軟に対応したサービスを提供できるようにするためです。

総合事業では各市町村が基準や単価を設定して運営します。各自治体が主体となることで自由度が高くなり、地域の実情に応じたサービスを創意工夫によって提供できるようになると期待されています。

また、既存の介護事業所だけではなく、NPO、ボランティア団体、民間企業、地域住民などによるサービス提供も可能になり、高齢者の生活を地域全体で支援する取り組みが進むことにより、地域活力の向上つながることも期待されています。


その他の生活支援サービスは、名前の通りで、栄養改善を目的とした配食サービスとか、独居高齢者の見守りとかです。これも市区町村が考えるものなので、地域によってさまざまです。

介護予防ケアマネジメントは、これらの訪問型サービスや、通所型サービス、生活支援サービスを使う人のケアマネジメントを行うサービスです。

この介護予防・生活支援サービス事業の対象者は、一般介護予防事業は 65歳以上の人ならどなたでも!だったんですが、介護予防・生活支援サービス事業の方は若干きびしくなっていて、まず要支援認定された人が利用できます。ただ、それだけだと、予防給付と何がちがうのか、となるので、要支援者に加えて、基本チェックリストで要介護・要支援になるリスクが高いと判定された高齢者も対象になります。
基本チェックリストというのは、↓のようなもので

介護予防が必要な高齢者を早期に発見するために作成された質問用紙です。総合事業のサービスを利用しようとする時に、市区町村の窓口や、地域包括支援センターで、基本チェックリストに書き込んでもらいながら相談を進めていきます。

ここまでにでてきた、介護サービスを一度まとめておきます。

★覚え方のコツ
①都道府県が指定・監督を行う介護給付のサービスを覚えます。
②  ①から施設サービス訪問介護通所介護を抜いて、頭に”介護予防”をくっつけたサービスが都道府県が指定・監督を行う予防給付のサービスになります。
③市町村が指定・監督を行う介護給付のサービスを覚えます。
④③のうち”認知症”が名称に入っているもの+小規模多機能介護予防支援が市町村が指定・監督を行う予防給付のサービスになります。

試験本番までにこの表を完全に覚えなければならないかというと、そうでもありません。本番の試験は選択式なので、少しくらい忘れていても思い出せることはよくあります。

だたし、忘れてもかまわないので、一回はがんばって覚えてしまうことをおすすめしておきます。

介護保険制度以外の福祉サービス

介護保険サービスには、介護保険法に定められている厳格な利用基準があるため、サービスの種類や利用条件に制限があります。そこで、介護保険では提供できないサービスを提供するのが「介護保険外サービス」です。

介護認定を受けている高齢者も、受けていない高齢者も利用できるのが特徴です。
介護保険外サービスには、市区町村などが実施する非営利目的の支援サービスから民間企業が行うサービスまで幅広くあり、実施する主体によって利用方法や費用が異なっています。

生活支援ハウス(高齢者生活支援センター)

高齢者に対して、介護支援機能居住機能および交流機能を総合的に提供します。高齢者が安心して健康で明るい生活を送れるように支援し、高齢者の福祉の増進を図ることを目的としています。
居住部門の利用対象者は、原則として60歳以上のひとり暮らしの方、夫婦のみの世帯に属する方または家族による援助を受けることが困難な方であって、高齢などのため独立して生活することに不安のある方です。

サービス付き高齢者向け住宅

⾼齢者が安全かつ快適に暮らせるよう、「⾼齢者住まい法」という法律のもとにバリアフリー構造の高齢者住宅として整備されています。
サービス付き高齢者向け住宅は、利用者の希望や、要介護度に合わせてサービス内容を決めることができるというのが最大の特徴です。

有料老人ホームとは何がちがうのかしら

サービス付き高齢者向け住宅と有料老人ホームの違いは、主に以下の3つです。

  1. 介護サービスの違い
  2. 生活の自由度
  3. 契約形態

ひとつずつ説明します。

介護サービスの違い

有料老人ホームは種類により、介護を必要とする高齢者が入居できる場合があります。しかし、サービス付き高齢者向け住宅は、基本的に自立した生活が可能な高齢者が主な対象です。施設により違いがあるものの、簡単な安否確認生活相談、掃除・買い物代行といった生活支援のサービスが主になります。重度の介護状態では、住み続けることが難しいです。

生活の自由度

入居している高齢者の特性上、有料老人ホームは外出や外泊をする際は、その都度届け出が必要です。ほとんどの高齢者が事前に届け出ることで受理されますが、要介護度によっては申請が通りにくいケースもあります。
一方、サービス付き高齢者向け住宅は、あくまでも賃貸住宅の一種なので、外出・外泊も届け出の必要がありません。

契約形態

有料老人ホームとサービス付き高齢者向け住宅の最も大きな違いとしてあげられるのが契約形態です。有料老人ホームでは、施設に住む権利・利用する権利、さらに介護をはじめとしたサービスを受ける「利用権方式」の契約形態となります。
一方のサービス付き高齢者向け住宅は、あくまで賃貸住宅の一種なので、利用者と賃貸契約を結ぶことになります。

サービス付き高齢者向け住宅として登録されるための基準

各居室の床面積は原則として25㎡以上あること

ただし、リビングルームや食堂、台所などそのほかの共有スペースが、共同して利用するうえで十分な面積がある場合は18㎡以上あれば良いとされています。

各居室に水洗便所、浴室、洗面設備、台所、収納設備を備えていること

ただし、共有スペースに共同で利用できる台所浴室収納設備が設置されていて、各居室に備えつけた場合と同じまたはそれ以上の居住環境が確保されていれば、各居室への設置がなくても問題ないとされています。

館内がすべてバリアフリー構造となっていること

安否確認サービスと生活相談サービスの提供を行っていること

これらのサービスを行うために、「ケアの専門家」が少なくとも日中の間は館内に常駐していること。(夜間については、常駐は義務付けられていませんが、何かあったときに速やかに駆けつけることができる状態にすることが義務化されています。)

ここで言うケアの専門家とは、社会福祉法人や医療法人、指定居宅サービス事業所などの職員、医師、看護師、社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、さらに介護職員初任者研修過程の修了者などが該当します。また、見守りサービス以外に、食事の提供や入浴時の介助などの生活支援サービスを提供しているサ高住もあります。

介護保険法改正の歴史

選択肢で

 ”2005年の介護保険法改正によって、介護予防を重視した制度見直しが行われた。”
とか
”2011年の介護保険法改正によって、地域包括支援センターが創設された”

という間違い選択肢なんかをみかけるので、重要なものは、年号と改正内容をセットで覚えておいた方がいいと思います。

ポイントは

  • 3年ごとに見直されている
  • 施行は法律が改正されてからすべて1年後
  • 2008年は出題されそうな内容がないのでカット
介護保険法改正の歴史
  • 1997年  
     (平成9年)
    介護保険法成立
  • 2000年  
    (平成12)年
    介護保険法さ施行されサービス開始となる

  • 2005年  
    (平成17)年
    介護保険法改正(施行は2006(平成18)年)

    ●法の目的に要介護高齢者等の尊厳の保持が加わった。

    ●高齢者が要介護状態になることを予防する介護予防重視の観点から、予防給付地域支援事業が創設される。

    ●介護保険施設等における食費及び居住費について、施設介護サービス費等の対象とせず利用者が負担することとなった。

    ただし、低所得者の施設利用が困難にならないよう、負担軽減を図る観点から新たな補足的給付が創設された(=特定入所者介護サービス費の創設)

    地域密着型サービスの創設

    地域包括支援センターの創設

  • 2011年  
    (平成23)年
    介護保険法改正(施行は2012(平成24)年)

    高齢者が可能な限り住み慣れた地域でその有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスが切れ目なく有機的かつ一体的に提供される地域包括ケアシステム推進されることとなった。具体的には、

    定期巡回・随時対応型訪問介護看護の創設

    複合型サービス(看護小規模多機能型居宅介護)の創設

    総合事業(介護予防・日常生活支援総合事業)
    の導入

  • 2014年  
    (平成26)年
    介護保険法改正(施行は2015(平成27)年)

    地域包括ケアシステム構築

    費用負担の公平化
    ・低所得者の保険料の軽減割合を拡大
    ・一定以上所得のある利用者の自己負担を2割へ引き上げ
    ・低所得の施設利用者の食費・居住費を補填する「補足給付」 の要件に資産などを追加(対象者が縮小されます)

    ●在宅医療・介護連携の推進などの地域支援事業の充実とあわせ、全国一律の予防給付(介護予防訪問介護・介護予防通所介護)地域支援事業へ移行し、多様化(住んでいる地域によってサービス内容・料金が異なることになる)

    ●介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の新規入所者を、原則要介護3以上に重点化

  • 2017年  
    (平成29)年
    介護保険法改正(施行は2018(平成30)年)

    3割負担の導入
    収入が「現役並み所得相当」である340万円以上の場合、介護保険サービスを利用した際の自己負担額は3割となった。

    介護医療院の創設
    詳細はこちら⇒ 介護保険施設

    福祉用具のレンタル料を平準化
    介護保険法では、福祉用具のレンタル価格は、レンタル事業者が自由に決めてよいとされています。そのため、同じ福祉用具でも、レンタルする事業者によって価格が変わってくるというのが現状でした。事業者の中には、レンタルの適正価格を知らない利用者に対して、不当なまでに高額な料金設定をする者もおり、問題となっていました。
    そこで2018年10月から、厚生労働省が全国の平均レンタル価格を公表し、その価格をもとにレンタル価格の上限設定を行うこととなりました。
    そして、事業者には利用者に対して全国平均レンタル価格を伝えることと、機能・価格の異なる複数商品を提示すること義務付けられました

    共生型サービスの導入
    「共生サービスを提供する事業所」としての指定を受ければ、介護サービス事業所は障害者に、障害福祉事業所は高齢者にサービスを提供できるようにりました。

    共生型サービスの導入で大きなメリットがあるのは、65歳を迎えようとする障害者の方です。

    これまでの制度では、65歳になると障害者福祉制度から介護保険制度が適用されるようになり、長年利用していた障害福祉事業所を利用できなくなる、という事態が発生していました。

    しかし、共生型サービスの指定を受けた事業所ではそのような垣根はなくなり、65歳を過ぎても長年利用してきた障害福祉事業所を引き続き利用できるようになりました。

    共生型サービスでは、障害者が65歳以上になっても使い慣れた事業所でサービスが受けられる、地域の事情に合わせた施設運営ができる、といった観点から、 基本的には、介護保険、障害福祉サービスにおける

    • 訪問介護(ホームヘルプ)
    • 通所介護(デイサービス)
    • ショートステイ

    に該当する施設を共生型サービス事業所として運営することができます。

    要介護・要支援認定有期間の延長
    要介護認定有効期間の更新が「24ヵ月」から「36ヵ月」に引き上げられました。

  • 2020年 
    (令和2年)
    介護保険法改正(施行は2021年)

    ●高額介護サービス費の上限額を引き上げ

    高額介護サービス費とは、月額の自己負担額が上限額を超えた場合、超過分の払い戻しが受けられる制度です。これまで「本人または世帯全員が住民税課税者」の自己負担額は一律4万4,400円でしたが、年収に応じて上限額が引き上げられました。

    ●補足給付の負担軽減対象者の見直し

    2005年に補足給付が創設されて、2014年資産などの要件が加えられて対象者が絞られました(単身世帯なら1000万円以上資産がある人は対象外といった感じ)。
    そして2020年の改正で、さらに対象者が絞られました。(単身世帯なら650万円以上資産がある人は対象外といった感じ)※↓図のあまり細かい数字は気にしなくても大丈夫です。

    ●地域包括支援センターの強化

    中高年の引きこもりは60万人以上。80代の親と50代の引きこもりの子どもが、社会から孤立してしまい、親の介護と子の生活維持の問題が同時に起こる8050問題が深刻化しています。相談窓口もなく、結果、悲劇的な事件が発生しているのが実情です。

    その対策として、従来の制度を変更し、自治体では介護以外に支出することができなかった介護保険財源を直接、介護に関係のない8050問題対策などに利用できる改正が行われました。

    介護・障害・子ども・困窮の相談支援に関わる事業の役割を地域包括支援センターなどに一本化し、「断らない相談支援」を目指し、就労支援・居住支援・居場所機能の提供など、多様な支援を提供します。ただ、その実施については実際に手を挙げた自治体に限られ、全国一律の実施ではないため、その実現性については疑問もあります。

    ●認知症介護基礎研修

    2021年4月以降は無資格の介護職員に対して認知症介護基礎研修の受講が義務化されます。
    ただし、訪問入浴介護以外の訪問系居宅介護支援福祉用具貸与(販売)事業者は今のところ義務化の対象外です。また、無資格の介護職員が資格を得るまで働くことができないというわけでもなく、3年間の経過措置が設けられています。

    ※訪問介護員が対象外になっているのは、訪問介護員になるには、初任者研修か実務者研修の終了が必須になっているためです。

    ●感染対策委員会の設置を義務化

    2021年より、すべてのサービスにおいて感染対策委員会の設置が義務化されました。(施設サービスを除き、3年間の経過措置期間あり)

    感染対策委員会の主な役割としては、「感染症の予防」と「感染症発生時の対応」があります。
    ・施設内の具体的な感染対策の計画を立てます。
    ・施設の指針・マニュアル等を作成・見直しをします。あらかじめ、見直し時期や担当者を決めておきます。
    ・感染対策に関する職員等への研修を企画、実施します。

    事業継続計画の策定の義務化

    事業継続計画というのは、災害等が発生した後、重要な事業を中断させず、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための計画です。BCP(Business Continuity Plan)とも呼ばれます。

    具体的には、自然災害発生時における業務継続計画感染症蔓延時の業務継続計画の2つを策定することが義務付けられました。そして研修を年一回以上(新規採用時は必ず実施)する必要があります。ただし、相応の準備が必要なことを踏まえて3年間の経過措置が設けられ、完全義務化は2024年からとなっています。

    ちなみにひとつ前の感染対策は、普段からの感染しないようにするためのもので、感染症蔓延時の業務継続計画は、施設でクラスターが発生してしまった後の対応方法という感じです。

    ●高齢者虐待防止の推進

    すでに高齢者虐待防止法が運用されていて、直接的に高齢者の虐待を禁ずることはもちろん、虐待を発見した場合の市町村への通報義務や通報を受けた市町村の対応等が定められています。

    今回の改正では、これら虐待に対する取り組みを今までより強化するため、介護事業所に対して運営基準に項目を追加することで更に防止に取り組む体制を作ることを定めています。

    具体的には、すべての介護サービス事業者を対象に、虐待の発生または再発を防止するための委員会(虐待防止検討委員会)を開催し、指針を整備し、研修を実施し、担当者を定めることが義務付けられました。ただし、準備期間として3年間の経過措置が設けられ、完全義務化は2024年からとなっています。

    ●ハラスメント防止

    全てのサービスの運営基準を見直し、ハラスメント対策については「必要な措置を講じなければならない」と新たに示し、対策の実施を義務付けられました

    事業者がとるべき措置として、職場での相談体制の整備を位置付け、悩みを聞く担当者を定めることなど、方針を明確化し、それを職員にあらかじめ周知しなければならないと明記されています。

    セクハラについては、上司や同僚に限らず、利用者やその家族等から受けるものも含まれます。

    ●LIFE

    科学的介護のためのデータベース「LIFE」の本格稼働が始まりました。
    LIFEとは政府・厚労省が重視する自立支援・重度化防止を目的として、より効果のある介護サービスを実現すべく導入される大規模データベースのことです。LIFEに蓄積されるのは利用者の状態や各種サービス内容に関する膨大な情報で、収集されたデータはフィードバックへの活用やエビデンスの確立などに役立てられます。

お疲れ様です。「介護の基本」8/13読破です。
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介護の仕事は連携が命|他職種連携(チームアプローチ)と地域連携について解説

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