『介護の基本』過去問

キートン
キートン

介護福祉士国家試験の『介護の基本』の過去問&解説です。

自立支援、個別ケアに関する過去問

施設利用者の生活の質(QOL)を重視した介護福祉の実践として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験)

1.利用者の身体的側面だけでなく、心理的・社会的な面も含む支援を行う。

2.利用者の生活時間を職員の業務に合わせる。

3.利用者が疲れないように食事時間は1時間と定める。

4.利用者の居室環境の整備を最優先する。

5.利用者のニーズは画一的なものとして支援を行う。

正解 1

2.支援は利用者主体になるようにしなければなりません。

3.利用者のニーズ生活習慣に合わせて、個別的に設定することが大切です。

4.居室環境の整備も重要ですが、利用者ごとに支援の優先事項は異なります。利用者のニーズや心身状態に応じて何を優先するかを決めます。

5.画一的は、何もかも一様にそろっていて個性や特徴がないことを表します。生活の質(QOL)を重視した介護福祉の実践としては、さまざま利用者のニーズに応じた個別ケアが基本です。

介護を必要とする人の個別性・多様性を意識した対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験)

1.性別をもとに、衣類の色やデザインを選ぶ。

2.年齢をもとに、生きていた時代を考え体験談を聞く。

3.障害特性をもとに、施設で暮らすことを勧める。

4.家族構成をもとに、人格的な特徴を判断する。

5.所得をもとに、レクリエーションの内容を考える。

正解 2

1.性別ではなく、利用者の好みに合わせて考える。

3.施設で暮らすことが最適であると判断するには、障害特性だけでなく、その者の希望や能力、生活環境なども踏まえる必要があります。

4.例えば、「母子家庭だからこどもは~のような人格になる」といった感じです。

5.利用者の希望に沿ったものが第一で、次いで金額的に可能かどうかを考えます。

Fさん(82歳、男性)は、脳梗塞の後遺症による右片麻痺と運動性失語の状態で、介護老人福祉施設へ入所した。自分の意志は、顔の表情やうなずきなどの動作や左手を使って伝えることができる。2時間ほどは車いすで座位を保つことができる。食事の際は、自分でご飯やおかずをスプーンに乗せたり汁物を口に運ぶことは困難であるが、スプーンに乗った食べ物を左手で口まで運んで食べることはできる。食事場面における介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

1.食事を居室のベッドの上でとるように促す。

2.メニューの説明は不要である。

3.左手で食べたいものを示すように促す。

4.ご飯とおかずを混ぜてスプーンに乗せて口に運ぶ。

5.好みの食べ物は最後に食べるように促す。

正解 3

1.車いすで2時間座位を保てるのでベッドの上で食事をとる必要性がありません。

2.食事は楽しみの一つでもあり、メニューの説明は必要です。

4.スプーンに乗った食べ物は左手で口まで運んで食べることができるので、有する能力を使い、残存機能を維持するという観点から、それを介護福祉職が行うのは不適切です。

5.本人の希望が第一です。この設問では本人がそのように希望してるとは書かれていないので不適切です。

利用者の自己決定に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

1.支援者は、利用者の自己決定に対する働きかけを行ってはならない。

2.援助を受けている利用者は、自己決定を行うことができない。

3.判断能力が低い利用者の場合、家族の意向を優先して決定する。

4.利用者はエンパワメントアプローチをされることで、自己決定能力が高まる。

5.自己決定には、責任能力の有無が条件となる。

正解 4

1.働きかけを行ってはならないということはありません。支援者の考えを押し付けるのではなく、利用者の考えを尊重し、利用者の自己決定の助けになるような支援は大切です。

2.援助を受けているかどうかに関係なく、利用者は自己決定を行うことができます。

3.判断能力が低い場合でも、家族の意向を優先するのは不適切です。双方の意見を尊重しバランスをとるのが、福祉職の仕事です。

4.利用者の持っている力に着目し、その力を引き出して積極的に利用、援助することをエンパワメント・アプローチと呼びます。

5.責任能力というのは、 民法では、不法行為上の責任を判断しうる能力となってます。例えば中等度の認知症では責任能力はありませんが、食べたいものとか着たい服とかまだまだ自分で決められるので不適切です。

介護老人福祉施設に入所後、すぐ退所したいと訴える利用者への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

1.精神安定を図るために、利用者に精神安定剤を服薬してもらう。

2.利用者の思いを最優先に考えて、退所の手続きをする。

3.利用者に退所を思い直してもらうために、家族には介護する意思がないと伝える。

4.利用者の今の思いを受け止めて、その発言の背景を確認する。

5.気分を変えてもらうために、利用者をテレビの前に案内する。

正解 4

1.服薬は医師の判断によります。介護福祉職が決めるものではありません。

2.利用者の思いを受け止めることは大切ですが、退所したい理由を明らかにした上で家族とも相談し、適切に対応することが求められます。家族への相談もなく退所の手続きをすることは適切ではありません。

3.家族に介護する意思があるかどうかはこの設問ではわかりません。不確かな情報を伝えることは適当ではありません。

5.退所したいという話をしているのにテレビをみてもらっても、その場しのぎの対応で、根本的解決にはなりません。

施設での介護のあり方に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

1.利用者の羞恥心に配慮した介護を行う。

2.親しみを込めて、利用者を愛称で呼ぶ。

3.多床室では、介護福祉職の目が行き届くように、カーテンは開けておく。

4.入室するときは、日常的なことなので、ノックや声かけをしなくてもよい。

5.医師から利用者に関する情報の提供を求められても、それがどんな理由であっても応じないようにする。

正解 1

2.家族がいやな顔をする場合があります。また、他入所者にえこひいきを感じさせる場合もあるので不適切です。

3.プライバシーに配慮しなければなりません。

4.他人が自分の部屋にいきなり入ってきたらどうでしょうか。

5.救急搬送する場合などには、医師に利用者の既往歴などを伝えることは問題ありません。

★選択肢5に関連して、個人情報の取り扱いの例外規定を復習しておきましょう。

個人情報取扱業者は、あらかじめ本人の同意を得ないで利用目的以外のことで、個人情報を取り扱ってはいけません。ただし、例外が2つあります。

  1. 人の生命身体または財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難である場合。例えば、利用者が意識を失って救急搬送されるような場合があてはまります。
  2. 法令に基づく場合
    「法令」には、「法律」のほか、法律に基づいて制定される政令や地方自治体が制定する「条例」なども含まれます。警察とか税務署からの照会などです。

利用者の生活の質(QOL)を高めるための介護福祉職のあり方として,最も適切なものを1 つ選びなさい。(第29回介護福祉士国家試験)

1.ADL(Activities of Daily Living:日常生活動作)の維持・向上を最優先にする。

2.どの利用者に対しても同じ方法で介護する。

3.利用者の精神的側面は考慮しなくてもよい。

4.終末期の介護では、利用者の私物は早めに処分する。

5.利用者のニーズや生活環境を総合的にみて、介護の方針を検討する。

正解 5

1.ADLの維持・向上は大切なことですが、最優先とは限りません。

2.個別ケアが原則です。

3.精神面も考慮する必要があります。

4.遺族と相談する必要があります。

ADLはActivities of Daily Livingの略称で日常生活動作といわれます。「ひとりの人間が独立して生活するために行う基本的なしかも各人に共通に毎日繰り返される一連の身体動作群」と定義されています。具体的には、起居動作(「寝返り」「起き上がり」「立ち上がり」「座る」など姿勢変換のための動作)、移乗、移動、食事、更衣、排泄、入浴、整容などです。

さらに

IADLはinstrumental ADLの略称で、手段的日常生活動作といわれます。ADLより広く応用的な活動のことで、具体的には、掃除、料理、洗濯、買い物、交通機関の利用、電話対応、スケジュール調整、服薬管理、金銭管理などです。

Fさん(80 歳、男性)は,パーキンソン病(Parkinson disease)である。不安定ではあるが、歩行ができる。振戦があり、長い時間座位を保つことが難しい。
Fさんに対する介護福祉職のリスクマネジメントとして、最も適切なものを1 つ選びなさい。(第29回介護福祉士国家試験)

1.歩行を始めるときは、リズムをとれるように一声かける。

2.移動はいつも車いすを使い、ベルトで体を固定する。

3.お茶は湯飲みにたっぷり注いで出す。

4.浴槽につかっている間は、浴室から離れる。

5.いすから立ち上がるときは、顎を前に出して、体幹を伸展させる。

正解 1

参考テキスト⇒パーキンソン病

1.パーキンソン病では、動作のはじめや途中で手足がすくんでしまう、すくみ現象がみられ、歩行時に転倒するリスクがあります。そのため、歩行を始めるときはリズムをとれるように一声かけ、すくみ足を軽減することでスムーズな一歩が踏み出せるようになります。

2.いつも車いすを使うのではなく、しっかりアセスメントを行い、必要に応じて車いす、杖などを使います。不安定ながらも歩行ができると書かれているので、有する能力を使えるように支援することが重要です。

3.振戦があるため、たっぷり注ぐとこぼれる可能性があります。

4.長時間座位を保つことが難しいと書いてあるので、浴槽につかっている間にバランスを崩し溺れてしまう可能性があります。

5.立ち上がる時は、顎を引いて体幹を前屈(屈曲)させます。

介護における自立に向けた支援に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第30回介護福祉士国家試験)

1.機能回復訓練を中心に介護計画を作成すること

2.他者の支援を受けずに、自らの力で生活できる状態にすること

3.本人の意思よりも、介護者からみた自立を優先すること

4.介護を受けていても社会参加できるように支援すること

5.自分で着衣し終わるまで、何時間でも介護者が見守ること

正解 4

1.介護における自立支援とは、必ずしも、機能回復を中心とするわけではありません。例えば、歩行訓練を介護計画に入れる必要がある利用者でも、それよりも優先してやりたいことがあるって人もいます。個別ケアが大切です。

2.他者の支援を受けないようにするのではなく、どういった支援を受けるかを選択して自分の生活をデザインすることが自立です。

3.介護における自立支援では、本人の意思を尊重し、自己決定を促すことが大切になるため、介護者からみた自立を優先してはいけません。

5.時間がかかっても自分ひとりで着衣を行うか、時間がかかるところを手伝ってもらうか、本人の意思が重要です。

Hさん(75歳、女性)は、1か月前に介護老人福祉施設に入所した。脳梗塞 (cerebral infarction)の後遺症として、左片麻痺があり、認知症(dementia) と診断されている。看護師として長年勤め、退職時は看護部長であった。Hさんは日頃から、介護福祉職に苦情を言い、周りの利用者とのトラブルも絶えない。特に日中の入浴に関しては、拒否が強く、「私は仕事があるから、夜に一人でお風呂に入りたい」という訴えが続いている。
介護福祉職のHさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第30回介護福祉士国家試験)

1.施設長から、特別扱いはできないことを説明してもらう。

2.夜の、居室での全身清拭に変更する。

3.Hさんの対応を、施設の看護職員に任せる。

4.家族から、既に退職していることを説明してもらう。

5.Hさんの働いていた頃の話を詳しく聴く。

正解 5

1&4&5.
認知症のHさんに論理的に説明しても、納得してもらえない可能性が高い。Hさんはまだ入所したばかりで安心できる環境で暮らしているとは言えません。Hさんが安心できるように、Hさんの訴えを傾聴し、共感する姿勢で支援することが求められます。

2.入浴を拒否しているわけではないのに、清拭に変更しても解決しません。

3.対応する人を変えてみるというアプローチは選択肢としてありますが、看護職員に変更する理由はありません。むしろ介護福祉職の方が認知症対応には慣れているはずです。

一人暮らしの認知症高齢者のJさんが、一昨日、訪問販売で高価な寝具を購入して、家族が困惑している。この家族への介護福祉職の対応として、最も適切なものを 1つ選びなさい。(第30回介護福祉士国家試験)

1.Jさんが他者と関わらないように助言する。

2.国民生活センターで、契約を解除してもらうように伝える。

3.施設入所を勧めて、消費者被害を繰り返さないようにする。

4.クーリング・オフ制度を利用して、契約を解除できることを伝える。

5.自己破産制度を活用して、自己破産を勧める。

正解 4

1.認知症の進行を早めないためにも、他者とかかわり刺激を受けることは大切です。

3.本人も家族も入所を望んでいるかどうか不明であるし、高価な家具を購入したということ以外に日常生活の情報が書かれていないため、施設入所が適当であるかわかりません。

クーリングオフ制度
訪問販売のような契約は、申し込み契約を締結した場合でも、一定の期間(契約により8~20日)であれば無条件で契約解除できる制度です。

契約したのが一昨日と書いてあるので、クーリングオフ制度を利用して、契約解除できることを伝えるのがベストです。

茶道の師範だったFさん(87歳、女性、要介護3)は、70歳の時に夫を亡くし、それ以降は一人暮らしを続けていた。79歳の頃、定期的に実家を訪ねていた長男が、物忘れが目立つようになった母親に気づいた。精神科を受診したところ、アルツハイマー型認知症と診断された。昨年から小規模多機能型居宅介護を利用しているが、最近は、宿泊サービスの利用が次第に多くなってきている。Fさんは来所しても寝ていることが多く、以前に比べると表情の乏しい時間が増えてきている。

介護福祉職がFさんの生活を支えるための介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第31回介護福祉士国家試験)

1.Fさんが安心して暮らせるように、長男に施設入所を勧める。

2.夜間に熟睡できるよう、日中は宿泊室に入らないように説明する。

3.長く茶道を続けてきたので、水分補給は緑茶に変更する。

4.心を落ち着かせるために、読書を勧める。

5.茶道の師範だったので、お茶のたて方を話題にする。

正解 5

1.Fさんの希望もわからないので、安易に施設入所を勧めるのは適切ではありません。まずはしっかりとしたアセスメントをする必要があります。

2.説明しても忘れてしま可能性が高いし、夜間に眠れないとは書かれていません。

3.Fさんの希望が第一です。問題文に緑茶を希望しているような内容はないので適当ではありません。

4.試しに読書を勧めてみるのは問題ありませんが、Fさんの読書に関する記述はないので、Fさんが望んでいるかどうかわかりません。

5.Fさんが興味を持つような話題で接するのは適切です。

Fさん(72歳、女性、要介護2)は、中等度の認知症であり、自宅で夫と生活している。ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)が訪問すると、夫が散乱したコーヒー豆を片づけていた。Fさんは、「わからなくなっちゃった」と言っていた。訪問介護員(ホームヘルパー)が夫に事情を聞くと、「今も日課でコーヒーを豆から挽いて入れてくれるんだが、最近は失敗することが多くなって、失敗すると自信を失ってしまうしね。でも、毎朝、『コーヒーを入れなくちゃ』と言うんだ」と寂しそうに話しした。
訪問介護員(ホームヘルパー)の夫への助言として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第32回介護福祉士国家試験)

1.「そばにいて、Fさんと一緒にコーヒーを入れてはどうですか」

2.「Fさんと一緒に、喫茶店にコーヒーを飲みに行ってはどうですか」

3.「おいしいコーヒーを買ってきて二人で飲んではどうですか」

4.「私がFさんからコーヒーの入れ方を教えてもらいましょうか」

5.「新しいコーヒーメーカーを買ってはどうですか」

正解 1

Fさんが毎朝コーヒーを入れようとして失敗してしまい、その結果、自信喪失につながっている点が一番の問題です。Fさんが自信を持てるように支援することが重要です。選択肢2~5では根本的な解決になりません。

利用者の自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第33回介護福祉士国家試験)

1.ごみの分別がわからない利用者だったので、その場でごみを分別した。

2.利用者の自宅の冷蔵庫の中が片づいていないので、整理整頓した。

3.トイレ誘導した利用者の尿パッドを、本人に配慮して無言で取り替えた。

4.服薬時に、薬を飲むように促して、そばで確認した。

5.利用者が居間でテレビを見ているそばで、洗濯物を畳んだ。

正解4

自立生活支援・重度化防止のための見守り的援助とは、いつでも介助に入れる状態で、利用者の安全を確保しつつ、自分でできることを行ってもらう支援です。

1.介護者がごみを分別するのではなく、利用者が分別しやすいようにわかりやすい環境を整えたり、一緒にごみを分別したりするのが自立支援です。

2.介護者が整理整頓するのではなく、利用者が自発的に冷蔵庫の中を整理しようと思えるような声掛けや、一緒に整理整頓したりするのが自立支援です。

3.利用者のできる能力に合わせて、声掛けだけ行ったり、新しい尿パッドを渡し、汚れたものと交換するのを見守ったり、できるだけ自分で交換や後始末を行えるようにするのが自立支援です。

5.声掛けして、利用者が洗濯物を畳むのを見守ったり、一緒に洗濯物を畳んだりするのが自立支援です。

施設利用者の多様な生活に配慮した介護福祉職の対応として最も適切なものを1つ選びなさい。(第33回介護福祉士国家試験)

1.夜型の生活習慣がある人に、施設の就寝時刻に合わせてもらった。

2.化粧を毎日していた人に、シーツが汚れるため、化粧をやめてもらった。

3.本に囲まれた生活をしてきた人に、散乱している本を捨ててもらった。

4.自宅で畳に布団を敷いて寝ていた人に、ベッドで寝てもらった。

5.自宅で夜間に入浴をしていた人に、夕食後に入浴してもらった。

正解5

選択肢1~4は、利用者の生活習慣を尊重しているとはいえません。

利用者の自立支援に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第34回介護福祉士国家試験)

1.利用者の最期の迎え方を決めるのは、家族である。
2.利用者が話しやすいように、愛称で呼ぶ。
3.利用者が自分でできないことは、できるまで見守る。
4.利用者の生活のスケジュールを決めるのは、介護福祉職である。
5.利用者の意見や希望を取り入れて介護を提供する。

正解5

1.最期の迎え方を決めるのは家族ではなく、利用者本人です。

2.家族が不快に思ったり、他利用者がえこひいきを感じる可能性があるので、基本的に愛称で呼ぶのはNGです。

3.自分でできないことは、できるまで見守るのではなく、自分自身が望む生活を利用者自ら選択することができ、介護者はそれに沿った支援をおこないます。ただし、お茶を入れて、服を着替えさせてなど、本人の能力はあるにもかかわらず依存傾向が強くなっている場合は、自立支援の観点から適切ではないので、注意が必要です。

4.利用者の自立支援において、生活のスケジュールを決定するのは利用者自身です。

地域連携、交流等に関する過去問

地域包括支援センターに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。(第26回介護福祉士国家試験)

1.高齢者にかかわるボランティアや民生委員などと連携する。

2.介護福祉士が配置されることになっている。

3.各種介護保険サービスを包括的に提供する。

4.要介護高齢者にかかわるケアマネジメント業務を行う。

5.小学校区ごとに設置されることになっている。

正解 1

参考リンク⇒地域包括支援センター

1.介護保険法で、「地域包括支援センターの設置者は、包括的支援事業の効果的な実施のために、介護サービス事業者、医療機関、民生委員、被保険者の地域における自立した日常生活の支援又は要介護状態となることの予防もしくは要介護状態等の軽減もしくは悪化の防止のための事業を行うものその他の関係者との連携に努めなければならない」と規定されています。

2.社会福祉士、保健師、主任介護支援専門員を配置する義務が課せられているが、介護福祉士を配置する義務は課せられていません。

3.地域包括支援センターは、主に地域支援事業の包括的支援事業を実施するものであり、各種介護保険サービスを包括的に提供するものではありません。介護保険サービスは、訪問介護事業所や訪問看護事業所などがそれぞれのサービスを提供しています。

4.地域包括支援センターでは、主に要支援者要支援になり得る高齢者などを対象に介護予防ケアマネジメントを提供しています。要介護高齢者のケアマネジメントは、基本的に居宅介護支援事業者が取り扱います。

5.中学校区を基本に設置することとされています。

地域で高齢者虐待防止ネットワーク構築の中心になる機関として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験)

1.福祉事務所
2.老人福祉施設
3.民生委員会
4.警察署
5.地域包括支援センター

正解 5

地域包括支援センターは、行政機関、医療機関、介護サービス事業者、地域の利用者やその家族、地域住民、民生委員、社会福祉協議会等の関係団体等によって構成される人的資源からなる地域包括支援ネットワークの構築(市町村内の他機関との連携)に努める必要があります。地域包括支援ネットワークの例としては、高齢者虐待防止ネットワーク見守りネットワークなどがあります。

セルフヘルプグループの目的として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験)

1.療養上の管理指導
2.専門的知識を提供する。
3.自助具を作成する。
4.就労移行支援の窓口となる
5.課題を共有する。

正解 5

セルフヘルプグループというのは、海外ドラマなどでよく見かける、薬物依存症の会で、参加者が順番に自分の経験を話していくようなやつです。
セルフヘルプグループでは、参加者がそれぞれの悩みや体験談などを話し、他の参加者の話を聴くことによって、同じ状況にある人々が、課題を共有し、相互に援助し合うことを目的にしています。相互に援助し合うというのは、自分の経験を話すことで他の人の助けになってるという自尊心をお互いに持てるということです。

利用者がその人らしい生活を実現できるように、介護福祉職が把握すべき情報として、最も優先順位が高いものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

1.利用者の所有する不動産の種類や価値
2.改訂長谷川式簡易知能評価スケールの得点
3.既往歴
4.最近1年間の体重変化
5.これまでの生活環境と生活習慣

正解 5

1.利用者の経済状況を知る上では意味があるが、最も優先順位が高いものではありません。

2.認知症などの認知障害の程度を知るために有用な情報であるが、最も優先順位が高いものではありません。

3&4&5.
身体状況を知る上で大事な情報であるが、「その人らしい生活」を実現するために必要な情報としては5の方が優先度は高い。

社会資源に関する次の記述のうち、フォーマルサービスに該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。(第34回介護福祉士国家試験)

1.一人暮らしの高齢者への見守りを行う地域住民
2.買物を手伝ってくれる家族
3.ゴミ拾いのボランティア活動を行う学生サークル
4.友人や知人と行う相互扶助の活動
5.介護の相談を受ける地域包括支援センター

正解5

フォーマルサービス(社会的サービス)は、
公的・民間・NPOによるサービス。介護保険法、老人福祉法、障害者総合支援法等に基づき、サービス事業者の指定を受けて介護サービスを提供します。

インフォーマルサービス(私的サービス)は、
家族・親族、ボランティア等による介護などのサービスです。

選択肢5以外はインフォーマルサービスです。

ICFに関する過去問

Dさん(42歳、男性)は、営業の仕事をしていた。休日に趣味のサイクリングの最中、交通事故に遭った。脊髄を損傷し、対麻痺の状態になり、車いすで移動する生活になった。
Dさんに関する次の記述のうちICFにおける「心身機能・身体構造」と「活動」の関係を示すものとして、適切なものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験)

1.移動に車いすを使う生活になり、退職することになった。

2.上肢は自由に動かせる状態であり、車いすで移動できるようになった。

3.玄関の周りをバリアフリーにすることで、一人で外出できるようになった。

4.サイクリングの楽しさを忘れられず、車いすマラソンに取り組む準備を始めた。

5.脊髄損傷のために、排尿のコントロールが困難になった。

正解 2

参考テキスト⇒ICF

1.移動に車いすを使う(活動)、退職(参加制約)

2.上肢は自由に動かせる(心身機能・身体構造)、車いすで移動(活動)

3.バリアフリー(環境因子)、一人で外出(活動)

4.参加に該当します。

5.脊髄損傷・排尿障害は心身機能・身体構造に該当します。排泄の失敗がみられるという側面が強ければ、活動制限ともいえます。

Dさん(70歳、女性)は10年前に人工肛門(ストーマ)を造設し、2年前に脳出血を患って軽い右片麻痺が残った。最近、物忘れが目立ってきた。また、同居する娘の仕事が忙しくなってきた。
Dさんに関する情報のうち、ICFの環境因子に該当するものとして、適切なものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

1.70歳の女性である。
2.人工肛門(ストーマ)を造設した。
3.軽い右片麻痺が残った。
4.もの忘れが目立ってきた。
5.娘の仕事が忙しくなってきた。

正解5

1.個人因子です。

2.3.4.心身機能・身体構造に該当します

Gさん(68歳、女性、要介護2)は、小学校の教員として定年まで働いた。Gさんは、3年前にアルツハイマー型認知症(dementiaoftheAlzheimer’stype)と診断された。夫は既に亡くなっており、長男(30歳)と一緒に暮らしている。週に2回通所介護(デイサービス)に通い、レクリエーションでは歌の伴奏をよくしている。その他の日は、近所の人や民生委員、小学校の教え子たちがGさん宅を訪問し、話し相手になっている。
最近、Gさんは食事をとることを忘れていたり、トイレの場所がわからず失敗したりすることが多くなった。

介護福祉職が、Gさんの現状をアセスメント(assessment)した内容と、ICF(InternationalClassificationofFunctioning,DisabilityandHealth:国際生活機能分類)の構成要素の組合せとして、最も適切なものを1つ選びなさい。(第31回介護福祉士国家試験)

1.アルツハイマー型認知症(dementiaoftheAlzheimer’stype)は、「心身機能・身体構造」にあたる。

2.レクリエーションで歌の伴奏をすることは、「参加」にあたる。

3.近所の人や民生委員、小学校の教え子は、「個人因子」にあたる。

4.小学校の教員をしていたことは、「環境因子」にあたる。

5.トイレの場所がわからなくなることは、「健康状態」にあたる。

正解 2

1.アルツハイマー型認知症は、「健康状態」にあたります。

3.近所の人や民生委員、小学校の教え子は、「環境因子」にあたります。

4.小学校の教員をしていたことは、「個人因子」にあたります。

5.トイレの場所がわからなくなることは、「心身機能・身体構造」にあたります。

ICF(国際生活機能分類)の視点に基づく環境因子と心身機能の関連を表す記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第32回介護福祉士国家試験)

1.電気スタンドをつけて、読書を楽しむ。

2.車いすを使用して、美術館に行く。

3.聴力が低下すると、コミュニケーションがうまくとれない。

4.ストレスが貯まると、活力が低下する。

5.床面の性状が柔らかいと、バランスを崩す。

正解 5

1.活動に該当します。

2.車いすを使用(活動)、美術館に行く(参加)。

3.聴力が低下(心身機能)、コミュニケーションがうまくとれない(活動制約

4.ストレスが溜まるというのは健康状態に該当します。

5.床面の性状が柔らかい(環境因子)、バランスを崩す(心身機能

ICF(International Classification of Functioning Disability and Health:国際生活機能分類)における環境因子を表す記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第33回介護福祉士国家試験)

1 アルツハイマー型認知症(dementia of the Alzheimre’s type) である。

2 糖尿病(diabetes mellitus)があるため服薬をしている。

3 医者嫌いである。

4 町内会の会長を務めていた。

5 娘が近隣に住み、毎日訪問している。

正解5

1.ICFの健康状態に分類されます。

2.ICFの活動(している活動)に分類されます。

3.ICFの個人因子に分類されます。

4.社会的な役割という点からみると参加、個人の経歴という点では個人因子ともみれますが、環境因子ではありません。

5.人的環境です。

Gさん(70歳、男性、要介護2)は、パーキンソン病と診断されていて、外出するときは車いすを使用している。歩行が不安定なため、週2回通所リハビリテーションを利用している。Gさんは、1年前に妻が亡くなり、息子と二人暮らしである。Gさんは社交的な性格で地域住民との交流を望んでいるが、自宅周辺は坂道や段差が多くて移動が難しく、交流ができていない。Gさんの状況をICFで考えた場合、参加制約の原因になっている環境因子として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第34回介護福祉士国家試験)

1.パーキンソン病
2.不安定な歩行
3.息子と二人暮らし
4.自宅周辺の坂道や段差
5.車いす

正解4

自宅周辺の坂道や段差は、Gさんが地域住民との交流ができなくなった原因であり、ICFの参加制約の原因になっている環境因子に該当します。

1.病名は健康状態です。

2.活動に該当します。

3.選択肢3も環境因子に該当しますが、参加制約の原因ではありません。

5.車イスは、車いすを使用できるととらえれば活動に該当します。車いすが福祉用具として準備されているととらえるならば環境因子に該当しますが、参加制約の原因ではありません。

虐待、身体拘束に関する過去問

「身体拘束ゼロへの手引き」(2001 年(平成13 年)厚生労働省)の身体拘束の内容に関する次の記述のうち、適切なものを1 つ選びなさい。(第29回介護福祉士国家試験)

1.自分で降りられないように、ベッドの四方を柵で囲むことは、禁止行為とされている。

2.切迫性と非代替性と永続性の3 つの要件を満たせば、身体拘束は認められる。

3.本人の同意なく、やむを得ずおむつを着用させることは、禁止行為とされている。

4.事前に利用者や家族に説明があれば、実際に身体拘束を行うときの説明手続きは省略できる。

5.やむを得ず身体拘束をした場合は、そのたびに保険者に報告する義務がある。

正解 1

2.身体拘束が認められるのは、「切迫性」「非代替制」「一時性」の三要件を満たした場合です。

3.禁止行為とされていません。おむつを着用する方はそもそも寝たきりであったり、認知症がすすんで、同意が取れなかったりする場合が多いです。

4.実際に身体拘束を行う場合は、あらためて説明をしなければなりません。

5.やむを得ず身体拘束をした場合、記録をする義務が事業者に課せられていますが、そのたびに保険者に報告する義務は課せられていません。

「高齢者虐待調査結果」に関する次の記述のうち、適切なものを1 つ選びなさい。
(注) 「高齢者虐待調査結果」とは、「2021年度高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律に基づく対応状況等に関する調査結果」(厚生労働省)のことである。(第29回介護福祉士国家試験改)

1.被虐待高齢者と虐待を行った養護者(虐待者)との同居・別居の状況は、「虐待者とのみ同居」が最も多い。

2.被虐待高齢者からみた虐待を行った養護者(虐待者)の続柄は、「夫」が最も多い。

3.被虐待高齢者と虐待を行った養護者(虐待者)の家族形態は、「子夫婦と同居」が最も多い。

4.養介護施設従事者等による虐待についての相談・通報者は、「家族・親族」が最も多い。

5.要介護度が上がるほど、虐待を受ける割合が高くなっている。

正解 1

参考テキスト⇒データでみる高齢者虐待

1.虐待者とのみ同居が50%超えて最も多いので、正しいです。

2.息子ダントツです。

3.未婚の子と同居が最も多いです。

4.養護者が虐待を行っているケースでは、警察がトップで、施設で虐待が起こっている場合は、その施設の職員がトップです。

5. 被虐待高齢者の「要介護度」と「虐待種別」の関係をみると、「心理的虐待」は要介護度が低い方に多く、逆に「ネグレクト」は要介護度が高い方に多くみられます。虐待の種類などによっても変わり、必ずしも要介護度が上がるほど、虐待を受ける割合が高くなるわけではありません。

介護サービスに関する過去問

ユニットケアの理念に基づく望ましい生活環境として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験)

1.4名以上の利用者が一つの居室で生活する。

2.1ユニットの利用者は、20名程度で構成する。

3.利用者相互の交流は、同じユニット内に限定する。

4.廊下に向かって横並びに居室を配置する。

5.ユニットを担当する職員は、一定期間固定して配置する。

正解 5

1.ユニットケアでは、原則個室です。

2.1ユニットは概ね10人程度です。

3.利用者同士が望むなら、他のユニットの利用者と交流を図っても問題ありません。

4.ユニットの利用者が交流し、共同で日常生活を営むための場所としてふさわしい形状であればよい。リビングなどの共同生活部分を囲むような居室の配置が望ましいが、廊下に向かって横並びではだめということもありません。

5.職員を固定し、なじみの関係を作ることはユニットケアのポイントです。

通所介護(デイサービス)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい(第28回介護福祉士国家試験)

1.事業者による非常災害対策訓練の実施は、任意である。

2.事業者は、正当な理由なくサービスの提供を拒んではならない。

3.サービスの内容などを記載した通所介護計画の作成は、任意である。

4.短期入所生活介護と訪問介護を組み合わせなければならない。

5.日常生活の自立を助けるために、専門職による理学療法や作業療法を行わなければならない。

正解 2

1.任意ではなく義務です。

2.これは正しいです。ちなみに正当な理由というのは、
(1)当該事業所の現員からは利用申込に応じきれない場合
(2)利用申込者の居住地が当該事業所の通常の事業の実施地域外である場合
(3)入院治療の必要がある場合

等が挙げられています。

※現員は現在の人員のことで、要はキャパオーバーのことです。

3.任意ではなく、作成しなければなりません。

4.そのようなルールはありません。

5.デイサービスでは理学療法士や作業療法士の配置は義務付けられていません。リハビリテーションの専門職である理学療法士(PT)作業療法士(OT)または言語聴覚士(ST)必置としているのは、介護老人保健施設です。

ユニット型指定地域密着型介護老人福祉施設に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。(第29回介護福祉士国家試験改)

1.利用定員は29人以下である。

2.昼間は、2ユニットごとに常勤1 名の介護職員を配置する。

3.食事は、施設が決めた時間内に食べ終わるように介護する。

4.利用者数は、災害などの事情があっても、定員数以内とする。

5.多様な娯楽設備を備えて、外出しなくても施設内で生活を完結できるようにする。

正解 1

1.ユニット型指定地域密着型介護老人福祉施設は、ユニット型の利用者数29人以下の特別養護老人ホームです。

2.昼間は1ユニットごとに常勤1名の介護職員または、看護職員の配置が必要です。2ユニットごとでよいのは夜間です。

3.本人のペースに合わせるのが基本です。

4.災害などのやむを得ない事情があれば定員数を超えて利用させてもよいこととなっています。

5.地域密着型サービスの意義は、施設内で生活が完結するのではなく、施設の外に出て地域社会と密接にかかわりながら暮らすことにあります。

指定認知症対応型通所介護のサービスに関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。(第29回介護福祉士国家試験)

1.利用者は、65 歳以上で認知症のあるものに限られる。

2.家族が送迎を行うことが原則である。

3.認知症対応型通所介護計画は、精神科医が作成する。

4.利用者は、原則として事業所のある市町村の住民である。

5.サービス提供時間は、8 時間を上限とする。

正解 4

1.認知症対応型通所介護の対象者は、認知症と診断された要介護1以上の介護認定を受けた方です。また、対象者となるには事業所と同じ市町村に住んでいる必要があります。

なお、要支援の方でも、認知症の症状があきらかにみられる場合は、介護予防認知症対応型通所介護を利用することができます。

第2号被保険者(40歳以上65歳未満)で、特定疾病が原因で要介護になった場合には、介護保険サービスを利用できます。「初老期における認知症」が特定疾病に該当することから、65歳未満でも利用者になる可能性があります。

2.送迎は、家族ではなく施設が行うことが原則である。

3.認知症対応型通所介護計画は管理者が作成します。※認知症対応型通所介護計画はケアプランではなく介護計画(個別援助計画)です。

4.認知症対応型通所介護地域密着型サービスであるので、利用者は原則として事業所のある市町村の住民です。

5.わからなくても問題ありません。積極的に選択肢4が選べれば大丈夫です。

看護小規模多機能型居宅介護に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。(第30回介護福祉士国家試験)

1.居宅サービスに位置づけられている。

2.長期間の宿泊を目的としている。

3.管理者は医師とされている。

4.都道府県域でのサービス提供を行う。

5.看護と介護を一体的に提供する。

正解 5

1.看護小規模多機能居宅介護地域密着型サービスです。

2.看護小規模多機能型居宅介護は、利用者や家族の状態に合わせて、施設への「通い」 を中心に、短期間の「泊まり」、「訪問看護と訪問介護」を組み合わせたサービスを提供することを目的としています。長期間の宿泊を目的としているものではありません。

3.医師である必要はありません。

4.地域密着型サービスなので、市町村域でサービスを行います。

定期巡回・随時対応型訪問介護看護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第31回介護福祉士国家試験)

1.このサービスのオペレーターは、サービス提供責任者のことである。

2.利用者の状態の変化に応じて、随時訪問サービスを利用することができる。

3.介護・看護一体型では、訪問看護サービスを利用しても介護報酬は同一である。

4.日常生活上の緊急時の対応は行っていない。

5.要支援者、要介護者のどちらも利用できる。

正解 2
参考テキスト⇒定期巡回・随時対応型訪問介護看護

1.オペレーターは、看護師・准看護師・社会福祉士・介護福祉士・介護支援専門員・サービス提供責任者として1年以上従事した経験がある者が、勤務を認められている職種です。基本的にサービス提供責任者の配置が義務付けられているのは、訪問介護事業所です。

3.訪問看護サービスを行う場合と行わない場合があり、訪問看護サービスを行う場合の方が、利用料金は高いです。

4.行っています。

5.要介護者が利用できるサービスです。

介護医療院に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第33回介護福祉士国家試験)

1 入所できるのは要介護3以上である。

2 介護医療院の開設は市町村から許可を受けなければならない。

3 入居者のためのレクリエーション行事を行うように努める。

4 入居者一人当たりの床面積は、介護老人福祉施設と同じ基準である。

5 サービス管理責任者を1名以上置かなければならない。

正解3

1.原則、要介護3以上という入所条件があるのは、介護老人福祉施設(特養)で、介護医療院は要介護1~5までの介護認定を受けている方が対象です。

2.介護医療院施設サービスで、施設サービスの指定・監督を行うのは都道府県であり、市町村ではありません。

3.介護医療院は終の棲家となりえる場所で、レクリエーションは必要です。なので、この選択肢はよさそうです。

4.これは分からなくても問題ありません。

5.サービス管理責任者は特定の障害福祉サービス事業所に置かなければならない職種で、介護サービスに関する職種ではないので間違いです。

選択肢2、5は確実に✖
選択肢1はおそらく✖
選択肢4はわからない
選択肢3はよさそう

というところで選択肢3を選びます。

Eさん(女性,82歳,要介護1)は、夫(80歳)と二人暮らしである。膝の痛みがあるが、夫の介助があれば外出は可能である。最近Eさん宅は、玄関、トイレ、浴室に手すりを設置している。Eさんは料理が趣味で、近所のスーパーで食材を自分で選び、購入し、食事の用意をしたいと思っている。こうした中、Eさん宅で介護支援専門員(ケアマネージャー)が関係職種を招集してサービス担当者会議を開くことになった。Eさんの思いに添ったサービスの提案として最も適切なものを1つ選びなさい。(第33回介護福祉士国家試験)

1.訪問介護員(ホームヘルパー)による調理の生活援助の利用

2.介護支援専門員(ケアマネジャー)の手配による配食サービスの利用

3.社会福祉協議会の生活支援員による日常生活自立支援事業の活用

4.福祉用具専門相談員の助言による四輪歩行車の利用

5.通所介護(デイサービス)の職員による入浴サービスの利用

正解4

1.Eさんは自分で食材を購入して、自分で料理をしたいと書いてあるので適切ではありません。

2.選択肢1と同じ理由で適切ではありません。

3.日常生活自立支援事業は、認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な人が、地域で自立した生活を送るために、福祉サービス利用手続きや日常的な金銭管理などを行ってもらうもので、Eさんの状況からみて、必要なサービスではないので適当ではありません。

4.四輪歩行車は、歩行が自立できない方が身体を預けて使用するもの、荷物入れがついたタイプも多くあり、荷物の運搬も可能な福祉用具です。外出時の膝の痛みを軽減するため、福祉用具専門相談員の助言による四輪歩行車の利用は、提案内容として適切です。

キートン
キートン

ちなみにシルバーカーは、歩行が自立している人が荷物などを運搬する際に使用するもので、歩行車と比べると身体を支えにくく、体重をかけすぎると前輪が浮いて不安定になる可能性があります。

5.問題文にEさんが入浴サービスを希望しているという記述はなく、適当ではありません。

介護保険制度のサービス担当者会議に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第34回介護福祉士国家試験)

1.会議の招集は介護支援専門員(ケアマネジャー)の職務である。
2.利用者の自宅で開催することが義務づけられている。
3.月1回以上の頻度で開催することが義務づけられている。
4.サービス提供者の実践力の向上を目的とする。
5.利用者の氏名は匿名化される。

正解1

2.自宅での開催が義務付けられているわけではありません。利用者の自宅や居宅介護支援事業所等で開催することが多いですが、利用者が入院している場合は病院等で行うこともあります。

3.サービス担当者会議は必要に応じての開催となります。一般的には、
・新規サービス利用時
・問題発生時
・介護認定の更新時
などに必要となります。

4.サービス担当者会議は、サービス提供者の実践力の向上が目的ではなく、居宅サービス計画(ケアプラン)の作成のために開催されます。

5.基本的に本人や家族も参加するので、匿名化の必要がありません。

介護福祉職の仕事、連携に関する過去問

居宅サービスのケアマネジメント過程で、介護支援専門員と連携するサービス提供責任者の役割として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験)

1.1か月に1回は利用者の居宅を訪問して、面接を行う。

2.利用者の希望があれば、居宅サービス計画の変更を行う。

3.居宅サービス計画に基づいて、訪問介護計画を作成する。

4.サービス担当者会議を招集する。

5.利用者がほかに利用している介護サービスの実施状況についてモニタリングを行う。

正解 3

1.居宅サービス計画に係るモニタリングは、少なくとも月1回、利用者の居宅を訪問し、利用者と面接することになっていますが、このモニタリングを実施するのは、介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割です。

2.居宅サービス計画ケアプランであり、その変更を行うのは、介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割です。

3.正解。介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成したケアプランに基づいて、訪問介護計画を作成するのはサービス提供責任者の役割です。

4.サービス担当者会議の招集は、介護支援専門員の役割です。

5.提供している訪問介護の実施状況についてモニタリングを行う必要はありますが、他のサービスのモニタリングは行いません。そのサービスを提供している事業所が行います。

Eさん(80歳、男性)は、介護老人保健施設に入所して3か月になる。最近、夜間に大声で介護職員を呼び、介護職員が駆け付けると、「何でもない」と返事をすることが繰り返されている。そこで、F介護福祉職は、Eさんの行動の意味やその背景にある気持ちを把握するために、Eさんの話を聴いた。Eさんは、「夜になって、一人でこれからのことを考えているとつらい気持ちになって、つい職員さんを呼んでしまうのです。でも職員さんが来てくれると、結局何も言えなくなってしまうのですよ。いつも申し訳ないと思ってはいるのですが」と話した。F介護福祉職は、Eさんの了解のもと、その内容とその意味するところを他の介護職員に会議の場で伝えた。会議の場でのF介護福祉職の支援行動の意味として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験)

1.利用者本位
2.プライバシーの保護
3.総合的なサービスの提供
4.利用者ニーズの代弁
5.後継者の養成

正解4

Fさんの行動や考えなどについて、Eさんの了解を得た上で、Eさんに代わって他職員に会議の場で伝えるという支援は、利用者ニーズの代弁です。

Gさん(30歳、女性)は、介護福祉職として介護老人福祉施設で働いてから1年が経過した。最近、夜勤で初めて利用者の看取りを行い、無力感を経験した。その後、気持ちの落ち込みがあり、仕事にも支障が出そうになった。Gさんへの職場の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験)

1.看取りケアについてチームで話し合いをする。

2.Gさんの好きなものをプレゼントする。

3.気持ちが楽になるように、親睦会を開く。

4.看取りの経験を忘れるように、しばらく夜勤を免除する。

5.仕事に支障が出そうになったので、長期休暇をとってもらう。

正解 1

看取り対応は一回きりというわけではないので、チームとしてどうケアするのかをしっかり話し合う機会を設けることが重要です。その話し合いでつらい気持ちの共有ができれば、心理的なケアにもなります。選択肢2~5では根本的な解決にはなりません。

サービス担当者会議に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

1.サービス提供者の実践力の向上を主な目的とする。

2.利用者とその家族の参加を基本とする。

3.市町村社会福祉協議会が主催する。

4.市町村の会議室で開催することが望ましい。

5.利用者を匿名にして議論する。

正解 2

1.サービス担当者会議は、多職種の専門家が、利用者やその家族についての情報を共有し、意見交換を行うことにより、利用者、家族、職員間、サービス機関間の連携や協働を促し、ケアプランの作成、調整することを目的としています。

3.基本的に介護支援専門員(ケアマネジャー)が主催します。

4.サービス担当者会議は在宅の場合は自宅、施設入所者の場合は入所施設で行われることが多い。

5.利用者本人も参加するのに匿名にしても意味がありません。

訪問介護事業所のサービス提供責任者の役割に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第32回介護福祉士国家試験)

1.利用者の生活課題に沿って、居宅サービス計画書を作成する。

2.具体的な援助目標及び援助内容を記載した訪問介護計画書を作成する。

3.利用者の要望に応じて、他の事業所との利用調整を行う。

4.判断能力が十分でない人に対して、日常的な金銭管理を行う。

5.居宅サービス事業者を招集して、サービス担当者会議を開催する。

正解 2

1.居宅サービス計画はケアプランであり、作成は介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割です。

2.介護支援専門員(ケアマネジャー)が作成したケアプランに基づいて、具体的な訪問介護計画書を作成するのはサービス提供責任者の役割です。

3.利用者とサービス事業所を繋ぎ、調整を行うのは、介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割です。

4.サービス提供責任者も介護支援専門員(ケアマネジャー)も利用者の金銭管理をすることはありません。この選択肢の内容は、「日常生活自立支援事業」に関するものです。
参考テキスト⇒成年後見制度とは|日常生活自立支援事業との違いも解説

5.サービス担当者会議の開催は介護支援専門員(ケアマネジャー)の役割です。

介護の実践における多職種連携に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第32回介護福祉士国家試験)

1.医師が多職種連携の中心となる介護実践のことである。

2.民生委員やボランティアは、多職種連携のチームから除かれる。

3.医療と介護の連携は、利用者の体調不良時に医療機関を受診させることを指す。

4.要介護度の改善を優先して、多職種連携によるケアプランを作成する。

5.利用者のケアの方向性に関する情報を共有して、課題の解決に取り組む。

正解 5

1.中心となるのは利用者本人その家族等です。

2.除かれません。

3.利用者が体調不良にならないように、体調管理などを看護師、介護職が連携して行うことも多職種連携です。

4.優先すべきは利用者の希望です。

介護福祉職の倫理に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第32回介護福祉士国家試験)

1.介護の技術が伴わなくても、利用者の要望を最優先に実施した。

2.利用者が求めた医行為は、実践が可能である。

3.個人情報の取り扱いについて、利用者に説明して同意を得た。

4.暴力をふるう利用者を自室から出られないようにした。

5.業務が忙しかったので、施設の廊下で職員同士の打ち合わせを行った。

正解 3

1.技術が伴わない支援はリスクが高く、トラブルになる可能性があります。できるスタッフとスイッチするか、先輩介護職の指導を受けながら行う必要があります。

2.介護職は基本的に医行為は行えません。喀痰吸引経管栄養のみ医師の指示の下、条件を満たした介護職が行えます。

4.自室から出られないようにするのは、身体拘束にあたります。身体拘束は切迫性、②非代替性、③一時性の3つの要件を全て満たした場合のみ行えますが、この選択肢だけでは、3つの要件を満たしているかどうかわかりません。

5.打ち合わせの内容によっては、利用者の個人情報がもれたり、利用者に聞こえて不快な気分になる可能性もあるので、不適切です。

介護福祉士の職業倫理に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第34回介護福祉士国家試験)

1.介護が必要な人を対象にしているため、地域住民との連携は不要である。

2.全ての人々が質の高い介護を受けることができるように、後継者を育成する。

3.利用者のためによいと考えた介護を画一的に実践する。

4.利用者に関する情報は、業務以外では公表してよい。

5.利用者の価値観よりも、介護福祉士の価値観を優先する。

正解2

参考)➡ 介護福祉士の倫理要綱

介護福祉士の倫理要綱の要約↓

  • 利用者本位、自立支援
  • 専門的サービスの提供
  • プライバシーの保護
  • 総合的サービスの提供と積極的な連携、協力
  • 利用者ニーズの代弁
  • 地域福祉の推進
  • 後継者の育成

1.地域住民との連携は必要です。

3.画一的というのが誤りです。利用者のさまざまなニーズに対応できるような個別ケアが基本です。

4.守秘義務があります。

5.利用者の価値観を優先し、利用者の自己決定を尊重します。

福祉用具とリハビリテーションに関する過去問

車いすの操作の安全性に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験)

1.車いすの点検は介護福祉職が気づいたときに行う。

2.ブレーキが利きやすいように空気圧を下げる。

3.利用者が乗っている車いすを2台同時に押す。

4.ドアを片手でおさえながら、利用者の車いすを押す。

5.急こう配のスロープを降りる時、車いすは後ろ向きにする。

正解 5

1.点検は気づいた時ではなく、定期的に行います。

2.タイヤの種類ごとに定められた空気圧で調整します。

3&4.2台同時押し、方手押し、どちらも不適切です。

5.急こう配のスロープを降りる際は、車いすを後ろ向きにし、介護福祉職も後ろ向きになって、車いすを下側から支えるようにして下ります。

次のマークが示す内容として、正しいものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

JISマーク

1.国に登録された第三者認証機関によって、品質が保証された製品である。

2.身体拘束ゼロに役立つ製品である。

3.介護福祉士が医療的ケアを行うための製品である。

4.介護保険制度において、利用者の経済的負担がない製品である。

5.福祉用具・介護ロボット実用化支援事業で、普及啓発の対象となる製品である。

正解 1

このマークはJIS登録認証機関によって製品が認証されたものに付けられます。

JISマーク表示制度は、国に登録された機関による製品の品質を保証する第三者認証制度です。

JISマーク表示制度が利用される福祉用具は、手動車いす、電動車いす、在宅用電動介護用ベッドの3つです。

リハビリテーションの理念を表す用語として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

1.機能回復訓練
2.就労移行支援
3.全人間的復権
4.地域定着支援
5.特別支援教育

正解 3

リハビリテーションは「再び適したものにすること」を意味しており、再び人間らしく生きる権利をもつ状態を回復する全人間的復権を理念としています。

全人間的復権とは、障害を持った人が身体的、精神的、社会的、経済的に能力を回復させて人間らしく生きる権利を取り戻すことです。

リハビリテーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。(第29回介護福祉士国家試験)

1.障害が固定してから開始する訓練のことである。

2.福祉用具を使用せずに、身体的自立を目指すことである。

3.リハビリテーションには、名誉の回復の意味がある。

4.レクリエーションとリハビリテーションは、対極の概念である。

5.施設サービスに限定されている。

正解 3

1.病気の発症後、治療による安静のために生じる、体力の低下や筋力低下などを最小限に食い止めるために病気自体の悪化や障害の進行に注意しながらリハビリが行われます。 できるだけ早く、適切なリハビリを行うことは、その後の回復に大きく影響を及ぼします。

2.福祉用具を使用せずに身体的自立を目指す人。福祉用具を使用して社会参加をできる限り目指す人。ケガや障害の程度もあり、人によって異なります。

3.リハビリテーションとは、疾患やケガによって失ったものを再び元の状態に戻すことです。さらに、人として本来あるべき姿に回復することであり、全人間的復権を意味しています。それに加えて、古くは「更生」、「名誉回復」などの復権という意味が含まれています。

4.レクリエーションは、身体機能の向上を促すだけではなく、生きがいのある生活やより良い人間関係の構築などの効果があります。つまり、リハビリテーションと対極の概念ではありません。

5.訪問リハビリや通所リハビリなどのサービスもあります。

高齢者のリハビリテーションに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第33回介護福祉士国家試験)

1 機能訓練は、1回の量を少なくして複数回に分けて行う。

2 基本的な動作を行う訓練は、物理療法である。

3 関節障害のある人の筋力訓練は、関節を積極的に動かすことが効果的である。

4 パーキンソン病(Parkinson disease)の人の訓練では、体幹をひねることは避ける。

5 関節リウマチ(rheumatoid arthritis)の人の訓練は、朝に行うことが効果的である。

正解1

1.高齢者の場合、機能訓練で行う1回の量を多くすると関節や筋肉への負担が大きくなります。継続的にリハビリを行うために、一回の量を少なくし、複数回に分けて行うのは適切です。

2.基本的な動作を行う訓練は運動療法です。
物理療法は、痛みを和らげたり、循環を改善させたり、むくみを軽減させたり、体を動かしやすくする目的で、温熱、レーザーなどの光線、電気、低周波などの物理的手段を用いる方法です。

3.関節障害のある部位を積極的に動かすことで筋肉やじん帯などが傷つき、障害が悪化するおそれがあります。

4.パーキンソン病の症状に姿勢反射障害があり、急な方向転換などでは転倒するリスクがありますが、その予防のために、体幹の強化などを図ることを目的として、体幹をひねる運動が行われます。足を止めた状態で体幹をひねる動作は特にリスクはありません。

5.関節リウマチの特徴として、朝方の関節のこわばりがあります。なので、朝に訓練を行うのは適当ではありません。。

感染対策や災害対策、安全対策に関する過去問

疥癬とその対策に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験)

1.マダニが皮膚に寄生することで発生する皮膚病である。

2.感染した皮膚には変化が見られない。

3.感染した利用者は他の利用者と同室でよい。

4.感染した利用者の衣類や寝具の洗濯は他の利用者のものと一緒でよい。

5.感染した利用者の入浴は、順番を最後にする。

正解 5

1.マダニではなくヒゼンダニが原因です。

2.赤いぶつぶつ(丘疹、結節)がみられます。

3.感染拡大を防ぐため、感染した利用者を個室に移動させるなどの対応が必要です。

4.感染した利用者の衣類を別にして洗濯すること、タオルなど肌に直接触れるものは共用しないこと、予防衣や手袋の着用と手洗い徹底することなどによって、拡大防止を図る必要があります。

リスクマネジメントに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

1.細心の準備をすれば、事故は起こらない。

2.小さな介護事故は、個人で対応する。

3.介護事故の報告を済ませたら、その後の対応は組織の代表者に一任すればよい。

4.介護業務になれると事故は起こらない。

5.ヒヤリ・ハット事例の収集・分析が、事故を防ぐことにつながる。

正解 5

1&4.
事故の可能性を0%にすることはできません。

2.必ず組織の代表者に報告を行い、同じ事故を繰り返さないように他職員とも情報を共有することが大切です。

3.一任するのではなく、担当者として一緒に関わるようにします。

感染対策に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

1.下痢・嘔吐が続く介護福祉職は、マスクをして業務を行う。

2.汚れが目に見える場所を消毒することが、感染症予防に有効である。

3.モップを使う床掃除の場合は、乾いたモップで汚れを拭きとる。

4.手袋を着用していれば、排泄物や嘔吐物を触った後の手洗いを省略してもよい。

5.固形石鹸よりも液体せっけんの方が望ましい。

正解 5

1.休んでください。

2.ウイルスは目に見えないので、付着が疑われる場所を消毒する必要があります。

3.除菌洗浄剤をしみこませたモップ等で汚れを拭きとります。使用後はよく洗浄して、乾燥させることが重要です。

4.手袋を着用していても、排泄物や嘔吐物を触った後には必ず十分な手洗いを行います。

5.液体せっけんと比べた場合、固形せっけんの方が使用中に細菌汚染を起こしやすいとされており、液体せっけんの方が望ましい。

労働安全衛生法に定められている内容に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

1.労働災害の防止に関する措置への労働者の協力。

2.労働者の介護休業

3.女性労働者の婚姻、妊娠、出産等を理由とする不利益取り扱いの禁止。

4.常時20名以上の労働者を使用する事業場の衛生委員会の設置。

5.労働者の1日の法定労働時間。

正解 1

参考テキスト⇒労働安全衛生法

2.育児介護休業法に規定されている内容です。

3.男女雇用機会均等法に規定されている内容です。

4.衛生委員会の設置は労働安全衛生法に規定されているが、20名以上ではなく、50名以上です。

5.労働基準法に規定されている内容です。

ストレスマネジメントに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

1.仕事に没頭することでストレスを忘れるようにする。

2.自分はストレスを感じることがないと考える。

3.悩みは他人に相談せずに、自分で解決しようとする。

4.困難な現実からは目をそらして、自己を正当化する。

5.自分に合った適切な対処法を持つ。

正解 5

1.仕事に没頭することでストレスを忘れることができるとは限らず、根本的な解決にはなりません。

2.このように考えても実際にストレスがなくなるわけではありません。

3.悩みを自分だけで解決しようと抱え込むと、視野が狭くなり、正しい判断ができなくなる場合があります。

4.何の解決にもなりません。

災害時避難所での高齢者への介護福祉職の対応として、最も適切なものを1 つ選びなさい。(第29回介護福祉士国家試験)

1.疲労防止のために、日中も臥床して過ごすように勧める。

2.避難所内の調和を乱さないように、「個」よりも「全体」に配慮する。

3.杖で歩行している人も、避難所内では車いすを使ってもらう。

4.トイレの数が確保できないので、水分を控えるように助言する。

5.深部静脈血栓症(deep vein thrombosis)(いわゆるエコノミークラス症候群)の 予防のために、運動をすることを勧める。

正解 5

1.日中も臥床して過ごせば、機能が低下し、寝たきりなどの原因となります。

2.避難所内の調和を乱さないようにすることは大切ですが、高齢者の場合は、病気を抱えていたり心身の不調を起こしたりしやすいことから、避難所の中であっても「個」にも配慮する必要があります。

3.杖で歩行できるのであれば、わざわざ車いすを使うことはありません。

4.水分を控えることは脱水症状等の体の変調を起こしやすくなります。尿取りパッドを利用するなど別の方法を考える必要があります。

介護福祉職の腰痛予防に関する次の記述のうち、最も適切なものを1 つ選びなさい。(第29回介護福祉士国家試験)

1.介護中の姿勢は中腰を基本とする。

2.1 年ごとに定期健診を受ける。

3.勤務時間内は、全員が一律にコルセットを着用する。

4.静的ストレッチングが効果的である。

5.移乗や移動の支援は、利用者を抱えて行う。

正解 4

1.中腰での作業は腰への負担が大きいので不適切です。高さの調整はできるだけ膝で行います。

2.労働安全衛生法では 1年以内ごとに1回 健康診断を受ける義務、受けさせる義務が規定されています。上記法律で定められた健康診断とは別に、介護や看護の職に従事する職員については、6ヵ月以内に1回(年2回)腰痛健診の実施が求められています。ただし、職場における腰痛予防対策指針の腰痛健診法的な義務ではなくあくまでも「指針」なので、やらなかったからと言って直ちに法律違反になるわけではありません。

3.全員一律にコルセットを着用する必要はありません。

4.静的ストレッチは、静止した状態で反動をつけずに行うストレッチ(前屈など)で、動的ストレッチは、はずみや反動を使い、動きながら行うストレッチ(ラジオ体操など)です。体の柔軟性があがってケガのリスクはさがります。

5.利用者を抱えるということは基本やりません。腰にも相当負担です。

選択肢2が健康診断を指しているのか、腰痛検診を指しているのかわからないので、判断しにくいですが、健康診断を指しているなら、血液検査したり、バリウム飲んだりする年一回の定期健診はあまり腰痛には関係ないので、腰痛予防に関して最も適切なのはどれかと言われると選択肢4になります。腰痛検診を指しているなら、年に2回なので、適切な選択肢ではありません。

個人情報を使用するに当たり、本人や家族への説明と同意が不要となるケースとして、適切なものを1つ選びなさい。(第30回介護福祉士国家試験)

1.意識消失とけいれん発作を起こした利用者の個人情報を救急隊員に提供する場合

2.指定介護事業者が、サービス担当者会議に利用者の個人情報を提供する場合

3.行事で撮影した利用者の顔写真を、施設の広報誌に使用する場合

4.転居先の施設の求めに応じて、利用者の個人情報を提供する場合

5.実習生が、利用者の個人情報を閲覧する場合

正解 1

選択肢2~4はすべて本人、家族への説明と同意が必要です。

介護老人福祉施設における防災対策に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第30回介護福祉士国家試験)

1.消防法において、年1回以上の消火・避難訓練が義務づけられている。

2.大規模災害時には、災害派遣医療チーム(DMAT)の活動拠点本部になることが義務づけられてる。

3.災害対策基本法に基づき、避難行動要支援者名簿の作成が、施設長に義務づけられている。

4.避難訓練は、混乱が想定される夜間は避ける。

5.施設が作成する非常災害対策計画の内容は、職員間で十分に共有する。

正解 5

参考テキスト⇒非常災害対策

1.介護保険施設や事業所においては、「非常災害対策計画」を作成して、非常災害時の関係機関への通報連携体制を整備して年2以上の消火・避難訓練が義務づけられています

2.災害派遣医療チーム(DMAT)の活動拠点本部とは、災害拠点病院等から適当な場所を選定し、必要に応じて複数設置されるものであり、介護老人福祉施設が活動拠点本部になることが義務づけられているわけではありません。

3.施設長ではなく市町村長です。

4.混乱が想定されるからこその訓練で、 連絡体制を含めた夜間を想定した訓練および夜間の訓練を行う必要があります。

施設の介護における安全の確保に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第31回介護福祉士国家試験)

1.職員に対して安全に関する研修を定期的に行う。

2.施設管理者の安全を第一に考える。

3.利用者の社会的な活動を制限する。

4.利用者に画一的なサービスを提供する。

5.安全対策は事故後に行う。

正解 1

2.セウォル号の船長が乗客より先に逃げ出したというニュースを思い出しました。

3.リスクも考慮した上で、その活動を本人が望んでいるなら制限するより応援する方が大切です。

4.利用者によって体調や有する能力が異なるので、個別ケアを実施する必要があります。

5.事故が起こらないように安全対策をするのです。

高齢者介護施設で、MRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)の保菌者が確認されたときの対応に関する次の記述のうち。最も適切なものを1つ選びなさい。(第32回介護福祉士国家試験)

1.入居者全員の保菌の有無を調べる。

2.接触感染予防策を実施する。

3.保菌者のレクリエーションへの参加を制限する。

4.保菌者は最初に入浴する。

5.通常用いられる消毒液は無効である。

正解 2

MRSAは非常にありふれた菌で「保菌」している人がいるだけならば、手洗いを行うことや、定期的な清掃を行い、一般的な清潔維持が保たれていれば、健常者と同じように日常生活を送ることができます。 MRSAは遅かれ早かれ消失するので治療の必要もありません。ただし、MRSAを「発症」している人( 咳やくしゃみ、発熱、下痢のような症状が現れている人)は排出する菌の量が多いので原則として隔離する必要があります。

従って、選択肢134は×

2.保菌者がいても手洗い、手指消毒などの接触感染予防をしておけば、日常生活に問題はありません。これは正しいです。

5.抗生物質は効きにくくなっていますが、消毒液は効果があります。

施設における利用者の個人情報の安全管理対策として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第34回介護福祉士国家試験)

1.介護福祉職が個人所有するスマートフォンの居室への持込みは制限しない。

2.不要な個人情報を破棄する場合は、万が一に備えて復元できるようにしておく。

3.利用者からの照会に速やかに応じるために、整理用のインデックスは使用しない。

4.個人情報に関する苦情対応体制について、施設の掲示板等で利用者に周知徹底する。

5.個人情報の盗難を防ぐために、職員の休憩室に監視カメラを設置する。

正解4

個人情報に関する苦情対応体制というのは、利用者が苦情を言いたいときに、どのようすればよいかがすぐわかるようにすることです。施設の掲示板等で利用者に周知徹底し、万が一問題が発生した場合は、利用者がすぐに苦情を申し入れられるようにします。

1.スマートフォンを利用者の居室に持ち込むことは、SNSなどを通じて利用者の個人情報が外部に流出する可能性があります。現実的には、利用者の居室へ入る際にわざわざスマホを置いてくるような対応をしているところは少ないと思いますが、「持込みは制限しない」ということが安全管理対策とはならないので間違いです。

2.不要になった個人情報はシュレッダー等で、適切に破棄し、復元できないようにする必要があります。

3.整理用のインデックスは、個人情報を含む文書やデータを体系的に整理し、必要な情報を迅速かつ正確に検索できるようにするためのものです。整理用のインデックスを使用しない場合、必要な情報を探すのに余計な時間がかかります。これは特に緊急時には大きな問題となり得ます。また、整理されていない情報は、間違った利用者の情報を参照するリスクが高まります。これは、誤ったケアやサービスを提供する原因になりかねません。

5.職員のプライバシー保護の観点から不適切です。

介護福祉士制度と関連する法律に関する過去問

介護福祉士制度が創設された背景にあるものとして、最も適切なものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験)

1.高齢化率が14%を超えて、高齢社会となった。

2.介護保険法が制定されて、新しい介護サービス提供の仕組みが創設された。

3.日本学術会議が、介護職員の専門性と資格制度についての意見を出した。

4.特別擁護老人ホームの制度ができて、介護職員が必要になった。

5.高齢者保健福祉推進十か年戦略(ゴールドプラン)の策定によって、介護サービスの拡充が図られるようになった。

正解 3

社会福祉士及び介護福祉士法によって介護福祉士制度が創設されました。

1.社会福祉士及び介護福祉士法1987(昭和62)年に制定されて、

  • 1970(昭和45)年―高齢化社会
  • 1995(平成7)年―高齢社会
  • 2007(平成19)年―超高齢社会

高齢社会になったのは、社会福祉士及び介護福祉士法が制定された後です。

2.介護保険法は1997(平成9)年に制定され、2000(平成12)年に施行されており、社会福祉士及び介護福祉士法が制定された後です。

4.特別養護老人ホームが創設されたのは1963(昭和38)年です。この時代は家庭奉仕員など家族以外の非専門職により介護の時代であり、介護福祉士制度が創設された背景とは関係がありません。

5.ゴールドプラン1989(平成元)年に高齢者対策強化の目的で策定されたものであり、すでに社会福祉士及び介護福祉士法は制定されています。

社会福祉士及び介護福祉士法に基づいて、介護福祉士に課せられている誠実義務に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験)

1.常に担当する利用者の立場に立って業務を行う。

2.国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図る。

3.利用者を心身ともに健やかに育成する責任を負う。

4.利用者の心身の健康の保持のために必要な措置を講じる。

5.利用者が安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与する。

正解 1

誠実義務
「その担当する者が個人の尊厳を保持し、自立した日常生活を営むことができるよう、常にその者の立場に立って誠実にその業務を行分ければならない。」

介護福祉士に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験)

1.介護福祉士の資格は、業務独占の資格である。

2.介護福祉士の資格は、更新制である。

3.介護福祉士になるには、都道府県知事に申請し、登録しなければならない。

4.介護福祉士は、介護等に関する知識や技能の向上に努めなければならない。

5.刑事罰に処せられた者は、どのような場合も介護福祉士になれない。

正解 4

1.名称独占の国家資格です。

2.更新制ではありません。ちなみにケアマネは更新制です。

3. 介護福祉士になるには、国家試験に合格後、厚生労働大臣が指定する指定登録機関(公益法人社会福祉振興・試験センター)に申請し、介護福祉士登録簿に、氏名、生年月日その他厚生労働省令で定める事項の登録を受けなければなりません。

4.介護福祉士に求められる義務

  • 信用失墜行為の禁止
  • 秘密保持義務
  • 連携
  • 誠実義務
  • 資質向上の責務

5.禁固刑などの刑事罰に処せられた場合、刑の執行が終わり、または刑の執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しない者は、介護福祉士になることはできませんが、2年を経過した場合には、介護福祉士になることが可能です。

「福祉関係三審議会合同企画分科会」が提出した「今後の社会福祉のあり方について(意見具申)」(1989 年(平成元年)3 月)の内容で、介護保険法の理念・仕組み等につながる事項として、適切なものを1 つ選びなさい。
(注) 「福祉関係三審議会合同企画分科会」の三審議会とは,中央社会福祉審議会、身体障害者福祉審議会,中央児童福祉審議会のことである。(第29回介護福祉士国家試験)

1.社会福祉事業に対する規制強化
2.市町村の役割重視
3.施設福祉サービスの法定化
4.就労支援策の創設
5.福祉文化の創造

正解 2

1.1989(平成元年)はゴールドプラン(高齢者保健福祉推進10か年戦略)が策定されました。ホームヘルパーを10万人、特別養護老人ホームを24万床にするなど、10年間の具体的な数値目標が定められ、サービスの拡大を進めている時期で、規制強化とは真逆の方向です。

2.市町村は 住民に最も密着した基礎的地方公共団体で、介護保険サービス利用の窓口でもあるので、役割としては重要です。

3.例えば、特別養護老人ホームは老人福祉法に規定されていて、老人福祉法は1963年に施行されています。つまり1989年よりずいぶん前に福祉施設サービスは法定化されています。

4.介護保険法と就労支援は関係性が薄いです。就労支援は障害者総合支援法のカテゴリーです。

5.福祉文化?よくわからない選択肢です。

2019年(平成31年)4月現在、経済連携協定(Economic Partnership Agreement)に基づく介護福祉士候補者等の受入れに関する次の記述のうち、正しいものを1 つ選びなさい。(第30回介護福祉士国家試験)

1.介護福祉士候補者の受入れは、2002年度(平成14年度)から始まった。

2.対象となる国は、東南アジア6か国である。

3.介護福祉士候補者の受入れ施設の要件は、常勤介護職員の2割以上が介護福祉士であることである。

4.介護福祉士候補者の在留期間は、3年である。

5.介護福祉士として介護業務に従事する限り、日本に在留できる。

正解 5

EPA介護福祉士候補者とは、経済連携協定に基づいて日本の介護施設で就労・研修をしながら、日本の介護福祉士資格の取得を目指す方々のことです。

送り出し側にとって、国内の経済対策としての失業対策と外貨獲得の目的、技術移転、所得増加のような目的があり、受け入れ側にとっては人材資源の確保という目的があります。

※EPA介護福祉士は、経済活動に関する二国間の連携強化が目的であり、介護分野の人材不足への取り組みとして行うものではありませんとアナウンスされています。


EPA介護福祉士に関してのポイントは、
2008(平成20年度)から受け入れスタート

・受け入れ国は現在3か国インドネシアフィリピンベトナム

・在留期間は
資格取得前日本に滞在できる期間は4年と決まっていますが、滞在最終年度(4年目)で不合格だった場合でも、1年間の滞在延長が認められています。それでも合格できなかった場合は、帰国しなければなりません。
資格取得後は上限なく在留資格を更新でき、介護福祉士として働き続けられます。

・受け入れ施設の条件は
定員30名以上の介護施設であること 常勤介護職員の4割以上が介護福祉士有資格者であること

などがあります。

1.2008(平成20)年度より始まったので間違いです。

2.フィリピン、インドネシア、ベトナムの3か国です。

3.2割ではなく4割です。

4.在留期間は資格取得前日本に滞在できる期間は4年と決まっていますが、滞在最終年度(4年目)で不合格だった場合でも、1年間の滞在延長が認められています。それでも合格できなかった場合は、帰国しなければなりません。

資格取得後上限なく在留資格を更新でき、介護福祉士として働き続けられます。

社会福祉士及び介護福祉士法に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。(第30回介護福祉士国家試験)

1.介護に従事している者は、介護福祉士を名乗ることができる。

2.介護福祉士の業として、介護者に対する介護に関する指導が含まれる。

3.成年被後見人や被保佐人は、介護福祉士となることができる。

4.介護福祉士は信用失墜行為をした場合、罰則により1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられる。

5.介護福祉士国家試験に合格した日から、介護福祉士を名乗ることができる。

正解 2

1&5.
国家試験をパスしてから、厚生労働省に備える介護福祉士登録簿に登録してはじめて介護福祉士を名乗れます。

3.なれません。

4.1年以下の懲役または30万円以下の罰金に処せられるのは秘密保持義務違反の場合です。

「育児・介護休業法」に基づく、休業や休暇などの取得に関する次の記述のうち、 適切なものを1つ選びなさい。(第30回介護福祉士国家試験)

1.育児休業期間は、子が満3歳になるまでである。

2.子の小学校就学前まで短時間勤務制度を活用できる。

3.子が病気等をしたときは、3歳まで年に10日間の看護休暇を取得できる。

4.要介護状態にある家族の通院の付添いをするときは、介護休暇を取得できる。

5.介護休業とは、2か月以上要介護状態が続いている家族を介護するためのものである。

正解 4

参考)➡ 育児介護休業法

1.育児休業期間は、原則として、子が1歳に達するまでの間で労働者が申し出た期間とされています。ただし、子が1歳に達する日において、いずれかの親が育児休業中であり、かつ一定の事情がある場合には、1歳6か月に達するまで延長可能。さらに、1歳6か月到達の時点でさらに休業が必要な場合(例えば保育園に入園できなくなった場合などのとき)は、2歳に達するまで延長可能とされています。

2.短時間勤務制度とは、所定の労働時間を短縮することによって、労働者が就業しつつ子を養育することを容易にするための措置をいい、歳に満たない子を養育する労働者が希望すれば利用することができます。

3.看護休暇は、小学校就学前までの子を養育する労働者が、1年に日まで(子が2人以上の場合は10日まで)、病気・けがをした子の看護または予防接種・健康診断を受けさせるために、休暇をとれる制度で、半日単位1時間単位でも取得することができます

5.要件である「要介護状態」とは、負傷、疾病又は身体上若しくは精神上の障害により、「2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態」のことをいい、介護保険の要介護認定を受けていなくても、介護休業の対象となり得ます。 要介護認定を受けているなら、要介護2以上で、「要介護状態」として認められます。

社会福祉士及び介護福祉士法における介護福祉士の義務として、適切なものを1つ選びなさい。(第31回介護福祉士国家試験)

1.家族介護者の介護離職の防止
2.医学的管理
3.日常生活への適応のために必要な訓練
4.福祉サービス関係者等との連携
5.子育て支援

正解 4

参考テキスト⇒介護福祉士の義務

国民生活基礎調査やその他の調査データに関する過去問

2022年の「国民生活基礎調査」(厚生労働省)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。(第27回介護福祉士国家試験改)

1.65歳以上の者のいる世帯の場合、世帯構造別の構成割合は「単独世帯」と「夫婦のみの世帯」を合わせても半数以下である。

2.65歳以上の者のいる世帯の場合、世帯構造別の構成割合は、「三世代世帯」が半数を超えている。

3.主な介護者が同居の家族の場合、「子の配偶者」が主な介護を担う割合は、「配偶者」、「子」を上回っている。

4.主な介護者が同居の家族の場合、その介護者の年齢は男女ともに60歳以上の割合が半数を超えてる。

5.要介護者等と同居する主な介護者のうち、男性の割合は1割程度である。

正解 4

参考テキスト⇒国民生活基礎調査・高齢社会白書

1.2022年の国民生活基礎調査より、65歳以上の者のいる世帯の世帯構造は

  1. 夫婦のみの世帯65 歳以上の者のいる世帯の32.1%
  2. 単独世帯同 31.8%
  3. 親と未婚の子のみの世帯同 20.1%
  4. 三世代世帯同7.1%

夫婦のみの世帯と単独世帯を合わせると50%を超えています。

2.上記より、三世代世帯は2022年では7.1%です。

3. 「同居の者」の主な介護者の要介護者等との続柄は、

  1. 配偶者22.9%)
  2. 子(16.2%)
  3. 子の配偶者(5.4%)

4.

また、「同居」の主な介護者を性別にみると、男性 31.1%女性 68.9%女性が多く、これを年齢階級別にみると、男性は

  1. 60~69歳(26.9%)
  2. 80歳以上(25.3%)
  3. 70~79歳(22.8%)

で、女性は

  1. 70~79歳(31.1%)
  2. 60~69歳(30.1%)
  3. 50~59歳(17.0%)

男女とも、60歳以上の割合が半数を超えています。

5.上記より、男性の割合は2022年では31.1%となっています。

2022年の「国民生活基礎調査」(厚生労働省)に関する次の記述のうち、65歳以上の者のいる世帯について、正しいものを1つ選びなさい。(第28回介護福祉士国家試験改)

1.  65歳以上の者のいる世帯は、全世帯の6割を超えている。

2.「親と未婚の子のみの世帯」は2004年に比べて減少して
  いる。

3.「夫婦のみの世帯」は2004年に比べて減少している。

4.「単独世帯」は2004年に比べて増加している。

5.「三世代世帯」は65歳以上の者のいる世帯の3割を超えている。

正解 4

1.「65 歳以上の者のいる世帯」は 2747 万 4 千世帯(全世帯の 50.6%)となっています。

2&3&4.65歳以上の者のいる世帯で単独世帯」「夫婦のみの世帯」「親と未婚の子のみの世帯増加傾向です。よって選択肢2、3は✖で選択肢4が正しいです。

5.三世代世帯は年々減少し、2022年では、65歳以上の者のいる世帯の7.1%になっています。

「平成30年版高齢社会白書」(内閣府)で示された65歳以上の者の家庭内事故の発生割合が最も高い場所(屋内)として、正しいものを1つ選びなさい。

1.階段
2.台所・食道
3.風呂場
4.トイレ
5.居室

正解 5

平成30年版高齢社会白書によると、居室(45.0%)>階段(18.7%)>台所・食堂(17.0%)の順になっています。

「2016年(平成28年)国民生活基礎調査」(厚生労働省)における、同居の主な介護者の悩みやストレスの原因として、最も多いものを1つ選びなさい。(第33回介護福祉士国家試験)

1 家族の病気や介護
2 自分の病気や介護
3 家族との人間関係
4 収入・家計・借金等
5 自由にできる時間がない

正解1

2016年の国民生活基礎調査によると、同居の主な介護者の悩みやストレス

最も多いのはダントツで「家族の病気や介護」となっています。

キートン
キートン

データ系の問題は、「こんなデータ知らんよ!」というものが出題される可能性も多いので、わからないなと思ったら、明らかに違うだろうと判断できる選択肢だけ切って、適当に選び、次の問題へさっさと行ってしまいましょう。

その他の問題

「価値のある社会的役割の獲得」を目指すソーシャルロール・バロリゼーション(Social Role Valorization)を提唱した人物として、正しいものを1つ選びなさい。

1 バンクーミケルセン(Bank-Mikkelsen)
2 ヴォルフェンスベルガー(Wolfensberger)
3 メイヤロフ(Mayeroff)
4 キットウッド(Kitwood)
5 ニィリエ(Nirje)

正解2

ノーマライゼーション関連の人物はそこそこ出題されているので、覚えておきましょう。

  • バンク・ミケルセン(デンマーク)
    ノーマライゼーションという言葉の生みの親で日本ではノーマライゼーションの父として知られています。
  • ニィリエ(スウェーデン)
    スウェーデンのノーマライゼーション運動に携わってきたニィリエは、ノーマライゼーションの理念を整理・成文化(文章として書き表すこと)し、原理として定義づけました

    ノーマライゼーションの原理を「社会の主流となっている規範や形態にできるだけ近い、日常生活の条件を知的障害者が得られるようにすること」と定義し、さらに「ノーマライゼーションの8つの原理(1日のノーマルなリズム、ノーマルな生活水準など)」を実現しなければならないものと位置づけました。

    ニィリエは、ノーマライゼーションをアメリカにも紹介しました。そうしてノーマライゼーションがアメリカひいては世界中にも広がることになります。デンマークのバンク-ミケルセンが「ノーマライゼーションの父・ノーマライゼーションの生みの親」といわれるのに対して、スウェーデンのニィリエが「ノーマライゼーションの育ての親」といわれるのは、ノーマライゼーションの原理を整理・成文化して紹介し、世界中に広めたためです。
  • ヴォルフェンスベルガー
    アメリカに広がったノーマライゼーションを独自に理論化・体系化して発展させました。
    ヴォルフェンスベルガーは、ノーマライゼーションをアメリカで政策に導入し、実践しました。

    ヴォルフェンスベルガーは、障害者などの社会的マイノリティが保護や哀れみの対象として一般市民から下に見られるのではなく、社会的意識の面で一般市民と対等な立場とする事がノーマライゼーションの目指すべきことであると考え、1983年には、ノーマライゼーションの原理にかわる新しい学術用語として「ソーシャル ロール バロリゼーション(Social Role Valorization:社会的役割の実践)」を提唱しています。

介護施設におけるプライバシーの保護として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第33回介護福祉士国家試験

1.ユニット型施設は個室化が推進されているため、各居室で食事をしてもらった。

2.個々の利用者の生活歴の情報を、ルールに従って介護職員間で共有した。

3.個人情報記録のファイルを、閲覧しやすいように机の上に置いたままにした。

4.着衣失行があるため、トイレのドアを開けたままで排泄の介護を行った。

5.家庭内の出来事や会話の内容は、情報に含まれないため記録しなかった。

正解2

個人情報の適切な管理と共有は、プライバシー保護の基本であり、ルールに従った情報共有は非常に重要です。

1.ユニット型施設の運営基準では、「入居者が相互に社会的関係を築くことができるよう、その意思を尊重しつつ、入居者が共同生活室で食事を摂ることを支援しなければならない」と規定されています。ユニットケアではなじみの関係をつくっていく必要があるので、この選択肢は適当ではありません。

3.机の上に個人情報記録のファイルを置いたままにしておくと、介護職員以外の第三者の目に触れる可能性が高く、個人情報の漏洩につながるおそれがあるため、不適切です。

4.プライバシー保護のため、必要な支援(例えば、着衣失行があるので、ズボンと下着をおろす等)を行ったあとは、近距離で見守りをしないと転倒のリスクがあるような場合をのぞき、介護福祉職はトイレのドアを閉め、そばを離れます。

5.家庭内での出来事や会話の影響で不穏になったり、イライラしたりする場合もあり、支援するためには必要な情報となる場合もあるので、記録する必要があります。

ハインリッヒの法則に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第33回介護福祉士国家試験)

1.機能障害、能力障害、社会的不利という障害をとらえるための分類である。

2.人間の自己実現に向けた欲求を5つの階層で示したものである。

3.一つの重大事故の背景には、多くの軽微な事故とヒヤリハットが存在する。

4.患者が余命を知らされてから死を受容するまでの心理的プロセスである。

5.生活課題を抱えた人の支援をする上で必要な7つの原則である。

正解3

1.これはICIDHのことなので、適当ではありません。

2.これはマズローの欲求階層説のことなので、適当ではありません。

3.ハインリッヒの法則は、「1件の重大な労働災害発生の背景には同種の軽い労働災害が29件、傷害事故には至らなかった同種の事故が300件ある」という考え方で、「1:29:300の法則」ともいわれています。

4.これは、キューブラー・ロスによる死の受容に至るまでの心理過程の内容なので、適当ではありません。

5.これはバイステックの7原則のことなので、適当ではありません。

Hさん(75歳、女性、要介護2)は、孫(17歳、男性、高校生)と自宅で二人暮らしをしている。Hさんは関節疾患があり、通所リハビリテーションの利用を開始した。介護福祉職が送迎時に孫から、「祖母は、日常生活が難しくなり、自分が食事を作るなどの機会が増え、家事や勉強への不安がある」と相談された。介護福祉職の孫への対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。(第34回介護福祉士国家試験)

1.「今までお世話になったのですから、今度はHさんを支えてください」

2.「家事が大変なら、Hさんに介護老人福祉施設の入所を勧めましょう」

3.「高校の先生や介護支援専門員(ケアマネジャー)に相談していきましょう」

4.「家でもリハビリテーションを一緒にしてください」

5.「近所の人に家事を手伝ってもらってください」

正解3

高校の先生は学業に関するサポートを、ケアマネジャーは介護に関するサポートを提供できます。これは孫の不安に対処し、適切な支援を得るための実用的なアプローチです。

1.孫の現在の悩み(家事と勉強への不安)に対する具体的な解決策にはなりません。

2.介護の負担を軽減するために施設の利用を提案していますが、Hさんが自宅での生活を望んでいる場合や、孫との同居が両者にとって重要である場合には適切ではありません。

4.孫の主な悩み(家事と勉強への不安)には直接対処していません。

5.地域の支援を利用することを提案していますが、実際にそのような支援が利用可能か、また孫やHさんがそのような支援を受け入れるかどうかは不確かです。

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