病院と診療所の違い|その他特定の機能を持った病院などを紹介

社会の理解

病院と診療所の違い|その他特定の機能を持った病院などを紹介

病院と診療所の違いは医療法という法律によって規定されています。

医療法

医療法は、医療機関に関する法律で、 病院・診療所・助産所の定義や開設・管理・整備の方法、国・自治体の責任などが定められています。

病院

病院は、医療法において、医師または歯科医師が、医療を行う場所として規定されています。日本では20人以上の患者を入院させる施設(病床数20床以上)が病院とされ、病床数により区別されます。

診療所

診療所は、 医療法において、医師または歯科医師が、医療を行う場所で、患者を入院させるための施設がない無床診療所または19人以下の患者を入院させるための施設がある有床診療所を診療所として規定しています。

病床の種別

  • 精神病床
    精神疾患の者を入院させるための病床です。
  • 感染症病床
    感染症法に規定する一類感染症、結核を除く二類感染症、新型インフルエンザ等の感染症の所見がある者を入院させるための病床です。
  • 結核病床
    結核の患者を入院させるための病床です。
  • 療養病床
    長期にわたり療養を必要とする患者を入院させるための病床です。
  • 一般病床
    上記以外の病床です。

入院の種類

  • 任意入院
    本人の同意に基づいて行われる入院
  • 医療保護入院
    本人の同意がなくても、精神保健指定医が入院の必要を認め、家族等が同意した場合に行われる入院です。家族等が同意・不同意の意思表示を行わない場合は、市区町村長の同意による入院が可能となっています。
    ただし、医療保護入院の期間は原則6か月までと定められ、定期的に入院要件を確認する必要があります。
  • 医療保護入院を行った場合は、本人同意を行った家族等に対して、「こういう理由で入院措置をとりました」と告知しなければなりません。
  • 措置入院
    2名以上の精神保健指定医の診察結果の一致により、自傷他害のおそれが認められる場合に、都道府県知事の決定によって実行される入院
    措置入院を行った場合は、措置診察のための通知を行った家族等に対し、入院措置を採る理由などを告知しなければりません。
  • 緊急措置入院
    急を要し、通常の措置入院の手続きを踏むことができない場合、1名の精神保健指定医の診察を経て、72時間を限度に都道府県知事の決定によって実行される入院
    緊急措置入院を行った場合は、措置診察のための通知を行った家族等に対し、入院措置を採る理由などを告知しなければりません。
  • 応急入院
    家族等の同意をすぐに得られず、措置入院ほどではないが急を要する場合に、精神保健指定医等1名による診察を経て72時間を限度に精神科病院の管理者により行われる入院

精神科病院で入院治療を受けている者については、医療機関以外の者との面会交流が特に途絶えやすくなることを踏まえ、入院者のうち、家族等がいない市町村長同意による医療保護入院者を中心として、面会交流の機会が少ない等の理由により、第三者による支援が必要と考えられる者に対して、希望に応じて、傾聴や生活に関する相談、情報提供等を役割とした訪問支援員を派遣する、入院者訪問支援事業が創設されています。

また、精神科病院での虐待に関して、精神科病院の従事者からの患者への虐待やその疑いを発見した場合には、都道府県へ通報することが義務化されています。例えば、東京都のHPを見ると、「精神科病院における虐待通報窓口」というページが追加されています。

特定機能病院

特定機能病院は、

  • 高度の医療を提供する能力
  • 高度の医療技術の開発および評価を行う能力
  • 高度の医療に関する研修を行わせる能力
  • 400人以上の患者を入院させるための施設

があることなどの要件に該当する病院で、高度な先端医療を提供する病院です。 最先端の医療に医療保険を適用する前の検証システムとしての役割もあるため、保険適用前の先端医療を提供できます。厚生労働大臣により承認されます。

地域医療支援病院

地域医療支援病院は、地域の病院や診療所の支援を通じて、地域の医療機能の役割分担や連携をすすめるために法律で定められた医療機関です。

  • 他の病院の医療従事者の診療、研究、研修のための体制が整備されていること
  • 救急医療を提供する能力があること
  • 地域の医療従事者の資質の向上を図るための研修を行わせる能力があること

などの要件に該当する病院が、都道府県知事により承認されます。

在宅療養支援診療所

在宅療養支援診療所は、自宅療養中で通院が困難な方に対して、医師が自宅へ定期的に訪問し、診療や診察を行う医療施設のうち所定の基準をクリアした施設を指します。

所定の基準には、どんなものがあるかというと、

  • 24時間365日体制で、医師や看護師と連絡がとれて、往診や訪問看護が可能であること
  • 緊急時に入院受け入れ可能、または連携医療機関への入院手配ができること
  • 地域の保険医療機関や福祉サービスと連携をとっていること
  • 看取り等の実績を定期的に厚生労働省へ報告していること

などです。

2006(平成18)年の診療報酬の改定によって新たに設けられ、2012(平成24)年の改定で、常勤医師3名以上配置などの要件を満たす機能強化型の在宅療養支援診療所・病院も創設されています。

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