生活支援技術

生活支援技術アイキャッチ介護福祉士試験

この科目は出題数が26問と他科目と比べて圧倒的に多いです。次点で社会の理解やこころとからだのしくみが12問です。学習コストも他科目と同じくらいなので、費用対効果は最も高い科目といえます。

  1. 生活支援と介護予防
    1. 主な廃用症候群
      1. 起立性低血圧
      2. 関節拘縮
      3. 筋委縮
      4. 骨粗鬆症
      5. 褥瘡
      6. 沈下性肺炎
      7. 静脈血栓症
      8. 知的・心理的障害
  2. 安全で心地よい生活環境をつくるための生活支援技術
    1. 心地よい室内気候
    2. 適度な照明
    3. 安全な浴室
    4. 安心できるトイレ
    5. 階段の手すり
    6. 車いすを使用するための廊下幅
  3. 整容に関する生活支援技術
    1. 髭剃り介助の技術
    2. 爪切り介助の技術
    3. 口腔ケア介助の技術
      1. 口腔ケアの主な目的及び効果
      2. 口腔ケアのポイント
  4. 利用者の状態・状況に応じた身支度の生活支援技術
    1. 片麻痺のある利用者の更衣
    2. 片麻痺のある利用者の口腔ケア
    3. 経管栄養の利用者の口腔ケア
  5. 移動に関する生活支援技術
    1. 麻痺の分類
      1. 片麻痺がある場合の端坐位から立位になる時のポイント
    2. 移動に関する関節可動の基礎
      1. 外転・内転・外旋・内旋
    3. 体位の基礎
      1. 仰臥位
      2. 側臥位
      3. 端坐位
      4. 起座位
      5. ファーラー位
      6. 良肢位
    4. 杖に関する基礎知識と生活支援技術
      1. 杖歩行の動作と介助のポイント
    5. 歩行を補助する福祉用具
      1. 手すり
      2. シルバーカー(歩行車)
      3. 歩行器
      4. T字杖
      5. ロフストランドクラッチ(前腕固定杖)
      6. プラットホームクラッチ(前腕支持型杖)
      7. 多点杖・ウォーカーケイン
    6. 利用者の状態に応じた移動・移乗に関する生活支援技術
      1. 短下肢装具
      2. スライディングボード
      3. スライディングシート
      4. 回転移動盤
      5. ガイドヘルプ
      6. 視覚障害者の乗り物の乗降の支援
      7. 点字ブロック
      8. 白杖
      9. パーキンソン病の利用者
  6. 食事に関する生活支援技術
    1. 片麻痺のある人のベッド上での食事介助
    2. 誤嚥しにくい食物
    3. 嚥下障害がある場合の食事介助の留意点
    4. 視覚障害者に対する食事介助
    5. 骨粗鬆症予防
  7. 入浴・清潔保持に関する生活支援技術
    1. 入浴・シャワー浴の留意点
      1. 入浴前
      2. 入浴中
      3. 入浴後
      4. 浴室での事故
    2. 片麻痺がある利用者の入浴介助の留意点
    3. 足浴・手浴
    4. 洗髪
    5. 清拭
      1. 胸部
      2. 腹部
      3. 陰部・臀部
    6. ストーマのある方の入浴に関して
    7. 腹水がある場合の入浴に関して
    8. 血液透析を受けている場合
    9. 酸素療養中の場合
  8. 排泄に関する生活支援技術
    1. 排泄介助における留意点
    2. 排泄介助における自立へ視点
    3. ポータブルトイレ
    4. 尿器
    5. 差し込み便器
    6. おむつ
    7. 下痢
    8. 膀胱留置カテーテル
  9. 家事に関する生活支援技術
    1. 嚥下困難のある利用者の場合
    2. 動脈硬化予防の食事
    3. 腎機能障害の人の食事
      1. たんぱく質の制限
      2. 塩分の制限
      3. カリウムの制限
    4. 被服の組成
    5. ドライクリーニング
    6. 漂白剤
      1. 酸素系漂白剤
      2. 塩素系漂白剤
      3. 還元漂白剤
    7. 洗濯物の干し方
    8. 家計の管理
  10. 終末期の生活支援技術
    1. 苦痛緩和の方法
      1. 体位の工夫
      2. 倦怠感等への工夫
    2. 臨終時の介護
    3. グリーフケア
  11. 死の捉え方
    1. 生物学的な死
    2. 法律的な死(脳死)
    3. 死の三大徴候
    4. 尊厳死
      1. リビングウィル
  12. 終末期から危篤、死亡時のからだの理解
    1. 呼吸の変化
    2. 死後の身体的変化
  13. 死に対するこころの理解
    1. キューブラー・ロスの5段階モデル
    2. 大切な人の死を受容する段階
      1. 悲嘆反応の種類

生活支援と介護予防

介護予防とは具体的には、

  • 高齢者が要介護状態になることをできる限り防ぐこと
  • 要介護状態になっても状態がそれ以上に悪化しないようにすること

です。

介護福祉職は、介護予防により一人ひとりの生きがいや自己実現のための取り組みを総合的に支援し、QOL(生活の質)の向上を目指します。

介護予防では、脳血管疾患などの要因となっている生活習慣病の予防と、廃用症候群(病気やケガによる安静を含む不活発さによって、全身または身体の局所に生じる機能の低下および精神的な機能の低下)の予防が重要です。廃用症候群が生じると、身体機能のみならず、生活機能も徐々に低下します。

主な廃用症候群

起立性低血圧

自律神経障害の1つで、血管のコントロールが低下するため、からだを起こすと、下肢や腹腔臓器に血液が下りて貯留し、脳にいく血液が不足して血圧が低下することです。血圧が低下する結果、寝た姿勢から急に座ったり、立ったりすると、めまいや頭重感、ひどいときには吐き気などを起こします。

関節拘縮

関節を構成する靭帯や関節包、筋や皮膚などの短縮により、関節が硬くなる状態です。そのため、関節の動きも制限されます。

筋委縮

筋繊維が細くなる状態で、筋力の低下がみられます。

骨粗鬆症

臥床が続くと、骨に対し重力による機械的刺激が減少し、その結果、骨が弱くなり、折れやすくなる状態をいいます。

褥瘡

過度の持続的圧迫により、その部分の組織が壊死を起こす状態です。特に、褥瘡になりやすいところは骨の突出部です。褥瘡は、まず皮膚に発赤が起こり、さらに疼痛、壊死、潰瘍と進行します。高齢者は栄養状態も低下し治りにくいので、褥瘡をつくらないように注意深い観察と介護が必要です。
褥瘡の予防方法は以下のようなものがあります。

  • 最低2時間ごとに体位変換をする。
  • 寝衣、寝具の湿潤を避ける。
  • 身体および寝衣、寝具の清潔を保つ。
  • シーツ、寝衣のしわをつくらない、のりづけしない。
  • タンパク質やビタミンの多い食事をとり栄養状態を保持する。
  • エアマットなどの体圧を分散する寝具を利用する。

沈下性肺炎

仰臥位の姿勢が続くと、重力によって細気管支のより低い部分に粘液が溜まり、気管支線毛の浄化機能が損傷され、細菌感染の土壌となりやすくなります。

気管支線毛というのは、気管支にあるホウキのようなイメージです。肺に入った細菌やウイルスを掃き出してくれます。タバコを吸った後に痰が出やすくなるのも、有害な物質を吐き出そうとする線毛の働きです。

静脈血栓症

静脈がつまる状態で、下肢に生じやすく、うっ血やむくみが出ます。

知的・心理的障害

長期臥床により、身体的にも精神的にもあまり刺激がない状態が続くと、知的能力の低下や依存症のほか、興味・自発性の低下、食欲低下、睡眠障害、感情・行動異常などが起こってきます。

安全で心地よい生活環境をつくるための生活支援技術

心地よい室内気候

居住環境のうち、室内の温度・湿度・気流のことである。一般的に高齢者に適した室内気候は、以下のとおりです。

  • 冬季20℃前後
  • 夏季26℃前後
  • 湿度は40~60
  • 気流は0.5m/sec以下
  • 冷房は外気温との差を5~7以内。

適度な照明

加齢の影響により、全体の明るさは若い人よりも暗く見えるようになり、照明の光源など輝度の高い物はよりまぶしく見えるようになります。そのため、スタンドやブラケット灯などの間接照明を利用することにより、光源が直接目に入らず不快感を軽減できます。

安全な浴室

浴室の扉は引き戸にするのがよいです。浴槽をまたぎやすくする場合の浴槽の高さは40㎝程度(くらいの高さ)、浴槽の深さは55程度が適当とされています。脱衣室や浴室の床、浴槽の底には滑り止めマットなどを敷きます。

安心できるトイレ

ポイントは以下のようなものがあります。

  • トイレは、寝室に近い場所が望ましい。
  • ドアは引き戸外開きなどが望ましい。
    内開きのドアは、緊急時の対応などに問題があるので避ける。
  • トイレまで安全に移動できるように手すり等を付けるとよい。
  • トイレに鍵を付ける場合は、外からも開くものがよい。
  • 介助が必要な場合は、洋式便器の側方および前方に幅50㎝以上の介助スペースを確保する。
  • トイレ内で車いすを使う場合は、車いすが回転できて、介護者が一緒に入ることができるスペースを確保し、便座の高さを車いすとなるべく同じにするとよい。また麻痺側がどちらなのか、どのような動作ができるのかを考慮して、手すりなどを付ける。
  • L字型手すりは、便座への移乗や立ち上がり、便座に座った位置やバランスに合わせて、洋式便器の先端よりも前方に取り付ける。手すりの直径は3㎝程度がよい。
  • 就寝時は、トイレの照明は寝室よりも明るくする。これは転倒防止や視作業を安全に行えるようにするためである。

階段の手すり

階段に手すりを設置する場合、両側に設置することが望ましいが、片側のみの場合は下りる際の利き手側に設置します。

階段は下りる時の方が大きな事故につながりやすいので。

車いすを使用するための廊下幅

車いすを使用するためには、廊下や通路の幅は最低85cmは必要です。施設など複数の利用者が生活する場合は、すれ違いがスムーズに行えるように180cmの廊下幅が必要となります。出入口の扉は、車いす使用者にとっては、外開き扉よりも引き戸がよい。

整容に関する生活支援技術

髭剃り介助の技術

ひげ剃りの介助では、利用者の生活習慣希望をよく知り、できないところを介助します。高齢になるとひげ剃りをおろそかにしたり、手入れが行き届かなかったりすることがあるので、介護者の配慮が大切です。
電気かみそりによるひげ剃りの介助は、皮膚を伸ばし直角に電気かみそりを軽く当て、ゆっくりとひげの流れに逆らって滑らせるように剃ります。

筆者の施設には朝食前に、30分くらいずっと歯磨きをする方がいます。一般的には歯磨きは食後に行うものですが、話しを聞いてみたところ、食事の前に口の中をきれいにしておかないと気持ちが悪いとのこと。このような本人の生活習慣や希望はなるべく尊重するように心がけています。

爪切り介助の技術

爪は、足より手のほうが早く伸びます。まめに手入れをしないと、巻き爪など変形の原因となって、足指先の動作や歩行の障害となったり、皮膚や衣服を傷つけたりします。身だしなみや清潔感保持の他、生活の安全のためにも爪切りは重要です。

ポイントは以下のようなものがあります。

  • 高齢者の場合、爪がもろくて割れやすいため、力を入れすぎたり大きく切ろうとしたりせず、少しずつ切るようにします。
  • 巻き爪にならないように両側の爪の角の部分が指の皮膚よりも短くならないようにします。
  • 爪を丸く切ったり深爪をすると巻き爪の原因になります。
  • 爪の長さは、指に垂直に物を当てた時に爪が当たるか当たらないかくらいが適当です。
  • 爪やすりは「ささくれ」にならないように、外側から爪中央へ向けて一方向で行います。
  • 爪は水分に浸すと柔らかくなるので、入浴蒸しタオルなどを当てた後に行うと安全です。
  • 爪切りは、爪そのものに異常がなく、爪の周囲の皮膚にも炎症や化膿がなく、かつ糖尿病などの疾患に伴う専門的な管理が必要でない場合に限り、原則として医行為ではないとされ、医療職でなくても爪切りややすりがけをすることができます。

口腔ケア介助の技術

口腔ケアの主な目的及び効果

  • 虫歯、歯周疾患、口腔粘膜疾患等を予防する。
  • 口腔内の細菌繁殖を予防し、全身的な感染症(誤嚥性肺炎など)の予防する。
  • 口臭を予防する。
  • 唾液の分泌を促進し、口腔内の自浄作用を促し、口腔内の乾燥を予防する。
  • 正常な味覚を保ち、食欲を増進させる 。

口腔ケアのポイント

  • 口腔ケアでは誤嚥に注意し、安全を確保することが重要です。
  • 麻痺がある場合は、麻痺側に食物残渣や口腔細菌等が付着しやすい。
  • 義歯には全部床義歯(総入れ歯)と部分床義歯(部分入れ歯)があり、全部床義歯はから装着し、からはずします。
  • 口腔ケアにおける体位は自立度に合わせて、立位>座位>半座位(ファーラ―位)>側臥位のうち、可能なもので行う。誤嚥を防止するため、仰臥位では行わない。
    ※ファーラー位:ベッドに寝た状態(仰臥位)から、上半身を45度起こした姿勢
  • 歯や軟組織を傷つけないように、植毛部の大きさは小さく、毛の硬さは柔らかめのものを選ぶ。

利用者の状態・状況に応じた身支度の生活支援技術

片麻痺のある利用者の更衣

片麻痺のある利用者の場合は、利用者ができる部分とできない部分を見極めて、できない部分を援助します。更衣介助は、麻痺の部位と程度、可動域、残存能力等を確認し、たとえ認知症の症状などがあっても、可能な限り自力で行うように促します。拘縮がある場合、着替えの前に少し関節を動かしておくとよい。基本は健側から脱がせ、患側から着せる(脱健着患)。例えば、ズボンを自力ではくときは、まず患側の脚を通し、次に健側の脚を通します。
片麻痺のある利用者が着脱しやすい衣服のポイントは、

  • かぶり式の上衣
  • ボタンの大きな衣服
  • ウエストがゴムなどで伸縮するズボン など

片麻痺のある利用者の口腔ケア

片麻痺のある利用者の場合は、半側空間無視(※)によって、麻痺側は食物残渣が停滞してしまい、健側に比べて口腔清掃が適切に行えていないことがあります。片麻痺のある利用者には麻痺側を意識してもらう支援が重要となります。麻痺側を意識してもらうには、鏡を見ながら行ってもらうとよい。また、残存能力を最大限活かすように、持ちやすい歯ブラシの工夫や利き手交換の訓練をするなど、口腔ケアの自立を促していくことも大切です。

半側空間無視:麻痺側の感覚がにぶくなっていたり、麻痺側にある物が見えているにもかかわらず認知できていなかったりする状態。

経管栄養の利用者の口腔ケア

経管栄養の利用者は、口腔機能が全般的に低下している場合が多く、口腔内の自浄作用の低下や口腔乾燥、口腔粘膜の脆弱化等を招きやすくなり、口臭も発生しやすい傾向にあります。また、刺激による嘔吐などを避けるために、栄養注入直後の口腔ケアは避けるようにします
口腔ケアを行う際は、誤嚥しないよう姿勢を考慮し、声をかけながら全身の状態を観察します。また、経鼻経管栄養チューブを固定しているテープがはがれやすくなっていたり、抜け出ていたり、口の中でとぐろを巻いているなどの場合は、早急に医療職に報告する必要があります。

移動に関する生活支援技術

体の麻痺と移動には関連があるので、最初に麻痺について解説しておきます。

麻痺の分類

  • 四肢麻痺
    両側上下肢の麻痺。大脳、脳幹、頚髄などの障害によって起こります。体幹筋も麻痺するために座位保持も困難で、ほとんどの動作に介助が必要となります。
  • 対麻痺
    両側下肢の麻痺。脊髄損傷によるものが多い。両側上肢は健全なので動作のほとんどを上肢で行います。
  • 片麻痺
    片側上下肢の麻痺。脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍などによって片側の大脳や、脳幹、脊髄などに損傷を受けたときにみられます。ほとんどの動作は自立していますが、重度の場合には、バランスの保持能力が低下し、介助を要することがあります。
  • 単麻痺
    四肢のうち一肢だけが麻痺している状態。多くは末梢神経の損傷が原因です。基本的に動作は自立しているために、介助はほとんど必要としません。
  • 球麻痺
    脊髄の上部に位置する延髄とよばれる部位が障害を受けることにより引き起こされる麻痺のことで、舌やのどの筋肉の力が弱まり、言葉を発しにくくなる、食物を飲み込みにくくなるなどの症状が現れます。

片麻痺がある場合の端坐位から立位になる時のポイント

  1. 利用者は浅く腰かけて、両足を後ろに引いて膝を曲げる。
  2. 介護者は利用者の患側に位置し、足を利用者の足のすぐ横に置いたり、手を患側の膝に当てて、患側側の膝折れなどに注意する。
  3. 利用者の頭を前傾させて低くし、重心を移動させる。
  4. 股関節、膝関節を徐々に伸ばし、顔を上げながら立ち上がる。

移動に関する関節可動の基礎

外転・内転・外旋・内旋

関節の動きを説明するときに使われる用語で、しっかり理解しておく必要があります。

太ももが「外」に向くようにねじれば外旋、「内」に向くようにねじれば内旋です。

内旋外旋1内旋外旋2

出典  https://www.medicmedia-kango.com/2019/01/16935/

屈曲、伸展は、その名の通り股関節を「曲げる」「伸ばす」動きです。
外転は、股関節を起点に脚を「外」に開く運動を、内転はその逆で,脚を「内」に閉じる運動を指します。

内転外転

出典  https://www.medicmedia-kango.com/2019/01/16935/

体位の基礎

仰臥位

仰向けに寝ている体位です。最も基底面積が大きく安定し、筋の緊張も少ない体位です。

側臥位

左右どちらかを下にして横向きに寝ている体位です。下側の手がからだの下にならないように介助することが大切です。特に片麻痺がある場合、患側を下にするのはNGである

麻痺側が下側になると、無理な体勢になっていても痛みなどで気づけない場合があります。

端坐位

背中をもたれずにベッドやいすに座った体位です。床に足裏全体がついてることが大切です。

起座位

背を約90度に起こし、オーバーテーブルや机などの上にクッションや枕を置き、それを抱えてうつぶせにする体位です。横隔膜を下げ呼吸面積を広げることになるので、心疾患の人には安楽な姿勢であり、喘息発作では呼吸がしやすくなります

ファーラー位

ベッドに寝た状態(仰臥位)から、上半身を45度起こした姿勢のことです。

良肢位

関節の拘縮や筋の萎縮などに対して、ADLへの影響を最小限にするために、良肢位を保持することは大切です。良肢位とは関節がその角度のまま動かなくなっても日常生活動作に及ぼす影響が最も少ない肢位(機能肢位)であり、多くの人にとって基準となる角度が定められています。生活様式・職業などによって良肢位は変化させて考えます。一般的には肩関節は外転10~30度、肘ちゅう関節は屈曲90度、膝しつ関節は屈曲10~20度、足関節は背屈・底屈0度とされています。

杖に関する基礎知識と生活支援技術

杖の長さは使用者の大転子と床までの長さ、または腕を真横に振り下ろしたときの、手の“くるぶし”の位置に持ち手が来る長さが適切です。

大転子

出典  https://kansetsu-life.com/comm_dict_pro/result.html?l=%E5%A4%A7%E8%BB%A2%E5%AD%90

杖先ゴムは、杖が滑るのを防ぐ大切な役目をしています。杖先ゴムの減り具合にも注意を払う必要があります。

杖歩行の動作と介助のポイント

  1. 健側の手に杖を持ち、足の外側に杖を出す。
  2. 患側の足を出す。
  3. 健側の足を出す。このとき筋力のある方の足が浮くので、しっかり体重をかけられる杖の位置が重要です。

階段を降りる場合も動作は同様です。階段を上る場合は②で健側を先に出し、健側に力を入れて、患側を持ち上げるような感じで上ります。

介助位置は、

  • 歩行時患側後方
  • 階段を上る時患側の後方
  • 階段を下りる時患側の前方

ただし、歩行時でも前のめりに倒れやすいなど個人的、環境的な特徴がある場合は前方で支援する場合もあります。

まとめると基本は杖ー患側ー健側ですが、階段を上る場合は杖ー健側ー患側となります。

歩行を補助する福祉用具

手すり

「一人で歩行できるが、安定性に欠ける、疲れやすい」などの状況で利用します。支持性が高く、転倒予防に効果があります。床から75~80cmのところに設置、直径は32~36程度が適切とされています。

シルバーカー(歩行車)

歩行バランスの不安定な高齢者に適しています。歩行の補助以外にも、荷物を運搬できたり、座って休憩できる機能もあります。

歩行器

歩行器

杖に比べ、支持性・安定性が高い。フレームを左右交互に動かす交互式歩行器と、歩行器自体を持ち上げて動かす固定式歩行器があります。

T字杖

T字杖

最もよく使われています。比較的少ない支持で歩行が可能な場合に使用します。

ロフストランドクラッチ(前腕固定杖)

ロフストランドクラッチ

杖上方の前腕支えと握りの2か所で支持することで安定性がよくなり、上肢の力を有効に使うことができるため、握力の弱い人などに適しています。

プラットホームクラッチ(前腕支持型杖)

プラットホームクラッチ

出典  http://www.fukunavi.or.jp/fukunavi/kiki/tsue/tsue_03.html

リウマチ杖とも呼ばれます。腕で体重を支えるため、リウマチや手指・手関節に強い負荷をかけられない場合や、障害があり自由に伸ばせない肘関節などに伸展制限のある関節炎患者などに有効な杖です。

多点杖・ウォーカーケイン

多点杖ウォーカーケイン

多点杖やウォーカーケインは、支持面積が広く、手を放しても杖自体が立っているので、立位や歩行時のバランスが悪い場合に用いられます。

利用者の状態に応じた移動・移乗に関する生活支援技術

短下肢装具

短下肢装具

下腿部より足部までの装具で、足関節の動きを制御するためのものです。適応例としては、脳卒中による片麻痺腓骨神経麻痺(※)などによる下垂足(足首以下が下に垂れている)等に使用します。以下のような歩行状態の時に短下肢装具が用いられます。

  • 足を踏み出す時につま先でつまずく(下垂足
  • 足を着こうとするときに、つま先が固くなり、内側へ向いて、踵が床にしっかりと着かない(内反尖足(※))。
  • 膝が不安定でガクガクする。

腓骨神経:腓骨神経のはたらきは、足首や足指を持ち上げ(背屈)、下腿外側の皮膚感覚を支配することです。

尖足

出典  https://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA03060_03

尖足:足関節が底屈,拘縮して背屈できなくなった状態です。アキレス腱などの拘縮によって足関節が底屈位に変形する状態 (爪先で立つように足首が伸びた状態)

短下肢装具を装着する場合は、膝を曲げ、ふくらはぎの筋をリラックスさせてから行うと、足が尖足位にならず装着しやすくなります。具体的には、いすに座り膝を曲げて装着するとよい。

スライディングボード

スライディングボード

出典  https://www.scrio.co.jp/fs/kaigo/1925

座ったまま横移乗補助に用いる板です。表面を滑りやすい素材にして臀部の摩擦を最小になるように考えられています。立ち上がりが困難もしくは下肢に体重をかけてはいけない場合に、ベッドから車いす、車いすから便座、車いすから自動車などへ座った姿のまま移乗させるときに用います。

スライディングシート

スライディングシート

出典  https://helpal.jp/article/2095/

摩擦の少ない滑りやすい生地で、体の下にいれることで、スムーズにベッド状を移動させることができます。介護者の負担軽減になります。

回転移動盤

回転移動盤

回転移動盤は、移乗の際に利用者の足底に置き、方向転換をするために使用する福祉用具で、立位後、方向転換が困難な場合に活用できます。

ガイドヘルプ

視覚障害者手引き歩行は、ガイドヘルプなどといわれます。

手引き歩行を始める合図として、介護者は声をかけながら手の甲で視覚障害者の手の甲に触れます。基本姿勢は、介護者の肘の少し上を利用者に握ってもらい、介護者が利用者の半歩前を歩きます。歩くペースは利用者に合わせ、周囲の状況を説明しながら歩きます。階段の昇り降りは、一度停止し、利用者が足先で階段の縁を確認してからゆっくり昇り降りします。

視覚障害者の乗り物の乗降の支援

  • バス
    介助者は先に乗り、先に降りて介助する。
  • 電車
    介助者は先に乗り、先に降りて介助する。
  • エスカレーター
    介助者は先に乗り、先に降りて介助する。
  • 乗用車
    介護者は後で乗り、先に降りて介助する。タクシーなど乗用車の場合は、屋根に頭をぶつけないよう高さの確認をしてもらう必要があるので、介助者は後で乗ることになります。

視覚障害者から一時離れるときには、などに触れる位置まで誘導する

点字ブロック

点字ブロック、視覚障害者が移動するための補助的な役割を果たします。歩道や駅のホーム等で、進む方向、安全確認のため設置されています。視覚障害者は、駅のホーム等に対して点字ブロックの内側に位置するようにします。

白杖

白杖は、視覚障害者の歩行補助具としてよく使われるもので、障害物を確認しながら歩行するために使います。直杖式、スライド式があります。

パーキンソン病の利用者

パーキンソン病では、姿勢反射障害によりバランスがとりづらく転倒しやすい。そのため、一度足を引いてから歩き出してもらうと、一歩目が踏み出しやすくなります。

食事に関する生活支援技術

片麻痺のある人のベッド上での食事介助

患側の肩の部分にクッションや枕などを差し込み、健側をやや下にし、介助は基本的に健側から行うようにします。これは患側にいく量を減らし、患側に食塊をため込んでしまうことを予防するためです。

誤嚥しにくい食物

誤嚥しにくい食物としては、

  • ヨーグルト
  • ゼリー
  • プリン
  • 煮こごり
  • とろろ

などの滑りがよいもの、とろみのついたものやソフト食などがあります。口腔や咽頭を通過するときに変形しやすく、粘膜にくっつきにくいものが望ましいとされています。

一方、誤嚥しやすい食物としては、

  • 生卵
  • こんにゃく
  • みそ汁

どがあります。水分を多く含むものは誤嚥しやすいため注意が必要です。

嚥下障害がある場合の食事介助の留意点

  • 意識がしっかりしているときに食事をしてもらう。
  • 飲み込むときにに首を曲げるようにして顎を引いた姿勢で「ごっくん」と飲み込むようにする。
  • 一口あたりの摂取量は少量にする。
  • 状態をよく観察し、少しでも危ないと思ったら中止し、様子を見る。
  • 利用者の目線より高い位置からの食事介助は、目線があがることで顎もあがるため誤嚥しやすくなる。
  • 食事の温度は、体温と同程度だと刺激が少なく嚥下反射が起こりにくいため、体温よりも少し冷たいか温かくする

視覚障害者に対する食事介助

視覚障害者に対して、食卓の上の食器(料理)の位置を説明するため時計の文字盤にたとえる方法をクロック・ポジションといいます。

クロックポジション

出典  https://aegisc.com/care/handout/clock/

骨粗鬆症予防

骨粗鬆症を予防・改善する食事として、カルシウムビタミンDビタミンKを多く含む食品を摂るとよい。また、骨粗鬆症の発症は、女性ホルモンの減少と関係があり、豆類に多く含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た構造をもっていることから、豆類を摂取することは骨粗鬆症の改善につながります。
骨粗鬆症を予防する栄養素を多く含む食品(下表)

栄養素多く含む食品
カルシウム牛乳、小魚、ひじき
ビタミンD卵、乳製品、魚、しいたけ
ビタミンK緑黄色野菜、納豆
イソフラボン豆類

入浴・清潔保持に関する生活支援技術

入浴・シャワー浴の留意点

入浴前

  • 水分摂取をする。
  • 湯温を介護職の手で確認する。(湯温の目安としては、40℃程度が適温とされています)
  • 排泄を済ませる。
  • 利用者に入浴の意思を確認してから体温、血圧などの健康状態をチェックする。
  • 消化能力の低下を招かないように食事直後は避ける。
  • 低血圧にならないように空腹時などは避ける。

入浴中

  • シャワーやかけ湯では、介護職の手で温度を確認し、からだの抹消から中枢の順に湯をかける。
  • 湯につかる時間は5~10程度とする。
  • 顔色や表情に注意して、疲労がないよう声をかける。
  • 手や足はできるだけからだの中心部に向かって洗うようにする。
  • 洗髪は、シャンプーを手で泡立ててから髪につけ、頭皮をマッサージするような要領で、手指のでこするようにし爪は立てない

入浴後

  • 体調をチェックする。
  • 水分を補給し、保湿と安静に配慮する。
  • 爪を切る(爪がやわらかくなっているので、必要であれば)

浴室での事故

12月から2月の厳寒期に集中しています。低血圧の人は、起立性低血圧(立ちくらみ)に注意し、高血圧の人は血圧が変動しないよう注意する必要があります。
脱衣所と浴室の温度差大きい場合、利用者はヒートショックを受けて、血管が著しく伸縮し、血圧が急激に上昇したり下降したりすることがあります。このような血圧の急変動は、脈拍数の急増や心筋梗塞、脳血管疾患などを引き起こす可能性があり、急死を招く場合もあるので注意を要します。
心疾患のある利用者の場合は、浴槽内の水位は心臓よりにします。

片麻痺がある利用者の入浴介助の留意点

  • 患側では、知覚が低下し、湯温を正確に知覚できないので、かけ湯は健側から行う。
  • 介護者は患側に位置して移動を介助する。
  • 一段以上の段差がある場合には、健側から上がり、患側から下がる(階段の昇降と同じ)。
  • 浴槽への出入りの原則は、健側から行う。健側から入ることによって浴槽の温度が自身で確かめられるし、浴槽内での足の踏ん張りもきくため。
  • 浴槽から出る場合には、いったん浴槽の縁バスボード(※)に座る。

※バスボード:浴槽への出入りの際、腰かけて出入りでき、立位の時間を減らし転倒のリスクを減らすことができます。

バスボード

足浴・手浴

足浴は、足先だけでなく膝に近い下肢全体を湯につけて洗うと全身の爽快感を得られ、安眠効果があります。血液循環の悪い人にとっては、循環促進効果があります。膝から上をタオルケットで覆い、不必要な露出は避ける。湯温は37~39くらいのぬるめがよい。
手浴は、日常生活習慣を維持し、汚れなどを除去することで爽快感を得られ、血液循環の改善や2次感染の予防を図ることができます。また、麻痺側を温め指を動かすことで拘縮の予防にもつながります。
座位が可能な場合は、いすやベッド脇に座り、端坐位手浴・足浴を行います。背面離床や座位がとれない寝たきりの人の場合や、立位や座位がとれる人でも病気や体調の状況によってはベッドの上で、仰臥位の姿勢で行う場合もあります。
手浴・足浴とも、利用者の状態を観察し、その利用者にあった時間で実施することが大切です。長時間の実施は体調変化を生じる場合もあるため、5~10程度が望ましい。

洗髪

洗髪は、頭部の皮膚と髪の毛を洗うことで汚れを取り、頭皮を刺激し爽快感を与え、血行促進毛髪の成長を促す効果があります。頭皮や髪の毛は、代謝により汗や皮脂、埃で汚れやすく、かゆみやにおいの原因になり、周りの人に不快感を与えます。

洗髪介助のポイントは、以下のようなものがあります。

  • 洗髪の前に、ブラッシングをして、汚れやふけを浮き上がらせておく。
  • 洗髪は、指ので頭皮をもむようにシャンプーする。
  • シャンプーの泡を取り除いてから、泡を流す。
  • 洗髪後にドライヤーをかけるときは、熱風を地肌に当てず、少し離して乾かす。

清拭

入浴できないときには、タオルなどを用いて身体を拭く。これを清拭といい、全身清拭、部分清拭、陰部洗浄があります。清拭は疲労感が少なく爽快感が得られるほか、快眠を誘います。タオルの温度が適温になるように、タオルをつける湯の温度は55~60程度がよい。
清拭は、平均した圧力で滑らかに拭くことが大切である。四肢は、抹消から中枢に拭くのが原則である。次に、少し強めに拭いてせっけん分を十分に拭きとり、あとは乾いたタオルで拭くとよい。自分でできるところは自分で拭いてもらいます。
入浴の代わりとして行われることが多いので、利用者にとって快適であったかどうかを確認することが大切です。汗をかいている場合などは、石けんを用いたほうが利用者に爽快感があります。特に腋窩など発汗しやすい部分や褥瘡ができやすい背部、臀部などは毎日清潔にします。
部分清拭は、寝たきり状態で発汗が多い人や部分的に汚れた箇所を簡易に清潔にしたり、褥瘡になりやすい仙骨部位などの血液循環の改善目的で行います。褥瘡ができている場合は、医療職の指示のもとに必要箇所を清拭します。
四肢の清拭では、拭く部位に近い関節を介護者の手で下から支えると安楽に行えます。

もう少し細かく体の各部への清拭のポイントをみていきます。

胸部

広い範囲を拭くので、タオルが冷めないよう肌から離さずに拭きます。汚れのたまりやすい皮膚の密着している部分(腋窩、乳房の下側など)は、丁寧に拭きます。丸みのある個所(乳房・入党、へそ、腹部など)はしわを伸ばして、丸く拭きます。

腹部

の走行に沿うように、「」の字に拭くとよい。

目頭から目じりに向けて拭き、同じ面は二度使わないようにします。目やにはお湯を浸したガーゼや綿花、またはタオルで柔らかくしておくとふき取りやすい。

耳掃除では、しぼった温かいタオルで耳全体を拭く。耳垢は内側から自然に排出される作用があるため、介護福祉士は外耳の耳介と外耳道の手入れをします。このとき、綿棒は鼓膜を傷つけないように、目に見える範囲(入口から1cm程度)で入れるようにします。乾燥した耳垢は、綿棒を湿らせてから取ります。

耳の構造

https://baba3387.com/ear/03_gaijidouen.php

陰部・臀部

臀部は、周りの清潔なところから汚れを集め、外側から内側に円を描くように丸く拭きとります。陰部は、女性の場合には尿路感染症を予防するため、から後ろ尿道口から肛門)へ、男性の場合には汚れたがたまりやすい亀頭に配慮し、睾丸は裏のしわをのばしながら拭きます。

ストーマのある方の入浴に関して

腹腔内圧により湯が体内に入ることはないため、ストーマ装具をはずして入浴できますストーマ装具をつけたままの入浴も可能です。また、食後は腸の動きにより便が出ることもあるため、食後1時間は入浴を避けることが望ましい。
※ストーマ:手術によって新しくつけられた、尿や便の排泄の出口

腹水がある場合の入浴に関して

呼吸を圧迫しないように、水圧がかからないようにして入浴します。
※腹水:腹腔内に多量の体液が貯留した状態。腹水が貯留すると、横隔膜が押し上げられ、呼吸がしにくい状態となる。

血液透析を受けている場合

透析直後の入浴は出血や血圧変化を考慮し控える。

酸素療養中の場合

鼻カニューレをつけたまま入浴できる

排泄に関する生活支援技術

排泄介助における留意点

  • 言葉態度に配慮する。
  • 排泄が、誰にも気兼ねすることなくできる環境を工夫する。
  • 安全のためトイレに手すりなどをつける。
  • プライバシーを守りストレスにならないようにする。
  • 便器、尿器を選ぶときは、排泄障害に合わせる。
  • 排泄時の姿勢は座位がよい。
  • 排泄物を観察し、異常があるときは医療職へ連絡する。
  • 排泄を失敗した場合には、失敗をとがめず、リラックスしてもらい、自信喪失にならないように注意する。

排泄介助における自立へ視点

  • 羞恥心の理解と人間としての尊厳を尊重する。
  • 介護負担を軽くする合理的な技術を身に付ける。
  • 尿意・便意があり、座位が保持できれば基本的にトイレを使用する。移動できない場合は、便器や尿器を段階的に考える。
  • 排泄は、利用者の自然な動きを活用するため、できるだけ座位で行う。
  • 介護用品や補助用具を上手く使う。
  • 身体機能を活かせる衣類を選択する。
  • 利用者の排泄リズム・習慣を活かす。
  • おむつは最後の手段とし、どうしても必要な場合は利用者の尿量や生活スタイルに合ったものを使用する。

ポータブルトイレ

ポータブルトイレを選ぶための具体的な基準は、

  • 安定感があること
  • 身体機能に合った肘かけや背もたれがあること
  • 足を引くスペース(蹴こみ)があって立ち上がりやすいこと
  • 手入れがしやすいこと

などがあります。
ポータブルトイレの種類として、プラスチック製品は軽量で持ち運びが簡単ですが、安定性の見極めが必要です。木製いす型は重量があり持ち運びしにくいが、安定感があり、蹴こみがあるため立ったり座ったりしやすい。ベッドサイド設置型は、重量があり持ち運びしにくいが、座位移乗に適しています。
ポータブルトイレを使用する場合は、ベッドにスイングアーム介助バーを設置すると移乗しやすい。

スイングアーム介助バー
スイングアーム介助バー

出典  https://www.customer-net.jp/letter/kaigobed/colu504.html

ポータブルトイレを使用した場合は、その都度速やかに片づけを行い、臭気を残さないようにする。

尿器

尿器は、尿意はあるが立位がとれない、立位を保つ体力がない、トイレへの移動が困難といった利用者がベッド上で排尿するための用具であり、女性用・男性用の区別があります。

尿器

男性の尿器使用の場合、性器を尿器の受尿口に入れるように伝え、入っているかを確認します。自分で入れられないときは介助することの了解を得て、使い捨て手袋をつけ介助します。手でしっかり尿器を持ってもらい、固定します。

女性の尿器使用の場合は、仰臥位で、尿が飛び散らないように両膝を閉じるようにしてもらいます。尿器の縁を陰部に密着させます。

差し込み便器

差し込み便器は、便意はあるがトイレへの移動が困難か、体力がない場合に、ベッド上で排便をする用具です。

女性の排尿に使用することもあります。

差し込み便器

男女とも差し込み便器を使用する場合には、肛門部が便器の中央にくるように注意します。便器による体への不要な圧迫感、違和感がないか確認します。腹圧をかけやすくするため、また直腸ー肛門角を排便しやすい鈍角にするために、ベッドの状態を上げるようにします。

直腸肛門角
図1:寝ている女性
図2:座位の男性

出典  https://www.kaigo-web.info/sp/kouza/maeuke/no2/

男性が差し込み便器を使用する場合には、尿意が同時にあることを想定し、尿器の準備もしておきます。差し込み便器の中央にトイレットペーパーを敷いておくと、片づけがスムーズに行えます。

おむつ

便意・尿意がわからない状態のときには、おむつを使用します。排泄の間隔を把握し、汚れたおむつはできるだけ早く交換することが重要です。また、片麻痺がある人のおむつを替えるときには、患側が下になる時間をできるだけ少なくするなどの配慮が必要です。おむつや失禁用パッドを使用していて、陰部に発赤等を確認した場合には、使用物品が皮膚に刺激を与えている場合を考え、物品の変更や排泄行為を再アセスメントし、利用者に適した介助を考えます

おむつと腹部の間には、指2本程度の余裕をもたせます。鼠径部をきつく締めると、下肢のかゆみやむくみの原因となります。紙おむつの腹部のテープは、上は下側へ、下は上側へクロスするようにとめる。

オムツクロス1オムツクロス2オムツクロス3

出典 排泄ケア情報局

おむつ交換時の介助にあたっては、感染対策の基盤となるスタンダード・プリコーション(標準予防策)の原則から使い捨て手袋を使用します。排泄物および付着した部分を素手で触らないようにし、汚れたおむつは汚れを内側に丸めて片づけます。

下痢

下痢は、水分電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム等)が失われるため脱水症状を起こしやすいので、注意が必要です。脱水予防のため経口摂取が可能であれば、白湯、室温のスポーツドリングを100mlくらいずつ補給します。食事は下痢が止まってからおかゆなどから始め、冷水、牛乳、炭酸飲料、脂肪は避けます。
腹部症状のほかに

  • 尿量
  • 皮膚の状態
  • 意識状態(ぼんやりしていないか)

に留意します。

下腹部への温刺激は交感神経を刺激し、腸蠕動を鎮静させます。

下痢の水様便は消化酵素を含み、肛門周囲の皮膚に炎症を起こしやすいので、排便後は洗浄または肛門清拭剤をつけた柔らかいティッシュで押し拭き、きれにします。

膀胱留置カテーテル

膀胱留置カテーテルの装着者には、尿路感染の徴候(発熱、尿混濁や浮遊物)や膀胱結石、潰瘍の発生の徴候(尿の混入物、血尿)の観察を十分に行う必要があります。尿路感染症の予防のために、陰部の清潔に努め、1日1500~2000mlの飲水を勧めます。畜尿バッグは、尿の逆流を防ぐため膀胱よりも高い位置にならないようにしなければなりません。

畜尿バッグ膀胱留置カテーテル

出典 看護roo!

家事に関する生活支援技術

嚥下困難のある利用者の場合

嚥下困難のある利用者の場合、極刻み食は口の中でまとまりが悪く、むせやすいこともあります。果物はゼリー状にするとよい。
食品を凝固させるためには、次のようなものがあります。

  • ゼラチン
    ゼラチンは、水でしっかりふやかしてから、50~60℃位の湯で溶かします。
  • 片栗粉
    片栗粉水で溶いてから加えます。
  • 寒天
    寒天は、常温で固まる性質があります。
  • 増粘剤(とろみ剤)
    増粘剤(とろみ剤)は添加後、しっかりかき混ぜて提供します。すぐにかき混ぜないとダマになり、きちんと溶けなくなってしまいます。
  • ペクチン
    果物等に含まれ、により固まる性質をもつもの(ハイメトキシルペクチン)と、カルシウムマグネシウムなどと反応して固まるもの(ローメトキシルペクチン)があります。
    具体的な例をあげると、フルーチェが固まるのもこのペクチンの性質です。フルーチェのペクチンと牛乳のカルシウムの働きで固まります。

動脈硬化予防の食事

動物性脂肪の摂りすぎに注意し、過剰なエネルギー摂取を避けるようにします。減塩を心がけ、食物繊維を摂取して栄養のバランスに留意します。
いわしやさばのような青魚または血合いの多い魚の油は、コレステロールの除去に効果があり、血栓・動脈硬化予防になります。

腎機能障害の人の食事

たんぱく質の制限

食事たんぱくは老廃物の一種である窒素代謝物を作ります。正常な腎機能であれば、それを処理するのに十分な糸球体があります。しかし腎機能が低下していると、残った糸球体1つ1つがその能力を超えて処理をしようとします(糸球体過剰濾過)。この状態は長くは続かず、徐々にそれぞれの糸球体の濾過機能も落ちてきてしまうと考えられています。その負担を軽減するために行われるのが食事たんぱくの摂取制限です。


たんぱく質の制限を行うと、その分の摂取カロリーが減ります。カロリー不足になると、人間は筋肉から痩せていきます。筋肉はたんぱく質であり、それが分解されるということは「自分の肉を食べている」(蛋白異化亢進)ことになり、むしろ窒素代謝物が増えて、上述の糸球体過剰濾過に拍車をかけてしまうことになる。 そこで、たんぱく質以外の栄養素である「糖質」と「脂質」でカロリーを補給する。

塩分の制限

高血圧に対しては、早くから塩分制限を指導されています。しかし、腎臓病では、それも含めて、人間の「体液量」の観点から「塩分制限」を行います。
人間の体の60%は電解質(塩分やカリウム)などを含んだ体液からできています。その体液量を調節しているのが塩分であり、その排泄を担っているのが腎臓です。したがって、腎機能が低下すると塩分の排泄機能が鈍り、塩分を摂りすぎると排泄できずに体に溜まります。
もともと塩分は水と一緒になるので、それが「体液(塩水)」として体に溜まり(体液過剰)、むくみ(浮腫)高血圧をもたらし、さらに進めば、心不全、肺水腫にもなります。 具体的に、塩分は1日6g以下を目標にします。

カリウムの制限

腎機能が低下すると、電解質の1つであるカリウムの排泄も減少し、「高カリウム血症」が認められます。したがって、カリウム制限が必要になります。
カリウムを多く含む食品は、

  • バナナ
  • イモ類
  • 牛乳
  • 肉・魚
  • 白菜
  • キャベツ

などがあります。

なお、カリウムは細胞の中に存在し、水やお湯に溶けるので、野菜などは小さく切って「湯でこぼし」「流水にさらす」などを行い、カリウム成分を除くことができます。したがって、野菜は下ゆでし、サラダはホットサラダにすることでカリウムの摂取を減らすことができます。

被服の組成

繊維は原料の種類等により、天然繊維化学繊維に大別されます。また、吸湿性の大小から、吸湿性の大きい親水性繊維(天然繊維・再生繊維)と吸湿性の小さい疎水性繊維(半合成繊維・合成繊維)に分類できます。

親水性繊維は、

  • 綿
  • レーヨン
  • キュプラ など 

疎水性繊維は、

  • アセテート
  • ポリエステル
    布が編物の場合には、通気性速乾性があり涼しい。織物の場合、織り方により気密性が高くなっている布は、エアコンを使用した部屋では涼しいが、屋外では蒸し暑く感じる場合があります。
  • アクリル
    保湿性あり、毛に似た風合いがあります、しわになりにくい、軽く柔らかいという特徴があります。一方で、吸湿性小さく静電気が起きやすい弱い毛玉ができやすいという特徴もあります。

ドライクリーニング

乾式洗濯ともいい、水ではなく有機溶剤で洗濯するもので、油性の汚れを落とすのに適しています。毛や絹など水分を含むことで膨潤し型崩れする衣類の洗濯に適する方法です。

漂白剤

漂白剤には、酸化漂白剤酸素系漂白剤・塩素系漂白剤還元漂白剤があります。

酸素系漂白剤

水洗いできる白物、色物柄物の繊維製品(木綿、麻、)に用いることができます。冷水より温水のほうが早く効果がでます。

塩素系漂白剤

綿・麻・アクリル・レーヨン・ポリエステル・キュプラの白物のみに使用できます。効力の強い塩素系漂白剤は、殺菌効果は高いが布も傷めやすく、には使用できません。酸性タイプのものと混ぜると有害な塩素ガスが発生するので危険です。

介護職におなじみのキッチンハイターはこの塩素系漂白剤です。

還元漂白剤

すべての白物衣料に使えます。酸化漂白剤で落ちないしみが落とせる場合があります。たとえば、鉄サビなどは酸化が進んだものの典型例で、還元の酸素を奪うはたらきでキレイにできます。

漂白剤の洗濯表記

洗濯物の干し方

ほとんどの服はハンガーなどにかけて吊り干しするのが基本ですが、セーターやニットなどハンガーだと生地が伸びて傷む可能性がある場合は平干しで乾かします。洋服を平たく寝かせるので負担が分散した状態で乾かせるのが1番の特徴です。通気性のいい「平干しネット」と呼ばれる専用の商品が販売されています。また、脱水や絞りを行わずに干すことを濡れ干しといいます。

平干しネット
平干しネット
洗濯物の干し方表示

家計の管理

認知症が進行し始めると、金銭管理が困難になってきます。介護福祉士は、金銭を預かることはできませんが、利用者に簡単な家計簿をつけることを勧めたり、不必要なものを購入しないように助言したり、一緒に考えることはできます。金銭管理が困難な状況になっているときは、自治体などへつなぎ、成年後見制度日常生活自立支援事業の利用を検討することもできます。

成年後見制度と日常生活自立支援事業については、詳しくはこちらの記事を読んでみてください。
成年後見制度とは|日常生活自立支援事業との違いも解説

終末期の生活支援技術

死に直面した利用者は、少なからず死に対する不安を抱いています。利用者を見守る家族も不安を抱いている場合が多い。そこで、介護福祉士は、死に直面した利用者のつらさ、苦しみに共感し、最後までともに歩んでいくことになります。


死が近づくと、バイタルサインが変化し、身体的苦痛が増強します。介護福祉士は苦痛緩和のため、呼吸が楽になる体位の工夫など、医療職と連携し計画を立て実践します。
終末期で食欲が低下した利用者に対しては、嗜好を重視した介護を行います。


意識がもうろうとして飲み込みが悪くなったら、窒息を予防する意味で、無理に水分は与えない。口腔内の乾燥がある場合には、水を含ませたガーゼ等で口の中を湿らせる。義歯があればはずして水につけておく。

苦痛緩和の方法

体位の工夫

  • 同一体位による圧迫を最小限にするため、振動を与えないように体位変換を行う。
  • 呼吸を楽にするため、体位や枕の位置を工夫する。呼吸が楽な体位としては、半座位などがよい。
  • を曲げた体位は腹筋と下腿筋の緊張を緩和できる。
  • 痛みのある部位はにする。
  • 呼吸状態を確認しながら必要であれば枕をはずし、気道が開きやすい姿勢にする。

倦怠感等への工夫

  • 手足をマッサージする。
  • 下肢への冷感には湯たんぽの使用や、ゴムのきつくない靴下等で保温する。
  • 好きな音楽を流す。

臨終時の介護

独居高齢者の死に立ち会った場合には、主治医や家族がいれば連絡をします。チームアプローチの体制がない、主治医がいないなどの場合には、近くの病院警察に連絡をします。
死後のケア(エンゼルケア)は、家族等が利用者と十分にお別をしてから行う。家族等が一緒に行う事もあります。
死後のケアを行う目的としては、身体をきれいにすることで死によって起こる外観の変化を目立たなく、その人らしく整えることにあります。死亡診断が出された後、死後硬直が起こる1~2時間までにケアを終了します。

グリーフケア

終末期ケアにおいては、家族も悩み苦しんでいるため、家族を単に介護する人としてみるのではなく、ケアの対象者として位置づけます。
終末期の家族への援助では、介護負担を考慮しつつ、家族に悔いが残らないように、利用者とともに過ごす時間や、介護する時間がもてるように支援します。家族の悲しみや苦しみに共感し、話を十分に聞くことが大切です。
家族支援には、利用者がなくなった後のグリーフケア(遺族ケア)も含まれます。グリーフケアでは死別後の家族が悲嘆作業・喪の作業(グリーフワーク)を十分に行い、新しい出発ができるように支援します。

死の捉え方

生物学的な死

生命維持活動を行ってきた生体のすべての生理機能が停止し、回復不可能な状態をいいます。

法律的な死(脳死)

脳の機能がほぼ完全に失われ回復不可能な状態です。人工呼吸器などで心臓を動かし続けたとしても、数日後には生命徴候である呼吸・循環器の機能が停止します。

死亡は、医師が死を診断した時点をいいます。医師が死亡を確認するまで死亡とは認められません。家族を含め、死亡が確認されるまで、からだに触れることは違法行為となります。
死亡前24時間以内に医師が診察している場合には、改めて診察をしなくても死亡診断書を作成できます。それ以外で医師が立ち会えない死の場合、医師は死亡診断書を書くことはできず、異常死として警察に届け、死体検案が必要になります。

死の三大徴候

  1. 心停止
  2. 呼吸停止
  3. 瞳孔散大

生存に最も重要な心臓(循環)、肺(呼吸)、脳(中枢)の三大臓器すべての機能が停止したことによって判断します。

尊厳死

尊厳死とは、人としての尊厳を保ちながら死を迎えることです。人為的な栄養や人工呼吸器など医療装置につながれて、延命だけを目的とすることを拒むもので、事前に本人の意思を確認しておくことが重要です。

リビングウィル

どこで、誰と、どのように、最後を迎えたいのか、終末期の過ごし方や医療処置(救急蘇生や生命維持装置など)についてなど、本人の意思を事前に書面(遺書)に残すことをリビングウィルといいます。

終末期から危篤、死亡時のからだの理解

終末期では、循環機能の低下により、尿量減少傾向となります。また下肢から浮腫が現れるようになります。空腹口渇感も感じにくくなります。

呼吸の変化

呼吸運動は、脳の延髄が司っています。終末期では、血圧の低下により、血液が延髄まで運搬されないため、酸素や栄養の不足となり呼吸運動が維持できなくなります。
終末期の呼吸の変化では、呼吸の間隔が不規則で深さも乱れてきます。呼吸が浅くなると、脳も低酸素状態になり、体内モルヒネが分泌されるため苦痛が和らいできます。

死の直前の呼吸変化には次のようなものがあります。

  • チェーンストークス呼吸
    10~30秒ほど呼吸がとまり、浅めの呼吸からゆっくりと深く大きな呼吸へ、というリズムを繰り返す。
  • 肩呼吸
    息をするたびに肩を動かして、一生懸命呼吸しているような、本当に肩で呼吸をしているかのようにみえる。
  • 下顎呼吸
    下顎を魚のように、パクパクと動かしてする呼吸で、死が数時間以内である場合に多くみられる。
  • 鼻翼呼吸
    小鼻が開いて呼吸する状態。少しでも酸素を取り込もうとしているための呼吸
  • 死前喘鳴
    死に直面している場合や衰弱した状態で喀痰を自力で出せない場合に、分泌物が下咽頭にたまり喉の奥で、ゼロゼロ、ヒューヒューという音を発しながら呼吸することをいいます。この状態になると、意識は低下しているので本人は苦痛でないことが多い。

死後の身体的変化

死亡すると、体は徐々に体温を失います。からだの循環は停止するため、血液が体の下になる部分にたまり、暗紫色の斑点を生じます。これを死斑といい、死斑は死後20~30くらいから始まり、8~12時間で最大となります。
死亡により体の筋肉は弾性力を失い、関節は固まった状態となります。筋肉が硬化する状態を死後硬直といい、死後2~4時間で始まり、半日程度で全身に及び、30~40時間で硬直が解け始めます。死後硬直は温度等の環境に影響を受けます。

死に対するこころの理解

キューブラー・ロスの5段階モデル

キューブら―・ロスは、死を受容する過程を以下のように5段階に理論化しました。

  1. 否認
    死の運命の事実を拒否し否定する段階(死の宣告のショックに対する自己防衛)
  2. 怒り
    否定しきれない事実を宿命だと自覚した段階(「なぜ私が」という問いかけと怒り)
  3. 取引
    奇跡への願いの気持ちを表す段階(信仰している神へのお願いなど)
  4. 抑うつ
    気持ちが滅入ってしまう段階(精神的な落ち込み)
  5. 受容
    死を受容し、こころにある平安が訪れる段階(静かに受け入れられるようになる)

キューブラー・ロスの受容までの5段階は一方向ではなく、必ずしもこのとおりにたどるものではありません。これまでの生活歴、家族歴、死生観などにより、死への恐怖心や不安の理由がそれぞれ異なるように、受容までのプロセスも多様です。

大切な人の死を受容する段階

大切な人との死別後の悲嘆を乗り越え、家族が再び自分の人生を歩んでいけるかどうかは、終末期のかかわり方が大きく影響します。介護福祉士には、家族が利用者の死を受容できるための援助が求められます。

大切な人の死を受容するプロセス
  • さまざまな感情

    孤独感、罪悪感、怒りなど

  • 死が間近なことを実感する
  • 心の準備
  • 死別後の悲嘆
  • 受容

悲嘆反応の種類

身体的反応睡眠障害、食欲減衰など
情緒的反応悲しみ、怒り、孤独感、罪責感など
知覚的反応非現実感、幻覚など
行動的反応混乱、動揺、探索行動(※)など

探索行動:探しても見つからないことはわかっていても、故人にかかわりの深い場所に行くなどして、故人を探そうとする行動。

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