介護の社会化とは|背景や具体的な要因を説明

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介護の社会化とは|どのような背景があるのか

そもそも介護の社会化って?

介護の負担を個人や家族で抱え込むのではなく、専門的な介護サービスを皆の負担で(税や保険料で)確保していこうとする考え方。

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家族や友人に介護を必要とする人がいる方でしたら、この考え方に反対する人はほとんどいないでしょう。逆に介護の問題とかかわりのない生活を送っている方でしたら、自分が納めた税金でなぜ他の家族を支援しないといけないのか、と思う人もいるかもしれません。

しかし、現状ではこの考え方は世の中に受け入れられ、まさにこの考え方を体現している「介護保険法」が成立し、運用されています。

介護の社会化が受け入れられている背景にはどのような理由があるのでしょうか。細かい要因はさまざまあると思いますが、最も大きな理由は次の二つです。

  • 家族形態の変化
  • 地域コミュニティの変化

介護の社会化と家族形態の変化

家族形態の変化がなぜ大きな要因に? もう少し具体的に…!

サザエさん一家のような大人数の家族と夫婦と子ども一人の家族の場合を考えてみてください。身内の一人に介護が必要になったとき、対応しやすいのはどちらでしょうか。明らかに同居している人数が多いほうが、対応しやすいですよね。しかし、現代は家族の小規模化がすすみ、三世代で同居している世帯はわずか5.3%(2018年)です。

高齢になり、両親とも介護が必要になった場合、子どもひとりで対応することは精神的にも肉体的にも負担が大き過ぎます。そこで 国民に共通する介護のリスクを社会全体で分担し、必要なときに十分な介護サービスを利用できる社会の仕組みを作っていこうという流れになりました。

家族が小規模化しているという具体的なデータはあるのですか?

2018(平成30)年の世帯構造

家族形態の変化は厚生労働省が実施している国民生活基礎調査を見るとよくわかります。ちなみに介護福祉士国家試験では「国民生活基礎調査によると~」という感じで設問にこのデータがよく使われています。

2018(平成30)年の国民生活基礎調査ー世帯構造

2018(平成30)年国民生活基礎調査

2018(平成30)年の世帯構造を多い順に並べると、

  1. 夫婦と未婚の子のみの世帯(29.1%)
  2. 単独世帯(27.7%)
  3. 夫婦のみの世帯(24.1%)
  4. 三世代世帯(5.3%)

1986年では三世代世帯は15.3%でしたが、年々減少しています。逆に単独世帯夫婦のみの世帯は年々増加しています。

このデータから家族の小規模化がみてとれます。

介護の社会化と地域コミュニティの変化

地域コミュニティって?ご近所づきあいのような?

ご近所づきあいも地域コミュニティの一つです。他にも町内会や自治会などさまざまなものがあります。しかし、この記事を読んでいる方で町内会や自治会に所属してる方はどのくらいいるでしょうか?

次のグラフをみてください。

自治体加入率の推移

2015(平成 27)年東京の自治のあり方研究会

年々町内会や自治会の加入率は低下しています。マンションなどでは隣人と交流はなく、どういう家族でどんな仕事をしているかもわからない、ということは珍しくありません。

例えば、認知症状がある方が外出して迷子になってしまった場合、自治会や町内会が活発で、近所の人はだいたい顔見知りという状況であれば、転倒して搬送されたりする前に保護できる可能性も高くなりますが、地域コミュニティが縮小化、希薄化している状況ではむずかしいでしょう。

このような地域のつながりの低下も介護の社会化の要因と言えます。

しかし、一方でNPO法人や企業など、新たな地域コミュニティの担い手もでてきています。国がすすめている”地域包括ケアシステム”の構築においてもNPO法人や地域のコミュニティは重要視されています。

地域包括ケアシステムについてもここで説明しておきます。

地域包括ケアシステムとは

環境の変化がストレスになる高齢者の中には、可能な限り住み慣れた地域や自宅で日常生活を送ることを望む人が多いと思われます。また、地域内で介護が必要な高齢者を効率良くサポートするためには、家族のメンバーや地域の医療機関、介護の人材が連携し合い、状況に応じて助け合う必要があります。
そこで、地域における「住まい」「医療」「介護」「予防」「生活支援」の5つのサービスを一体的に提供できるケア体制を構築しようというのが、地域包括ケアシステムです。
 つまり、地域包括ケアシステムとは地域の実情や特性に合った体制を整えていくものです。全国一律ではなく、各地域で高齢化がピークに達するときを想定し、その地域が目指すケアシステムを計画していきます。ここでいう「地域」とは日常生活圏域を指し、おおむね30分以内に駆けつけられる場所を想定しています。具体的には中学校区を基本とします。高齢者の住居が自宅であるか施設であるかを問わず、健康に関わる安心・安全なサービスを24時間毎日利用できることが目的です。

このようなシステムが構築できれば理想的ですが、”机上の空論”ではないかという意見もあります。

個人的にも疑問に思うところは多々ありますが、介護福祉国家試験的には上記の内容をみておけば大丈夫だと思います。

地域包括ケアシステムの構成要素

地域包括ケアシステムの構成要素について、厚生労働省のは以下のように説明しています。

住まいと住まい方

生活の基盤として必要な住まいがきちんと整備され、本人の希望と経済力に沿った住まい方が確保されていることが地域包括ケアシステムの前提です。周囲のサポートは必要ですが、それと同時に高齢者のプライバシーや人間としての尊厳が十分に守られた住環境を実現する必要があります。

出典  平成25年 地域包括ケア研究会報告書

生活支援・福祉サービス

心身の能力の低下、経済的理由、家族関係の変化などの要因があっても、尊厳ある生活を継続できるように生活支援を行います。
生活支援の中には、食事の準備など、サービス化できる支援から、近隣住民の声かけや見守りなどのインフォーマルな支援まで幅広く存在し、担い手も多様です。生活困窮者などには、福祉サービスとしての提供も。

出典  平成25年 地域包括ケア研究会報告書

インフォーマルな支援はあくまで、ボランティアですから、要素に組み込まれるのはどうなんでしょうか。”地域で互いに支え合う”といわれると聞こえはよいですが、介護保険の給付費を抑えるためというのが一番の目的に見えてしまいます。

介護・医療・予防

個々人の抱える課題に合わせて「介護・リハビリテーション」「医療・看護」「保健・予防」が専門職によって提供される(有機的に連携し、一体的に提供)。ケアマネジメントに基づき、必要に応じて生活支援と一体的に提供する。

出典  平成25年 地域包括ケア研究会報告書

本人・家族の選択と心構え

構成要素には含まれないものの、地域包括ケアシステムを支えていく重要な要素として触れておく必要がある部分です。単身・高齢者のみ世帯が主流になる中で、在宅生活を選択することの意味を、本人とその家族が理解し、心構えを持つことが重要です。

出典  平成25年 地域包括ケア研究会報告書

自助・互助・共助・公助から見た地域包括ケアシステム

公助」は税による公の負担、「共助」は介護保険などリスクを共有する仲間(被保険者)の負担であり、「自助」には「自分のことを自分でする」こと以外に、自費による市場サービスの購入も含まれます。
これに対して「互助」は、相互に支え合っているという意味で「共助」と共通点はあるものの、費用負担が制度的に裏付けられていない自発的なものであり、主に地域の住民やボランティアという形で支えられている。

出典  平成25年 地域包括ケア研究会報告書

この地域包括ケアシステムを実現していくための手法のひとつに地域ケア会議というものがあります。

地域ケア会議

地域ケア会議は、高齢者個人に対する支援の充実と、それを支える社会基
盤の整備とを同時に進めていきます。地域包括支援センター等が主催し、具体的には、

  • 医療、介護等の多職種が協働して高齢者の個別課題の解決を図るとともに、介護支援専門員の自立支援に資するケアマネジメントの実践力を高める。
  • 個別ケースの課題分析等を積み重ねることにより、地域に共通した課題を明確化する。
  • 共有された地域課題の解決に必要な資源開発や地域づくり、さらには介護保険事業計画への反映などの政策形成につなげる。

お疲れ様です。「介護の基本」1/13読破です。
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