障害者総合支援法をわかりやすく解説

社会の理解

介護福祉士国家試験では、障害者総合支援法に関連する出題が毎年3,4問あるので重要です。

障害者自立支援法が改善され、障害者総合支援法になったという経緯があるので、障害者自立支援法の解説からはじめていきます。

  1. 障害者自立支援制度創設の背景および目的
    1. 障害者自立支援法制定の背景
      1. 措置制度
      2. 利用契約制度
    2. 障害者自立支援法から障害者総合支援法へ
      1. 基本理念の創設
      2. 障害者の定義の拡大
      3. 障害程度区分から障害支援区分へ変更
      4. 重度訪問介護の対象者を拡大
  2. 障害福祉サービス
    1. 介護給付の支給対象となる障害福祉サービス
      1. 居宅介護(ホームヘルプサービス)
      2. 重度訪問介護
      3. 同行援護
      4. 行動援護
      5. 重度障害者等包括支援
      6. 短期入所(ショートステイ)
      7. 療養介護
      8. 生活介護
      9. 施設入所支援
    2. 訓練等給付の支給対象となる障害福祉サービス
      1. 自立訓練(機能訓練・生活訓練)
      2. 就労移行支援
      3. 就労継続支援(A型)
      4. 就労継続支援(B型)
      5. 就労定着支援
      6. 共同生活援助(グループホーム)
      7. 自立生活援助
    3. 自立支援医療費の支給対象となる障害福祉サービス
      1. 育成医療
      2. 更生医療
      3. 精神通院医療
    4. 相談支援(地域相談支援と計画相談支援)
      1. 基幹相談支援センター
      2. 地域相談支援
      3. 計画相談支援
      4. 一般相談支援事業と特定相談支援事業
    5. 地域生活支援事業
      1. 市町村地域生活支援事業の一例
      2. 都道府県地域生活支援事業の一例
  3. 障害福祉サービスの利用の流れ
  4. 障害者自立支援制度における組織、団体の機能と役割
    1. 国の主な機能・役割
    2. 都道府県の主な機能・役割
    3. 市区町村の主な機能・役割
    4. 障害者総合支援法が定める「協議会」
  5. 障害者総合支援法の改正の歴史
    1. 2016年(平成28年)の障害者総合支援法の改正のポイント(施行は2018(平成30)年)
      1. 障害のある人が望む地域生活の支援
      2. サービスの質の確保・向上に向けた環境整備

障害者自立支援制度創設の背景および目的

障害者自立支援法制定の背景

社会福祉基礎構造改革による2000(平成12)年社会福祉事業法(現・社会福祉法)の改正などによって、障害者分野の福祉サービスが、行政処分によってサービス内容を決定する措置制度から利用者が事業者との対等な関係に基づいてサービスを選択する利用契約制度に転換することになりました。

措置制度

措置制度は、福祉サービスを必要としている人に対して、行政が必要性を判断して利用者のサービスを決定します。

公平という観点からサービスを提供する点では優れていますが、利用者の主体性を尊重するシステムにはなっていないため、福祉サービス利用の主体は利用者自身であるという新しい福祉の考え方にはなじまないとされました。

利用契約制度

契約制度では利用者が自らの意思でサービスを選択します。

障害者が福祉サービス利用の主体となり、サービスを提供する指定業者・施設と直接契約し、国や地方自治体が必要な額を「支援費」として支給する支援費制度が制定されました。

このような流れの中、

  • 障害者施策を利用者本位のサービス体系にする
  • 支給決定の透明化
  • 安定的な財源の確保

といった視点から障害者自立支援法が制定され、2006(平成18)年から段階的に施行されることとなりました。

障害者自立支援法から障害者総合支援法へ

障害者自立支援法が利用者の費用負担増などが問題となって生まれ変わったものが障害者総合支援法2013年の四月から段階的に施行されている)です。障害者自立支援法から障害者総合支援法になり改善されたポイントが大きく分けて4つあります。一つずつ見ていきます。

基本理念の創設

障害者総合支援法では第1条2項基本理念が加えられました。住み慣れた場所で必要な支援を受けられることや、社会参加の機会の確保、どこで誰と暮らすかの選択社会的障壁の除去など障害のある人が保障されるべき権利がより明確になり、障害の有無によって分け隔てられることのない「共生社会」を目指す方向性が示されました。

障害者の定義の拡大

障害者自立支援法では支援の対象が、

  • 身体障害者
  • 知的障害者
  • 精神障害者(発達障害を含む)

に限定されていましたが、2012(平成24)年の改正で新たに難病等が加えられました。

  • 2013(平成25)
    支援の対象は130疾病
  • 2019(令和元)
    支援の対象は361疾病

支援の対象となる疾病は大幅に増加してますね。

障害程度区分から障害支援区分へ変更

障害者自立支援法では日常生活が「できる」か「できない」で障害の程度をはかり、できる項目が多い=障害の程度は軽い、できる項目が少ない=障害の程度が重い、というように考えられており、実情と合っていない可能性のある区分となっていました。

障害者総合支援法では、生活環境などを踏まえ、どの支援をどの程度必要とするのかを市町村審査会などで考えられ、実情に合うように障害支援区分1~6が設定されました。

具体的な障害支援区分の決定プロセスは後で詳しく説明します。

重度訪問介護の対象者を拡大

障害者自立支援法では、重度の肢体不自由者のみが対象であり、知的障害者、精神障害者には「行動援護」が適応されていました。

障害者総合支援法では、身体障害者に加え、知的障害者精神障害者にも対象が拡大されています。

重度訪問介護の内容は後で説明します。

ここから障害者総合支援法に基づく障害福祉サービスを具体的にみていきます。

障害福祉サービス

障害者総合支援法では、自立支援給付(介護給付、訓練等給付、相談支援、自立支援医療、補装具など)地域生活支援事業の2つの支援が行われます。(下図参照)

障害福祉サービス等を利用した場合の負担については家計の負担能力に応じたもの(応能負担)を原則としています。

障害福祉サービスの体系

地域生活支援事業の中には、市区町村が主体の事業と、都道府県が主体の事業があります。都道府県は手話通訳士などの人材育成や都道府県内の広域な事業を担い、市区町村は障害のある人に身近な自治体として、移動支援や日常生活用具の給付、貸与といった利用者にサービスを提供する役割を担っています。

ここから以下の順に細かくサービス内容をみていきます。

  1. 介護給付の支給対象となる障害福祉サービス
  2. 訓練等給付の支給対象となる障害福祉サービス
  3. 自立支援医療の支給対象となる障害福祉サービス
  4. 地域相談支援計画相談支援
  5. 地域生活支援事業

介護給付の支給対象となる障害福祉サービス

訪問系のサービスは次の5種類です。

居宅介護(ホームヘルプサービス)

入浴、排泄または食事の介護など、居宅での生活全般にわたる援助サービス

重度訪問介護

【対象者】
障害支援区分が区分以上の重度の肢体不自由者又は知的障害もしくは精神障害により行動上著しい困難を有する障害者であって、常時介護を要する障害者とされている者(18歳以上の障害者を基本的に対象としています)

【サービス内容】
居宅における介護から外出時の移動支援までを行う総合的なサービスです。2016年の障害者総合支援法改正で、従来は居宅のみであった重度訪問介護の訪問先に医療機関が追加されたため、入院時もサービスが適用されるようになりました。

同行援護

視覚障害により移動に著しい困難を有する障害者・障害児を対象とした、外出時に同行して必要な視覚的情報の支援、移動の援護、排泄・食事の介護などを行うサービスです。

行動援護

障害支援区分3以上で知的・精神障害により行動上著しい困難があり、常時介護を必要とする障害者・障害児を対象とした、行動の際に生じ得る危険回避のための援護や、外出時の移動の支援などを行うサービスです。

重度障害者等包括支援

重度障害者包括支援の対象者は、常時介護を要する障害者等であって、意思疎通を図ることに著しい支障があるもののうち、四肢の麻痺及び、寝たきり状態にある者並びに知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有するものです。具体的には障害支援区分が区分以上の者です。
居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、生活介護、短期入所、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、自立生活援助及び共同生活援助を包括的に提供するサービスです。

日中活動系のサービスは次の3種類です。

短期入所(ショートステイ)

居宅においてその介護を行う者の疾病その他の理由により、障害者支援施設、児童福祉施設等への短期間の入所を必要とする障害者等につき、当該施設に短期間の入所をさせて、入浴、排せつ及び食事の介護その他の必要な支援を行うサービスです。障害支援区分1以上である障害者が利用できます。

療養介護

主として日中に病院などの施設で行われる機能訓練、療養上の管理、看護、医学的管理下での介護や日常生活上の援助などのサービスです。(18歳未満は児童福祉法に基づく施設給付の対象)。

【対象者】
病院等への長期の入院による医療的ケアに加え、常時の介護を必要とする以下の障害者です。
1.筋萎縮性側索硬化症(ALS)患者等気管切開を伴う人工呼吸器による呼吸管理を行っているものであって、障害支援区分が区分6の者
2.筋ジストロフィー患者又は、重症心身障害者であって、障害程度区分が区分以上の者

他にも細かい規定があるのですが、介護福祉士国家試験では、そこまで覚える必要はありません。

生活介護

常時介護を要する障害者を対象とした、主として日中に障害者支援施設などで行われます。入浴、排泄、食事の介護や、創作的活動または生産活動の機会の提供などを行うサービスです。(18歳未満は児童福祉法に基づく施設給付の対象)

施設系サービスは次の1種類です。

施設入所支援

施設入所者を対象とした、主として夜間に行われる、入浴、排泄、食事の介護などのサービスです。(18歳未満は児童福祉法に基づく施設給付の対象)

訓練等給付の支給対象となる障害福祉サービス

訓練や就労に関する6種類のサービスがあります。

自立訓練(機能訓練・生活訓練)

地域で生活するために必要な身体機能や生活能力の維持・向上を目的とした訓練を行うサービスです。身体障害のある人に対してリハビリテーションなどを行う「機能訓練」と、知的障害や精神障害のある人に対して食事や家事などの訓練を行う「生活訓練」があります。

サービスの長期化を回避するため、標準利用期間が設定されています

標準利用期間は、機能訓練が1年6か月。生活訓練が2年間(長期入院していた又はこれに類する事由のあ る障害者にあっては、3年間)と定められています。

就労移行支援

一般企業への就労を希望する人に、就労に必要な知識及び能力の向上のための訓練を行うサービスです。

サービスの長期化を回避するため、標準利用期間が設定されています

標準利用期間は2年間です。

あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう 師の資格取得と目的とする養成施設を利用する場合は 3年間又は5年間ですが、ここまで細かく覚える必要はありません。

就労継続支援(A型)

一般企業等での就労が困難な人に、一定の支援がある職場で雇用して就労の機会を提供するとともに、能力などの向上のために必要な訓練を行うサービスです。障害者は雇用契約を結び給料をもらいながら利用し、一般就労を目指します

就労継続支援(B型)

一般企業等での就労が困難な人に、就労する機会を提供するとともに、能力向上等のために必要な訓練を行うサービスです。通所して授産的な活動を行い、工賃をもらいながら利用します。障害者は就労の機会を得てA型、一般就労を目指します

授産所は障害を抱えた人々を他より隔離された環境において雇用する事業所や団体のことです。
また、授産活動は障害のある方々が、社会参加や就労という目的をもって、日中活動の中で取り組む、ものづくりや作業のことです。

就労継続支援A型とB型の違い

A型事業とB型事業の主な違いは雇用契約の有無、つまり事業者と利用者の雇用関係が成立しているかいないかという点です。A型事業の対象者は「通常の事業所で雇用されることは困難だが、雇用契約に基づく就労が可能な方」であり、B型事業の対象者は「通常の事業所で雇用されることは困難で、雇用契約に基づく就労も困難な方」ということになります。

就労定着支援

【対象者】
就労移行支援等の利用を経て一般就労に移行した方で、就労に伴う環境の変化で生活面の課題が生じている方。

【サービス内容】

  • 利用者の相談を通じて、生活面の課題を把握し、企業や関係機関との連絡調整や課題解決に向けた必要な支援を行う。
  • 生活リズムや家計、体調管理などの課題解決に向けて、必要な連絡調整や指導、助言を行う。

居住支援のサービスは2種類です。

共同生活援助(グループホーム)

主として夜間や休日、共同生活を行う住居で、相談、入浴、排泄、食事の介護、日常生活の援助を行うサービスです。

一般的には障害者が地域にあるアパートやマンション、一戸建て住宅などに4人以上で共同生活し、世話人によって家事や健康の管理などの支援、相談、または生活支援員により食事や入浴、排泄などの介護サービスを受けることができます。

日中は仕事に出たり、他の福祉サービスを提供する事業所に通ったりしています。

生活支援のサービスがついているシェアハウスのようなイメージです。

自立生活援助

【対象者】
障害者支援施設やグループホームなどを利用していた方で、ひとり暮らしを希望する方等です。

【サービス内容】
定期的に利用者の自宅を訪問して、

  • 食事や洗濯、掃除などの生活面で課題はないか
  • 公共料金や家賃などの滞納はないか
  • 体調に変化はないか、通院をしているか
  • 近隣や地域の方との関係は良好であるか

などを確認して、必要な助言や医療機関などの調整を行います。定期的な訪問だけでなく、相談や要請があった際には、訪問や電話、メール等で随時対応を行います。

自立支援医療費の支給対象となる障害福祉サービス

自立支援医療費は、育成医療・更生医療・精神通院医療に対して支給されます。

育成医療

身体に障害のある児童またはそのまま放置すると将来障害を残すと認められる疾患がある児童が、その障害を除去・軽減する効果が期待できる手術等の治療を行う場合の医療費を一部公費負担する制度です。18歳未満の児童が対象です。

更生医療

身体障害者が日常生活、職業生活に適合するために、身体の機能障害を軽減または改善するための医療に関する助成制度です。18歳以上の身体障害者手帳を交付された方で対象となる医療を受ける予定の方が対象です。

精神通院医療

精神疾患はゆっくりと少しずつ安定、改善していく疾患が多く、治療が長期に及び場合が多い。長期的な通院は経済的な負担が多いため、この負担の軽減を目的としているサービスです。精神科の病院または診療所に入院しないで行われる治療(外来、投薬、デイケア、訪問看護等)の自己負担額を軽減できます。

相談支援(地域相談支援と計画相談支援)

基幹相談支援センター

2010(平成22)年の障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)の改正で、相談支援の充実としてこれまでの相談支援の定義の見直しが行われ、基本相談支援(相談、情報提供、助言、連絡調整等の便宜を総合的に供与する)、地域相談支援および計画相談支援の3つに分けられました。また、この改正で、相談支援体制の強化を目的とした基幹相談支援センターが設置されました。基幹相談支援センターは地域における相談支援の中核的な役割を担い、相談支援事業、成年後見制度利用支援事業および身体障害者・知的障害者・精神障害者等にかかわる相談支援を総合的に行います。市町村またはその委託を受けたものが基幹相談支援センターを設置できます。

地域相談支援

障害者支援施設に入所している障害者や精神科病院に入院している精神障害者などに対して、地域生活への移行に向けた支援を行うもので、地域移行支援地域定着支援の2つがあります。

  • 地域移行支援
    障害者支援施設等に入所している障害者または精神科病院に入院している精神障害者等に対して、住居の確保や地域生活に移行するための活動に関する相談などを行うサービス
  • 地域定着支援
    居宅において単身で生活する障害者等に対して、24時間の連絡体制を確保し、障害の特性に起因して生じた緊急事態の際の相談などを行うサービス

計画相談支援

サービス利用支援継続サービス利用支援の2つがあります。

  • サービス利用支援
    障害者の心身の状況などを勘案し、サービス等利用計画案を作成し、支給決定等が行われた後に、支給決定等の内容が反映されたサービス等利用計画の作成など
  • 継続サービス利用支援
    サービス等利用計画が適切であるかどうかを一定期間ごとに検証し、その結果を勘案してサービス等利用計画の見直しを行い、サービス等利用計画の変更を行うサービス。

サービス等利用計画に関して補足説明しておきます。

障害福祉サービスの分野でのケアプランに相当するものがサービス等利用計画で、相談支援専門員(ケアマネとは別の職種)が作成します。そして介護計画(個別援助計画)に相当するものが個別支援計画であり、サービス管理責任者が作成します。
サービス管理責任者とは所定の障害福祉サービスの提供に係るサービス管理を行う者を言います。 具体的には、利用者の個別支援計画の策定・評価、サービス提供のプロセス全体を管理します。 所定の障害福祉サービスを提供するには、サービス管理責任者を配置する必要があります。

ケアプランや介護計画がよくわからない方は、こちらの記事を読んでみてください⇒ケアプランと介護計画(個別援助計画)の違い

一般相談支援事業と特定相談支援事業

  • 一般相談支援事業基本相談支援に加え、地域相談支援も行う事業。
  • 特定相談支援事業基本相談支援に加え、計画相談支援も行う事業。

地域生活支援事業

市区町村と都道府県が独自に行うサービスで、市町村地域生活支援事業都道府県地域生活支援事業があります。

具体的なサービスをいくつか例にあげておきます。

市町村地域生活支援事業の一例

  • 移動支援事業
    市町村地域生活支援事業の移動支援事業とは、障害者等が円滑に外出することができるよう、障害者等の移動を支援する事業です。移動支援は、厚生労働省が地域の自治体に委託をした業務であり、地域の特性や利用者の状況・要望に応じて実施されている。そのため、支援の方法、外出先の範囲から負担費用に至るまで、地域によってサービスの詳細はさまざまです。
  • 成年後見制度利用支援事業
    障害福祉サービスを利用しまたは利用しようとする知的障害のある方または精神障害のある方に対して、成年後見制度の利用について必要となる経費(登記手数料、鑑定費用等)及び後見人等の報酬等のすべてまたは一部について補助を行います。
  • 地域活動支援センター
    障害者等を通わせ、創作的活動または生産活動の機会の提供、社会との交流の促進その他の厚生労働省で定める便宜を図る施設です。

都道府県地域生活支援事業の一例

  • 広域的な支援事業
    市区町村域を越えて広域的な支援が必要な事業を行います。
  • 専門性の高い意思疎通支援を行う者の養成研修事業
    手話通訳者、要約筆記者、盲ろう者向け通訳・介助員の養成を行います。

生活支援事業は地域によってサービスの詳細が異なるので、あまり細かいものは介護福祉士国家試験では出題しにくいと思います。

障害福祉サービスの利用の流れ

介護給付を希望する場合は障害支援区分認定を受けなければなりません。訓練等給付相談支援、補装具費の給付、地域生活支援事業では基本的に障害支援区分認定は不要ですが、共同生活援助(グループホーム)を利用する場合には、障害支援区分認定が必要になることがあります。以下では介護給付の利用手続きを説明します。

  • STEP1
    申請

    介護給付費等の支給を受けようとする障害者等は、市区町村申請を行う。

  • STEP2
    障害支援区分の認定

    一次判定
    80
    項目の認定調査項目医師意見書の一部の結果に基づき、コンピュータ判定が行われます。

    医師意見書とは、かかりつけ医に申請者の心身の状態、特別な医療などの意見を求めるもので市区町村が依頼します。

    二次判定
    一次判定の結果と状況調査、医師意見書などを踏まえ、市区町村審査会で二次判定が行われます。

    障害支援区分認定
    二次判定の結果に基づき、非該当、区分1~6の認定が行われます。

    区分6に近づくほど、障害の程度が重くなります。

  • STEP3
    サービス利用意向の聴取・サービス等利用計画案の提出

    市区町村から計画案の提出が求められている場合は提出します。サービス利用計画案はたいていの場合、指定特定相談支援事業者が作成しますが、申請者自身による作成も可能です。

  • STEP4
    通知

    障害区分や本人・家族の状況、利用意向、サービス等利用計画案などを踏まえてサービスの支給量などが決まり、支給決定が申請者に通知されます。

  • STEP5
    サービス担当者会議

    申請者が利用する全てのサービスの各担当者、本人、家族等が出席し、利用者に合ったサービスを提案、サービス等利用計画の作成案が出し合われます。

  • STEP6
    最終的なサービス等利用計画の作成

    サービス担当者会議での案をもとに、指定特定相談支援事業者サービス等利用計画を作成します。利用計画は申請者自身による作成も可能です。

  • STEP7
    サービスの利用開始

    申請者はサービス提供事業所と契約を結び、サービスの利用を開始すします。サービスの量や内容については、利用開始後も一定期間ごとに確認が行われ、必要に応じて見直されます

障害児については、障害支援区分認定を行う必要がありません。ただし、介助の必要性や障害の程度を把握するために一定の調査を行います。

市区町村が行った障害福祉サービスの支給決定などの内容に不服がある場合は、都道府県ごとに設置されている「障害者介護給付費等不服審査会」に不服申立(審査請求)を行うことができます。障害者介護給付費等不服審査会は、審査請求の事件を取り扱う専門機関です。

障害者自立支援制度における組織、団体の機能と役割

国の主な機能・役割

  • 自立支援給付や地域生活支援事業などの業務が適正か円滑に行われるよう、市町村と都道府県に必要な助言や情報の提供などを行わなければならない。
  • 障害福祉サービスや相談支援、地域生活支援事業の提供体制の確保に努めなければならない。
  • 厚生労働大臣(国)は、障害福祉サービス・地域生活支援事業の提供体制の整備と円滑な実施を確保するための基本指針を定めなければならない。

都道府県の主な機能・役割

  • 自立支援給付と地域生活支援事業が適正かつ円滑に行われるよう、市町村に必要な助言や情報の提供などを行う。
  • 市町村と連携を図り、自立支援医療費の支給、地域生活支援事業を総合的に行う。
  • 障害者等に関する相談と指導のうち、専門的な知識と技術が必要なものを行う。
  • 障害福祉サービス事業者などの指定または指定の取り消しを行う。
  • 要介護・要支援認定の結果や介護給付費などの不服の審査請求に対して、それを取り扱う介護保険審査会を置く。
  • 国が定めた障害福祉サービスの基本指針に基づき、都道府県障害福祉計画を定めなければならない。
  • 指定障害福祉サービス事業者と指定障害者支援施設
    都道府県知事指定を行います。指定の更新は、6年ごとに受けなければなりません。提供する障害福祉サービスの質の評価を行う事とその他の措置を講ずることにより、障害福祉サービスの質の向上に努めなければなりません。また、人員・設備・運営の基準については、都道府県の条例で定められています。

要介護度の決定は市区町村が行うので、それに不服がある場合は、それより上位の機関に審査してもらわなければ実効性がありません。ですので、介護保険審査会の設置は都道府県の役割になっています。

介護保険審査会の委員は都道府県知事任命する非常勤の特別職に属する地方公務員です。任期は3年で、守秘義務が課され、違反した場合には罰則が適用されます。

市区町村の主な機能・役割

  • 自立支援給付と地域生活支援事業を総合的かつ計画的に行う。
  • 障害者等の福祉に関して、情報の提供、相談、調査、指導などを行う。
  • 意思疎通支援や虐待の防止と早期発見などに関する援助を行う。
  • 給付の審査判定業務を行わせるため、市町村審査会(障害支援区分の二次判定を行う)を置く。市町村審査会は、障害支援区分の審査及び判定を行うにあたり、必要があると認められる場合、障害者本人、家族、医師などの意見を聴くことができる。
  • 給付の支給決定支給を行う。
  • 障害福祉サービス事業者等への支払いに関する事務を、国民健康保険団体連合会に委託できる。
  • 基幹相談支援センターを設置できる。
  • 国が定めた障害福祉サービスの基本指針に基づき、市町村障害福祉計画を定めなければならない。

障害者総合支援法が定める「協議会」

障害者総合支援法第八十九条の三
地方公共団体は、単独で又は共同して、障害者等への支援の体制の整備を図るため、関係機関、関係団体並びに障害者等及びその家族並びに障害者等の福祉、医療、教育又は雇用に関連する職務に従事する者その他の関係者(次項において「関係機関等」という。)により構成される協議会を置くように努めなければならない
前項の協議会は、関係機関等が相互の連絡を図ることにより、地域における障害者等への支援体制に関する課題について情報を共有し、関係機関等の連携の緊密化を図るとともに、地域の実情に応じた体制の整備について協議を行うものとする。

出典 障害者総合支援法

市町村と都道府県障害福祉計画の作成・変更において、協議会の意見を聴くように努めなければならない協議会は、市町村と都道府県が設置するよう努めなければならないものである。

障害者総合支援法の改正の歴史

2016年(平成28年)の障害者総合支援法の改正のポイント(施行は2018(平成30)年)

2018年4月に施行された改正障害者総合支援法では、障害のある人が住み慣れた地域で生活するために必要な支援を強化する方向になっています。

障害のある人が望む地域生活の支援

  • 障害者総合支援法に基づく自立支援給付の訓練等給付に自立生活援助就労定着支援が新設されました。
  • 重度訪問介護の訪問先が拡大されました。従来は居宅のみであった重度訪問介護の訪問先に医療機関(病院や診療所、介護老人保健施設、介護医療院)が追加されたため、入院時もサービスが適用されるようになりました。

サービスの質の確保・向上に向けた環境整備

  • 自立支援給付のひとつ「補装具費」は従来、購入のみが対象でしたが、成長により交換が必要となる子どもを想定し、貸与の費用も対象に加えられました
  • 福祉サービスを提供する事業所の情報を公表する制度が新設されました。

お疲れ様です。「社会の理解」3/7読破です。障害者総合支援法は毎年出題されている重要なテーマですが、学習コストは高いのでコツコツ勉強しましょう。次の記事はこちらです。
日本の社会保障制度のしくみの理解

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