家族の理解
家族とは
夫婦関係を中心として、親子、兄弟、近親者によって構成される集団です。規模、構成、同居する世代の数によって核家族、拡大家族、直径家族、複合家族のように分類されます。
核家族は夫婦、夫婦と未婚の子または一人親と未婚の子からなる家族です。
拡大家族は、三世代同居など、複数の核家族からなる家族です。
拡大家族のうち、親と1人の既婚の子からなる家族を直系家族、
拡大家族のうち、親と複数の既婚の子からなる家族を複合家族といいます。
家族の機能
生命維持機能
食欲、性欲、安全や保護を求める欲求などで、最も基礎的な機能と考えられます。
生活維持機能
社会の中で衣食住など一定の基準に照らして満足のいくような生活を営みたいという欲求を満たす機能です。
パーソナリティ機能
子どもの社会化(パーソナリティの形成)と成人のパーソナリティの安定化があります。子どもの社会化は、あいさつをする、何かしてもらったらお礼を言うなど、子どもが社会で生活していくのに必要な社会常識を身につけさせることです。成人のパーソナリティの安定化は、簡単にいうと、やすらぎやなごみのことで、 一家団らんを通して気持ちの安らぎや精神の安定を得ることです。
ケア機能
自らの力では生活を営むことのできない乳幼児・病人・障害者・高齢者等に対する援助機能です。
核家族化や単身世帯が増加し、ケア機能は昔よりも衰えています。
世帯
世帯は、同じ住所に住んでいて、同一の生計を営んでいる家族ごとの単位のことで、国勢調査や家計調査、住民登録などで用いられる行政上の概念です。例えば、扶養しているこどもが、地方の大学などに進学して、別居している場合は、別の世帯になりますが、家族はどこにいっても家族です。
親族
親族とは、民法によれば、
- 六親等内の血族
- 配偶者
- 三親等内の姻族
をいいます。下図参照。
民法では子・孫・ひ孫と父母・祖父母などの直系血族と兄弟姉妹は互いに扶養する義務があるとされています。
社会と人口
人口動態
0~14歳を年少人口、15~64歳を生産年齢人口、65歳以上を老年人口といいます。
出典 総務省統計局
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出典 総務省統計局
上のグラフは日本の人口ピラミッドと人口の推移です。以下に重要なポイントをあげておきます。
- 1997(平成9)年に年少人口比率が老年人口比率より少なくなった。
- 2011(平成23)年以降、総人口は減少してきている。
- 2014(平成26)年に老年人口が年少人口の2倍を超えた。
- 日本の人口ピラミッドは上図のような逆ひょうたん型である。
- 2015(平成27)年に第1次ベビーブーム世代(団塊の世代)が65歳以上に達した。
- 2025年
いわゆる「団塊の世代」800万人全員が75歳以上、つまり後期高齢者となります。超高齢社会によって医療や介護の需要と供給のバランスの崩壊が懸念されています。
ここで日本の高齢化の流れを説明しておきます。まずは、高齢化率等の言葉の定義から
高齢化率
総人口に対して65歳以上の高齢人口が占める割合
100人の村があって、65歳以上の人が10人なら、高齢化率10%です。
少子社会
子どもの数が高齢者人口よりも少なくなった社会
高齢化の定義
- 高齢化社会(高齢化率7%)
- 高齢社会(高齢化率14%)
- 超高齢社会(高齢化率21%)
高齢化の定義は7の倍数なので覚えやすいですね。
日本の高齢化の流れ
- 1970年
(昭和45)高齢化社会 - 1994年
(平成6)高齢社会 - 2007年
(平成19)超高齢社会
2023年9月17日の時点で、日本の高齢化率は29.1%と過去最高になっています。一方、1997年に少子社会となり、少子高齢社会となっています。
合計特殊出生率
合計特殊出生率は1人の女性が生涯に産むと推計される平均的な子どもの数です。
出典 厚生労働省
ポイントは、
- 1949年が最高の出生数(第1次ベビーブーム)
- 1973年が第2次ベビーブームで、この年以降、出生数は減少傾向
- 合計特殊出生率は2022年は1.26
- 合計特殊出生率は1975(昭和51)年以降は2.0を超えていない
- 2022年の人口動態統計の年間推計で、日本人の国内出生数は77万747人で、80万人を下回った
人口置換水準
人口置換水準とは現在の人口を維持できる合計特殊出生率のことです。
国立社会保障・人口問題研究所の「人口統計資料2020」によると、近年の人口置換水準は2.06~2.07の間を推移しています。
お疲れ様です「社会の理解」1/7読破です。この科目は法律や制度の話が多く、なかなか勉強しにくい科目なので、マイペースでがんばりましょう。次の記事はこちらです。
⇒福祉に係る法律や施策、社会福祉法人について解説
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