認知症の理解

認知症の理解テキストアイキャッチ画像介護福祉士試験

介護福祉国家試験では、”認知症”に関連する問題が毎年10問程度、確実に出題されているので、勉強の費用対効果はかなり高い科目です。

認知症ケアの理念

キットウッドが提唱したパーソン・センタード・ケアは、認知症ケアはまさに「人」中心のケア(その人らしさを支えるケア)であると考えます。
その人を中心としたケアとは、その人らしくあり続けるための援助であり、本人にできる限りの自由を保障することです。

しかし、現実的にはある程度の自由の制限はやむを得ません。例えば、自分ひとりで買い物に行きたいという希望があっても、

  • 戻ってこられない
  • 財布、お金を無くす
  • お酒などをこっそり購入する

などが容易に考えられるので、「はい、いってらっしゃい」とはいきません。

本人の希望と本人の有する能力や環境を総合的に判断して、可能な限りで本人の希望の近づけることが大切です。このラインの見極めが介護職の重要な仕事です。

認知症による障害

記憶障害

記憶障害は、新しいことを覚えることのできない記銘の障害や、記憶したこと思い出せない想起の障害などに分けることができます。認知症では、まず最近の日常に関する出来事の記憶が障害され、次に古い記憶にまで及び、自分や家族の名前などの記憶も障害されていきます。

加齢に伴う物忘れと認知症の物忘れとの違い

加齢による物忘れ認知症による物忘れ
一部の物忘れ全部の物忘れ
物忘れの自覚がある物忘れの自覚がない
物忘れが進行しない物忘れが進行する
日常生活に支障がない日常生活に支障がある

加齢に伴うもの忘れも、短期間に増えたり、年齢相応の記憶低下を超える所見がある場合には、認知症に発展する可能性が高いとされます。軽度認知障害(MCI)といわれる状態です。
軽度認知障害は認知症の一歩手前の状態で、MCIとも呼ばれます。認知症における物忘れのような記憶障害が出るものの症状はまだ軽く、正常な状態と認知症の中間と言えます。放置することでいずれはアルツハイマー型認知症を発症すると考えられています。

軽度認知障害(MCI)の臨床的な定義

  • 記憶障害の訴えが本人または家族から認められている
  • 客観的に1つ以上の認知機能(記憶や見当識など)の障害が認められる
  • 日常生活動作は正常
  • 認知症ではない

見当識障害

時間、今いる場所、自分の名前、年齢、自分と周囲の関係等の日常生活に必要な情報を理解する能力が失われることを、見当識障害と言います。認知症の進行に伴って障害の程度も変化します。

路上で行動のおかしい高齢者がいた場合、日付や場所を尋ねてみてください。かなりズレた返事があった場合、迷っている可能性が高く、家族や施設から捜索願がでている可能性もあります。

失計算

簡単な計算力が低下し、基本的な数の概念が崩壊することです。

失行

運動機能は損なわれていないのに、目的に沿った適切な行動がとれなくなることです(衣服を適切に着ることができない着衣失行など)。

失認

感覚機能は損なわれていないのに、見たり聞いたりしたことが正しく認識できなくなることです。(鏡に映った自分が誰だかわからない鏡像認知障害など)

失語

構音器官や聴覚に障害がないのに、言語機能としての、話す・聞く・書く・読む機能が選択的に失われた状態を言います。認知障害の1つでもあります。認知症では、言葉のやりとりができない状態として軽度から現れます。

認知症の人の支援をしていると、ボキャブラリーが日に日に少なくなっていくのがみてとれます。残っている言葉や言い回しは人によって違っていて、個性がでています。

失読

視力や意識の障害,あるいは知能低下がないにもかかわらず,書字言語 (文字,単語,文) の理解が困難あるいは不可能な症状です。

失書

運動麻痺や視覚・知能の障害がないのに、文字や文章を自分で書いたり人が言うことを書き取ったりすることができない状態です。 多くは失語症や失行・視覚失認に伴って現れます。

実行機能障害(遂行機能障害)

  • 計画を立てる
  • 順序だてて行動する
  • 効率よく行動する

といったことが困難になります。

具体的な症状の例としては、以下のようなものがあります。

  • 献立を決めても、必要な物を購入できない。
  • 味噌汁を作るなどの一連の流れを持った動作が困難になる。
  • 食器を洗えなくなる。
  • 入浴の準備(着替えを用意する等)ができない。

このように計画や順序だった行動は困難になります。

しかし、1つ1つの作業はこなせることが多いので、支援のポイントとしては、作業を細かく分解し、一つ一つの動作に声掛けすることです。

例えば、食器洗いでは以下のようなかんじです。

  1. スポンジに洗剤をつける(「そこの洗剤を使ってもらって大丈夫ですよ」)
  2. 食器を洗う(「そのお皿の油汚れ落ちますか?」)
  3. 洗剤を流す(「泡を流すのはお湯の方がいいですか?」)
  4. 食器を拭く(「こっちの乾いたふきんを使ってもらって大丈夫です」)
  5. 食器をしまう(「他の人も食器をしまうので、戸棚の扉は開けたままでいいですよ」)

また、いつも同じ洗剤、スポンジを使い、置き場所も固定し、環境をシンプルに整えることも効果的です。

認知症と間違えられやすい症状

うつ病

うつ病の詳細はこちらで⇒障害の理解「うつ病」

うつ病になると、認知症に似た状態になり、改訂長谷川式簡易知能評価スケールなどの得点も低下します。しかし、快復すると元に戻るので、仮性認知症として、真の認知症とは区別されています。

仮性認知症

仮性認知症は高齢者のうつ病にしばしば認められる状態で、抑うつ気分や思考の停止などのうつ病症状により、注意・集中力や判断力、記憶力が低下し一見認知症のように見えます。臨床の場でも鑑別が難しく認知症として治療を受けているにもかかわらず、改善しないケースも見受けられます。
しかし、仮性認知症は脳器質性障害である認知症とは異なり、うつ病の軽快とともに改善する治療可能な一過性の認知機能障害です。

ちなみに仮性認知症では、判断障害よりも記憶障害の方が多いです。

仮性認知症と認知症の違い

仮性認知症認知症
発症急激なことが多い徐々に症状があらわれる
初期症状気分の落ち込み、気力の低下物忘れ
経過持続性進行性
摂食障害食欲不振、拒食特に障害はない(異食などはあり得る)

せん妄

せん妄とは、意識の混濁に加えて、錯覚、幻覚、妄想、不穏や興奮を伴う複雑な意識障害の一種です。主な原因は脳梗塞など脳の循環障害ですが、その他に心筋梗塞、肺炎等の感染症高熱脱水状態栄養失調薬剤の過剰投与アルコール中毒等によって起こることがあります。せん妄の特徴は以下のようなものがあります。

  • 急激な変化がみられる。
  • 日内変動
    朝ははっきりしていたのに昼頃にはせん妄状態になり、夕方になると再びはっきりしてくるというように、1日のなかで症状が変動する
  • すぐに失禁が起こる。
    認知症の場合には、症状の発現には長い経過(少なくとも6か月から1年)があり、症状も固定していて、失禁は末期の状態になってから起こるのが普通です。
  • 高齢者のせん妄は、夜間に起こることが多く、夜間せん妄といわれる。

甲状腺機能低下症

甲状腺機能低下症は、血液中の甲状腺ホルモンが不足した状態をいいます。甲状腺ホルモンは代謝を調節するホルモンであり、不足すると以下のような様々な症状があらわれます。適切な治療を行うと症状は改善します。

  • 浮腫
    皮膚を指でおさえてへこませても、元に戻るような浮腫が特徴で、全身にあらわれます。
  • 皮膚症状
    新陳代謝が低下するため、皮膚が乾燥してカサカサになります。汗が少なくなり、髪の毛が減ることもあります。
  • 寒がり
    新陳代謝が低下し全身の熱の生産が減り、寒さに弱くなります。
  • 食欲がないのに体重増加
    胃腸の働きが悪くなるため食欲が減り食べる量が少なくなりますが、新陳代謝が低下し、浮腫みがおこるため体重が増えます。また、お腹がはって便秘になりやすい。
  • 脈が遅くなる
    心臓の動きが遅くなり、脈の回数が少なく弱くなります。
  • 筋肉症状
    筋力低下や肩こりがおこります。
  • 認知症に似た症状
    甲状腺のホルモンが低下すると、体の新陳代謝が悪くなります。その影響で、脳の働きが低下し、もの忘れ、妄想、記憶力の低下、無気力などの症状がでることがあります。そのため甲状腺機能低下症はアルツハイマー型認知症と間違えられやすい。

主な認知症の種類と症状の特徴

アルツハイマー型認知症とは

アルツハイマー型認知症は、精神科医師アルツハイマーによって報告された認知症疾患です。大脳皮質の神経細胞が消失し、脳萎縮が生じる疾患です。
アルツハイマー型認知症では、神経学的所見として、老人班神経原繊維変化神経細胞萎縮が生じます。これらの変化は大脳皮質に一様に生じるのではなく、側頭葉から頭頂葉にかけて著しく生じ、進行すると前頭葉に及びます。
また、記憶に関与する、側頭葉内側の海馬大脳辺縁系に明らかな病変がみられます。一方、運動や感覚の中枢変化は軽く、末期を除けば運動機能は保持されます。

脳の役割

出典  https://www.minnanokaigo.com/guide/dementia/

アルツハイマー脳

出典  https://www.jmca.jp/column/tu/tu37.html

アルツハイマー型認知症の主な特徴

記憶障害

  • 何回も同じことを繰り返して言う。
  • 先ほどの出来事をすっかり忘れる。
  • 記憶低下の頻度が増える。
  • もの盗られ妄想(しまったことを忘れて、誰かにとられたと思い込む)
  • 徘徊

思考と判断力の障害

物事を理解して適切な判断をすることができなくなる。実行機能障害がみられます。

巣症状

巣症状とは、その領域における脳の機能が失われることによる症状をいいます。 具体的な症状は、失語、失読、失書、失計算、失行、失認

見当識障害

時間・場所・人物の見当識障害
時間→場所→人物の順序がほぼ一定しています。

人格の保持

全体の態度、対人関係での対応、周りの事柄に関与しようとするかかわりなど、人格水準が比較的保たれている

施設に入所している方はアルツハイマー型認知症の方が多いのですが、認知症がすすんだ状態でも、スタッフや他の入居者に気を使っている様子は多々あります。

アルツハイマー型認知症と嚥下障害

アルツハイマー型認知症では大脳皮質はダメージを受けるものの、脳幹を構成する延髄には障害が及ばないので、末期でなければ、基本的に嚥下障害は起こりません

嚥下中枢延髄にあります。

血管性認知症

血管性認知症とは、脳の血液の流れが障害されて起きる脳血管障害を基盤として起こる認知症をいいます。脳血管障害には脳出血(脳内出血)・くも膜下出血・脳梗塞等があります。一般的には60歳以上の男性に多く発症し、糖尿病高血圧などの生活習慣病により発症のリスクが高くなると言われています。

血管性認知症においては、

  • 物忘れなどの記憶障害
  • 時間や場所や人物の認識がうまくできなくなる見当識障害
  • ものごとを計画立てて順にこなすことが困難になる実行機能障害

など他の認知症の類型と同じ症状も多くみられますが、以下のような脳血管性認知症に特有の状態もあります。

まだら認知症

脳血管障害の病変の部位によって、多様な障害言語障害、知覚障害、片麻痺等)を起こします。症状は、脳内で損傷を受けている部位と受けていない部位が混在しているところから、健全な部分とそうでない部分がはっきり分かれていることが多く、できることとできないことの差が大きい。そのため「まだら認知症」と呼ばれることもあります。大脳皮質の一か所に限定された脳梗塞は認知症ではなく、病変部位にあたる特定の高次脳機能障害を示し、脳卒中の発作を何回か繰り返すことによって認知症になります。

症状に対して本人の自覚が強い

「できること、わかること」と「できないこと、わからないこと」の差が激しく、その自覚もあるため、本人は悲しみや、歯がゆい思いを強く感じています。そのため、抑うつや怒り、投げやりな態度になりやすい。

感情失禁

さまざまな感情をコントロールしづらく、怒りや悲しみなどが表出しやすくなります。

ちょっとしたことで、突然泣き出したり、怒り出したりすることがあります。血管性認知症の特徴として知識があれば、落ち着いて対応することができます。

レビー小体型認知症

レビー小体型認知症は、脳全体にレビー小体といわれる異常物質が沈着して生じるが、病態の原因は不明です。特徴としては以下のようなものがあります。

パーキンソン症状

下記のようなパーキンソン症候群に特有の症状が現れる。

  • 手足がふるえる(振戦)
  • 動きが遅くなる(無動)
  • 筋肉が硬くなる(固縮)・無表情
  • 姿勢のバランスが悪くなる(姿勢反射障害・前かがみ歩行)
  • 歩幅が小さくなり、歩き始めの足が出しづらくなる一方、歩行し始めると突進してしまう

嚥下障害

レビー小体が溜まる部位によっては身体症状が出ないこともありますが、レビー小体型認知症は、上記のように歩行障害などの身体症状が出る認知症なので、嚥下障害も起こります

レビー小体型認知症の摂食嚥下障害の症状の中でも特に多いのは「食事中にむせこむこと」です。

幻視

視覚を司る後頭葉が障害を受け、存在しないものが見えてしまう症状です。

利用者本人にはありありと見えており、受容的に接するのが基本です。

レム睡眠行動障害

一般的に睡眠は、脳が熟睡するといわれる深いノンレム睡眠と、夢を見ているといわれる浅いレム睡眠が交代して表れます。レビー小体型認知症の方は、レム睡眠時に大声を出す、暴れるなど、寝ぼけているとはいえない程度の異常な行動がみられることがあります。

レム睡眠の特徴の一つは、脱力状態になることです。夢見に関わる脳の神経活動は高まっていますが、手足は脱力状態で、通常は思うように動かせません。レム睡眠時にこの脱力状態にならずに、夢の通りに行動してしまう病気がレム睡眠行動障害です。

自律神経症状

自律神経のバランスが崩れ、立ちくらみや寝汗、頻尿や便秘、動悸やだるさなど、多様な身体の不調が生じます。レム睡眠障害での不眠や自律神経症状による不調から抑うつ状態になることもあります。

病状の日内変動

日によって調子の波が大きく、一日のうちでも変動し、特に夕方に悪化する傾向があります。自律神経症状も加わり、食後に急に無動状態になったり、夕方に幻視を頻繁にみることもよくあります。

前頭側頭型認知症(ピック病など)

前頭側頭型認知症(ピック病など)は、初老期40~60歳)の比較的若い世代に発症する代表的な認知症疾患であるといわれています。前頭葉側頭葉に限定して脳が委縮していく疾患です。

特徴としては、以下のようなものがあります。

  • 本人に病識(病気であると自覚すること)がない
  • 人格変化
    人が変わったような奇妙な行動を繰り返す(万引き・無精な生活・自分勝手・わがまま、性的行動など)
  • 自発性の低下
  • 感情の麻痺
  • 抑うつになることは少ない
  • 常同行動
    決まった食事しかとらない、散歩などを決まった時間に行う等の決まりごとがみられる
  • 動作についての記憶見当識は比較的保たれる

常同行動の制止は、本人を混乱させます。

クロイツフェルト・ヤコブ病

クロイツフェルト・ヤコブ病は、クロイツフェルトとヤコブによって報告された認知症で、急速に進行する認知症の原因疾患です。発症は50~60歳代に多く、初発症状から6~12か月で死に至ります。
クロイツフェルト・ヤコブ病の原因は、細菌やウイルスではない、特異な性質をもつプリオンたんぱくによる感染症と考えらています。症状には、認知障害運動失調があり、筋強剛、運動麻痺、舞踏病様運動、興奮、幻覚などの多様な症状がみられます。治療法は見つかっていません。

慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫とは、脳を包む3枚の薄い膜(硬膜・くも膜・軟膜)のうち一番外側の硬膜の下に血腫ができる疾患をいいます。原因には転倒などによる脳の打撲があります。打撲時には痛みの他に症状がみられません。

症状の進行は、打撲により硬膜の血管が破れてじわじわと出血し、血液の塊ができ、それが脳を圧迫し神経細胞に障害をきたします。徐々に進行し、打撲後1~3か月くらいで、頭痛もの忘れの症状がみられます。尿失禁寝たきりを誘発しやすい。簡単な脳手術で血腫を取り除くことができ、治る認知症の代表的疾患です。

正常圧水頭症

正常圧水頭症は、頭の中や脊髄の表面を流れる、髄液(ずいえき)と呼ばれる水が、脳の中心にある脳室(のうしつ)と呼ばれる場所に溜まり、周りの脳を圧迫することにより、障害がでる疾病です。シャント手術で治すことができます

正常圧水頭症の特徴として、通常は以下の順で次の3症状が徐々に現れます。
  • 歩行障害(歩行困難)

    小幅で足を引きずるように歩く。転びやすい。足が重く感じられる。階段使用が困難。

  • 尿失禁(排尿のコントロールの障害)

    頻繁に、または急に排尿したくなる。排尿を我慢することができない。

  • 軽い認知症(認知機能障害)

    健忘症。短期記憶喪失。行動への関心の欠如。気分の変化。

若年性認知症

若年性認知症65歳未満で発症した認知症をいい、さらに初老期(40~64歳)と若年期(18~39歳)に分類されます。若年性認知症の有病率は、老年期認知症の有病率に比べると著しく少ない。発症は男性に多い。若年性認知症の基礎疾患として、血管性認知症が最も多く、次いでアルツハイマー型認知症が多くなっています。若年性認知症は、年齢が若い分、高齢者と比べ脳が委縮していくスピードも速い

若年性認知症は高齢者の認知症と異なり社会的な役割が大きい世代の認知症であるため、経済問題がより大きい。そのため、雇用保険制度障害福祉サービス等を組み合わせて利用できるように支援することも重要です。

認知症の検査

認知症の診断には各種検査が必要であり、検査結果は医師による診断が第一歩となります。どんな検査があるのかみていきます。

改訂長谷川式簡易知能評価スケール

認知症か否かを診断する簡易なスケールです。9つの設問(記憶、見当識、計算など)から構成され、正しい答えに点を与え、誤答やできない場合を0点として得点を計算し評価点とします。30点未満のうち、20点以下の場合に認知症を疑います。

ミニ・メンタル・ステイト検査(MMSE)

国際的にも広く使われています。フォルスタインが開発した。日付や計算など11項目から構成されており、図形模写があります。

Functional Assessment Staging(FAST)

ライスバーグらがアルツハイマー型認知症の症状ステージを、生活機能面から分類した観察式の評価尺度です。その分類は下の表のように7段階あります。

ステージ特徴
1.正常主観的にも客観的にも機能低下は認められない。
2.年齢相応物の置忘れや、もの忘れが起こる。
3.境界状態職場で複雑な仕事ができない。
4.軽度のアルツハイマー金銭の管理、買い物など日常生活での仕事にもに支障をきたす。
5.中程度のアルツハイマー型TPOに合わせた適切な服を選んで着ることができない。着替えや入浴を嫌がる。
6.やや高度のアルツハイマー型着衣:一人で服を着ることができない。
入浴:介助が必要
排泄:水を流すことできない、拭き忘れ、尿・便失禁など
7.高度のアルツハイマー型言語機能:語彙が6個以下に低下。「はい」などただ一つの単語しか理解できない。
身体機能:歩行や座位の保持ができない。笑顔がなく昏迷および昏睡に陥る。

認知症高齢者の日常生活自立度判定基準

厚生労働省が提案するもので、日常生活に関する支障に関して、具体的な目安を提示しています。

認知症自立度判定基準

出典 厚生労働省

認知症の治療

回想法

回想法は1960年代にアメリカの精神科医、ロバート・バトラーが提唱した心理療法です。過去の懐かしい思い出を語り合ったり、誰かに話したりすることで脳が刺激され、精神状態を安定させる効果が期待できます。当初は高齢者のうつ病治療に使われていましたが、長く続けることで認知機能が改善することも明らかになり、日本でも認知症患者のリハビリテーションに利用されるようになりました。認知症は、記憶障害が進んでいても古い記憶は比較的最後まで残っていることが多く、この認知症の記憶の特徴を上手に生かした方法と言えます。軽度の認知症における回想法の治療は記憶力を維持し、認知症の進行を抑制する効果が期待されています。

音楽療法

音楽療法とは、音楽のもつ生理的、心理的、社会的働きを用いて、心身の障害の軽減回復、機能の維持改善、生活の質の向上、問題となる行動の変容などに向けて、音楽を意図的、計画的に使用すること。

出典  日本音楽療法学会

施設のリビングで、よくPCをTVに接続してYoutubeを流すのですが、一番の人気コンテンツは”昭和の音楽”ですね。食事が終わるとすぐに居室に戻ってしまう利用者も自分の郷里の民謡なんかが流れているとリビングのソファに座り手拍子したりしています。利用者同士の会話のきっかけにもなります。

Youtubeが再生できるPCとHDMIケーブルがあれば、接続するだけで簡単にできるので、おすすめです。

認知症の中核症状とBPSD

中核症状

認知症の中核症状とは、多少の差はあるものの、認知症になると誰にでも認められる中心となる症状です。以下のようなものがあります。

  • 記憶障害
    薬を飲んだことを忘れてしまうといったような生活に影響がでるレベルで物忘れが起こります。
  • 見当識障害
    時間や場所などがわからなくなります。
  • 計算力・判断力の低下
  • 実行機能障害
    計画を立てて段取りをすることができなくなります。

行動・心理症状(BPSD)

中核症状によって不安、焦燥感などが高まり、BPSDとして現れてきます。BPSDは、初期には不安や気分の沈みといった精神症状が多く、中等度になると幻覚妄想などが出てきます。

感情に関するBPSD

不安気分の沈みなどがあり、漠然とした不安がつきまといます。感情を抑えられなくなる感情失禁は、血管性認知症に多くみられます。

意欲に関するBPSD

意欲低下無関心、無気力、無為などがあります。

知覚に関するBPSD

幻覚錯覚などです。レビー小体型認知症では、現実的で繰り返して起こる幻視が特徴的である。

思考に関するBPSD

妄想誤認がです。認知症による妄想は、「お金がない」「誰かが部屋のクローゼットに隠れている」「めつぶしをされた」などの被害感情が出てくる場合が多い。

睡眠に関するBPSD

日中の傾眠夜間の不眠です。初期に抑うつ気分が表面化しているときには、中途覚醒早朝覚醒が混在したような形で不眠がみられます。
※中途覚醒:一晩に何度も目が覚める
※早朝覚醒:午前2時3時に目が覚めて、その後全く眠気がなくなる。

行動に関するBPSD

徘徊常同行動があり、何らかの理由・目的が存在するもの、不安感や不快感等が誘因となるものなどさまざまです。抑制・禁止することは不安感を助長させてしまうため、認知症高齢者の行動、言動をよく観察・分析し、行動の背景を理解するように努めることが大切です。
常同行動:常に同じ行動をすること。前頭側頭型認知症でみられることが多い。

地域におけるサポート体制

認知症サポーター

認知症サポーターとは、地域で暮らす認知症の人やその家族を応援する認知症サポーター養成講座を受講した人のことをいいます。講座の実施主体は都道府県および市町村等自治体、全国的な職域組織、企業などの団体です。

認知症サポーターはボランティアですが、2019(平成31)年3月31日の時点では1100万人を超えています。
認知所サポーターの養成は、認知症サポーターキャラバン(認知症サポーターを養成し、全国が認知症になっても安心して暮らせるまちになることを目指す)の取り組みの一環として都道府県や市区町村、全国規模の企業、団体などと協働し行われています。

全国キャラバン・メイト連絡協議会では、都道府県、市区町村など自治体と全国規模の企業・団体等と協催で認知症サポーター養成講座の講師役(キャラバン・メイト)を養成します。養成されたキャラバン・メイトは自治体事務局等と協働して「認知症サポーター養成講座」を開催します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました